藤井風さんと政治
藤井風さんが、東京オリンピックの公式ドキュメンタリーの劇伴を担当するらしい。
東京オリンピックといえば、開催候補地に挙がった時点で国内では反対意見もあり、開催地になった途端にお金をじゃぶじゃぶどこかに流し込んで粗悪なスタジアムを作り、コロナ真っ只中に誰にも望まれてないのに開催した、あのオリンピックです。
さらに、公式ドキュメンタリーの監督である河瀬直美氏の恣意的な撮影、編集も話題となっています。
私は東京オリンピックの開催に反対だったし見なかったし、税金をむしり取られた怒りだけしかない、という立場なんですけど、ここにきての藤井風です。
藤井風さん、大好きなんです。
出身は岡山の小さな町の喫茶店。その一部屋で世界に向けて発信したピアノ動画が話題を呼んで、上京、デビュー。あまりテレビに露出せず、発信の場はあくまでYouTube主体。
すごく賢い人だと思っていました。
自己プロデュースが上手い人だな、と。誤解を最小限に抑えるために、自分でコントロール出来るところで勝負しているんだろうな、と。事務所の選び方、仕事の選び方も慎重だったように思います。
そんな彼がなぜ、と残念な気持ちです。
あの公式ドキュメンタリーは、極端に言えば参院選前のプロパガンダなのだと思っています。オリンピックを、政権与党の行いを美化、正当化するための。
この映画に関わったことははっきりとミスだと思います。まだまだ駆け出しのミュージシャンだと言うのに、余計な色がついてしまった。
藤井風さん、人間的に達観しているなと思っていたけど、多分、政治に興味がなかったんだろうな。すごく、今の若者だ。
本当なら周りの大人が一から説明して本人が判断するべきだと思いますが、それをしなかったのでしょう。本人の無知とスタッフの杜撰さ。これは軋轢を生むレベルだと思います。
そしてショックだったのが、彼の音楽や人間性に共感していると思っていたファンたちが、今回の劇伴を歓迎していたこと。何も理解していない。ただオリンピックの映画の仕事するんだー、すごいなー、という理解。ファンも政治を知らない。
これが日本の縮図なのだなと。いつまでも上がらない投票率。どんな酷い政策を出しても支持される与党。そりゃそうだ。だって大半の若者は政治を知らないから。常に助け、誰も傷つない、事を正と考えてるのに、その逆を行く国に住んでいることを知らない。声を挙げる権利があることも、政権を変える一票を持っていることも知らない。あー、これが日本か。改めて突き付けられるとショックだ。
藤井風さんの耳にどんな声が届いてるのか分からないけど、もうちょっと政治を知って欲しい。
これを読んでくれた藤井風ファンのあなたも、一緒に政治に興味を持ちませんか。見えづらいけれど、思っているよりもあなたの近くにあって、人生に大きな影響を与えるのが政治です。
あの映画はとても観る気になりませんが、藤井風さんが今後どんな活動をされるのかは楽しみに待ちたいと思います。