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世界最先端のビールスタイル「コールドIPA」を飲んでみた話
序文:ビアスタイルのトレンド
皆さん、ビール飲んでますかーー??
この5年くらいの間、
IPA、セゾン、セッションIPA、ブリュットIPA、ヘイジーIPAと様々なスタイルがスタイルが隆盛を誇ってきたビール界。
そのブームの中には必ず代表格となる銘柄があった。
今だったらアメリカから火がついた、
ヘイジーIPA(ホップを大量に使って濁った色のフルーティなビール)が日本ではまだまだ人気だ。
(余談:日本ではさほど浸透していないが、メキシカンラガーやペイストリー、
ビールではないが海外のトレンドとして、セルツァー、コンブチャもある。
後イタリアのグレープエールね!笑)
音楽でもそうだが、日本でのブームは海外の数年後訪れるという。
実際、ヘイジーIPAも日本で作られまくるようになったのはアメリカで登場してから数年経過している。
では今世界で流行の兆しがあるビールは何なのだろうか?
「コールドIPA」 だ。
コールドIPAって何?
試しに日本語で「コールドIPA」と検索してみてもまだ解説しているページがほとんど出てこない。
正直、これに関してはtwitterやinstagramで検索をかける方が詳しいことを書いてくださってる方が遥かに多いのが実情。
ブリュワーさんとか。
事実僕もtwitterのフォロワーのブリュワーさんのポストで初めて存在を知った次第(ぼぶのなつやすみさん有り難うございます!良い時代!)
次の流行はコールドIPAが来るかも?とhttps://t.co/O340JfWw8X
— ぼぶのなつやすみ (@bobeer_) February 24, 2021
参考までにもう一個貼ってみる。英語なので翻訳するかがんばって!笑
そんな時間ないよという方にざっと要約すると、
コールドIPAとは
・ラガー酵母から作られる
・ホップを大量に使う
・従ってIPLのように度数が高め
・それをエールで仕込むような高温度帯で発酵させる
あとは、副原料にライスフレーク(つまり米!)を使って飲みやすさを強化したり、
最近人気のTalusとかを主に使うみたいな細かい定義もあるようですが、
誤解を恐れずに言えば、ケルシュやカリフォルニアコモンのような
「ハイブリッド」タイプのビールの一種に現状分類できます。
※カリフォルニアコモンというのはアメリカで誕生したスタイルの一つで、
アンカー社で有名な所謂スチームビールのことですね。
フルーティでおいしいから飲んでみて!
上記の参考サイトでは「コールド」という名称が一部の層から反発を受けてるというコメントも付いてるようだけど…笑
ラガーを高温で発酵させると意外なフルーティな香りが出るのが一つの特徴。
そしてコールドIPAの火付け役となった代表銘柄はこちら。
Relapse/Wayfinder
アメリカのウェイファウンダー社のリラプスというビール。
日本にもBEERVOLTAさんやslop shopさんが輸入したりしてくださってたみたいですね。流石!今は売り切れのようですが。
自分は飲んでないけど、ダンク(マリファナみたいなホップが効いてて草っぽい)でクリーン(雑味ない)で飲みやすいんだとか。
この商品を機に次々とコールドIPAのビールが作られている模様。
スーパードライなんかが米を使ってるビールとして挙げられるけど、あの爽快感、キレを想像してもらえれば、日本でも受け入れられそうな気はする。
それはちょっとワクワクするね!
日本でコールドIPAを飲むには
とは言え普通の人がこれを飲むためにわざわざアメリカへ行くわけにはいかない。。
そんな人のために!国内でも早速すでに作られているコールドIPAがあるのだ!
現在僕個人で確認できているのは3つ。
①NOMCRAFT×CRAFT ROCK Brewing/Like Right Now
②Be Easy Brewing/SHAKOI FRANCE Cold IPA
①はあのCraft Beer Marketによる醸造所、CRAFT ROCKと和歌山NOMCRAFTとのコラボビール。
自分が見つけられたサイトでは基本売り切れだが、探せばまだ販売しているところがあるかも…?
②は青森ギャレスさんによるBe Easyの、フランスのHopを使用しマスカットやライチのような甘く爽やかな香りがするという一本。
一応こちらも最近発売されたばかりなので根気よく探せばまだあるかも。。
そして、
③HINO BREWING/ズットヤレIPA Cold IPA
滋賀県のイノシシのキャラクターが目を引くHINO BREWINGによる限定品。
なんでも祭りビールシリーズの「ドントヤレIPA」をベースに、コールドIPAの製法を取り入れて作られたビールだとか。
なんとこちら、ドラフトでつながっているところがあり幸運にも実際に飲むことができた。
ビールの神様有り難う!!
ズットヤレIPA/HINO BREWING
気になるお味の方はHPによると、
毎年GWの2日と3日に行われる日野の例祭「日野祭」残念ながら2年連続で居祭(神事のみ)となってしまいました。
850年の歴史の中で、何度か開催されない年もあった様ですが、まさか自分達が生きている内に2年連続の居祭(神事のみ)を経験することになるとは夢にも思いませんでした。
2年前の850周年の際には記念ビールとして「SMaSH-850」を醸造しましたが、今年は、日野祭の来年と、その後の開催が続く事を願った「祈願ビール」を醸造することに決めました。
名前は「ズットヤレIPA」ヒノブルーイング の定番商品であるヤレヤレエールとドントヤレIPAに続く日野祭の為の限定醸造です。
名前の通り、これまでズット続いてきた祭に対する敬意と、この先もズットお祭りが続きます様にと願いとメッセージ込めてこの名前にしました。
今回醸造したCold IPAは、本来低温で発酵させるラガーイーストを、
エールイーストと同じ温度帯で発酵させるビアスタイル、「カリフォルニアコモンビール」をベースにホップのキャラクターを前面に出し、
お米のフレークによる軽やかさを兼ねた、世界で話題の新しいビアスタイルです。
使用したミシガンホップの「COPPER」がもつ、キャンディーや南国のフルーツを思わせる甘くてジューシーな優しい香りと、反面、非常にドライで軽やかな口当たりと、しっかりと効いた苦味が味のバランスを構成します。
だそうな。
上記の印象に加え、確かにフルーティな甘さとベリー系を使っているかのようなアロマが訪れたのが一番の記憶だが、
個人的には、フルボディものの白ワイン、吟醸香もちらりとありつつも、
飲み進めるとドライだが築き上がる壁のような苦味と残糖には覚悟が必要。
7.2%という度数なりのボディは備えつつ、言われてみれば引きの早さがあったかなーという感想。
正直、美味しいけれどIPAの亜種と言われたらそうだとも思ったし、
ブラインドで「IPLです」と言われて出されたら
「一般的なIPLだね」と宣ってしまいそうなくらいには衝撃的なスタイルの違いは感じられなかった。
因みにこちらがドントヤレIPA。セッションIPAと言いつつ、アルコーリックな印象が強く麦強めなブリティッシュスタイルのIPA。
モルティというか、古い麦茶、煮詰めた麦茶独特の甘くパワフルさを伴うボディとホワイトペッパーに近いスパイシーなフィニッシュがあり、
ハチミツのような甘い香りが特徴的。
コクというか昔懐かしいというか麦味全盛期の頃のクラフトビールを、
ハイアルモダンに昇華させた感じ。
終わりに向けて:「飲み比べは良い体験だったが」
個人的にはドイツで飲んで以来ケルシュは大好きだし、
アンカースチームのような高温で発酵させたラガー酵母独特のフルーティアロマはめちゃめちゃ好みなのだけど、
人生初のコールドIPAはまずまずって感じ。
日本人に大ヒットする要素があるとすれば、米を使用する大手のビールと同じくライスフレークによるキレの良さだろう。
こういった原料による味の違いこそがクラフトビールの持ち味、遊び心、醍醐味かなーとも思う。
そして、すでに日本でも作り出せているこの技術力の高さと、取り入れる気概がある醸造所があることを世界に誇りたい。
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