これでいいかな 3日目
私のことは、私が一番分かっていて、
私が一番どうにもできない。
ままならない日々に
イルミネーションのイルカは空を飛ぶ。
起きて、9時。
目覚ましもかけず、
部屋の電気もつけたまま寝てしまった。
寝ぼけ眼に電球の明るさが刺さる。
今日は彼と12時に待ち合わせ。
ここからは1時間。
時間はまだ、たっぷりある。
布団もまだ私を離してはくれない。
電気を消してみると、もう一度夜がきた気がして
すぐに寝てしまった。
30分ほどして、目を覚ます。
さて、そろそろ起きなければ。
朝風呂には入らないつもりだったけれど、
鏡をみたら髪の毛がぺったりしている気がしたので
さっさと入ってしまうことにした。
髪がまた伸びた。
明るい茶色の髪に生え際の黒さが目立つ。
少し前髪を切ろう。
ハサミを離す、視界が開けてゆく。
いつもこの明るさを感じていたいと思うのに、
日に日に暗くなっていることには気付けない。
私の顔もよく見えるようになったから、
メイクも丁寧に。
アイラインが左右違うけど、
まつ毛は綺麗に上がったから及第点。
リップの色をあれやこれやと迷っていたら
家を出る時間になってしまった。
リップはアイメイクほど化粧品を持っていない人が多いから、リップを先に塗った方がいいと聞いたことがある。
リップの色味や雰囲気に他が合わせられるようにということらしい。
なるほどと思っていたが、やはりアイメイクから完成させたくなるのは何故だろうか。
やはり、リップを塗って完成した時の、魔法少女の変身のような達成感がメイクの醍醐味だからだと私は思うのだが
まずい、急げ。
電車に乗って1時間。
いつもの場所に彼はいた。
いつもの服装に、いつもの学校用のリュック。
今日は必要ないのに。
会えて嬉しい気持ちに、
迷惑をかけてしまった負目がストップをかける。
第一声に名前、第二声にごめんねが出た。
パンパンに詰まったリュックは、
私がワガママを言った時に
私の家に帰ってこられる用意らしい。
そんなことをさせてしまうくらい、
彼の中で「こんな事」が「いつもの事」になっている申し訳なさに
ならばワガママになってしまおうか、
をトッピング。
甘やかされている。
一緒にご飯を食べて、ショッピングをして、
あっという間に夕方を過ぎる。
街にはイルミネーションが光りだした。
もう帰る時間だ。
今日こそは迷惑をかけずに1人で帰りたいけれど、
それでもまだ今は帰りたくない気持ちと、
迷惑かもしれないけれど、今すぐ一緒に帰って欲しい気持ちがせめぎ合う。
だって、彼は荷物の用意だってバッチリだ。
私は何も言えず、イルミネーションを眺める。
水族館は周りにないけれど、
クラゲや魚が泳いでいるようなイルミネーション。
イルカも空を飛んでいた。
なんの興味もないけれど、なんとなくかわいい。
冬はやっぱり綺麗だ。
彼は
して欲しいことを言って、という。
その言葉にやっぱり私は何も言えない。
彼は私がして欲しいことも全てお見通しだ。
そのわがままも叶えてくれる。
だからこそ私に何も聞かずに、してほしいのに。
そして、そう私が思っていることも彼は分かっている。
私だってそれも全部わかっているけれど、
どうしたって勝てないのだ。
仕方ない。今日は一緒に帰ろう。
夜ご飯は冷凍しておいたキーマカレーにした。
彼はキーマカレーの時、幸せそうに食べる。
冷凍しておいてよかった。
ところで今日のアドベントカレンダー、紅茶の味はまだわからない。開ける暇もなかったから。
noteも遅れてしまった。3日目にして早くも。
恥ずかしいけれど、それでもいい。
紅茶はいつか、1日に2回分飲める日が来る。
noteはこうして書けている。それでいい。
ご飯を食べて、お風呂に入って、
一緒にゲームをしてすぐに眠くなってきた。
よかった。
今日は彼がそばにいる。
私が寝てしまっても電気を消してくれるだろう。
そうしたら明日は素直にありがとうと言えますように。
それではおやすみなさい。また明日。