【指す順9thA2】みなさんの一回戦振り返りまとめ+蛇足
はじめに
はよ一回戦の振り返り書けよと噂のわんなくです。
指す将順位戦がどんどん進んでおります。すばらしいことですね。
そんな中、A2では1回戦の全対局が終了しました。みなさんが素晴らしい振り返りをされています。
そこで本記事では、敵情視察も兼ねて、A2のみなさんの振り返りをまとめていきます。
ついでに、蛇足ながら各対局で気になった局面に少し感想を書いていければと思います。ソフトは入れていないので形勢判断はぬるいと思います。
観測範囲外のものもあるかもしれませんので、もしあればお教えいただけますと幸いです。
また、本記事はみなさんに振り返りを強いるものではございません。振り返り見るの楽しいですが、皆さんもくれぐれも無理のない範囲で!!
それでは対局日順で紹介。よろしくお願いします。
(参考:指す順放送局にて、やきそばさんの素晴らしいスライドと、こまちさん、たそがれジャムさんの素晴らしい振り返りがありました。A2は16:29~)
美少女JKゆきさん〇ーわんなく●
美少女JKゆきさん:Xにて対局後振り返りポスト(以下2件続きます)
わんなく:Xにて対局後振り返りポスト
対局の感想
いやー、負けましたね。負けてしまいました。
詳しくはnote記事作成しておりますので、そこでお話できればと思います。また書き終わればこちらに追記します。
が、ゆきさんの一連の投稿が非常に分かりやすいハイライトです。
私が記事書く意味ないじゃん
イカロスさん〇ーワイトさん●
イカロスさん:Xにて振り返りポスト
(数日に分けてポストされていましたが、見つけられた範囲で盤面が出てきたのはこの2つでした)
ワイトさん:なし
感想
フリー対局であったため棋譜が確認できないので、イカロスさんの投稿じを見て妄想します。
イカロスさんが序盤で自分の世界に誘導して、中盤でリードを奪い守り切った、という将棋かと思います。ワイトさんが4筋から動いたのをイカロスさんがいなし、結果的に暴発になってしまった、といった感じでしょうか。それにしても67玉型は力強いですね。
こういった将棋はわりと経験値勝負かなーと思います。13角型で4筋狙いはよくある展開だと思うので、そこでイカロスさんの経験値が活きたという見方をしています。
イカロスさんとの対局の6回戦までには経験値封じの手段を考えておきたいところ。ワイトさんには左玉指そうかなという気がしなくもないですが、ワイトさんとは9回戦な点と、ワイトさんの3回戦の岸亜双さんも左玉を指しそうな点の2点から、対策されそうな気がしてて悩み中です。
シメサバさん●ーロポソソさん〇
シメサバさん:なし
ロポソソさん:note記事にて振り返り
感想
こちらもフリー対局でしたが、ロウポンロポソソさんが上記note記事内で棋譜を公開してくださっています。
シメサバさんの四間飛車に対してロポソソさんが金無双急戦を採用。ロポソソさんが金を使って押さえ込みに行ったのですが、角を切ってきれいに捌いたかと思われたのが参考1図。
しかしここで△67歩が実戦的な好手でした。▲67同飛は△66金として標的に逃げられている感があります。以下▲55銀△67金は後手押しきれそうですし、▲69飛はいったん△22角と逃げられると、先手の継続手が難しいと思います。
本譜は▲58飛でしたが、そこで△69角が追撃の一手。以下激しい駒の交換で後手が優勢になりました。
先手から変化するとすれば、参考1図の直前で▲56金と取っておく、△69角に対して▲57飛など飛車を逃げておく、ぐらいかと思います。が、実際に指すには難しい手で、自然な順は本譜かと思います。
少し進んで参考2図。▲75角は一目味のいい手で、39の地点を守りつつ、次に▲72飛が詰めろになります。例えば△57歩▲72飛△39銀▲17玉△15歩がロポソソさんの記事で取り上げられていましたが、以下▲42角成△同銀▲41角△同玉▲52金△32玉▲42金△33玉▲43金△24玉▲25金△同玉▲26歩△24玉▲25歩以下即詰みです。
しかし参考2図で危険を察知し、△74歩と指したのが好手。角がどこに逃げても攻めと守りのどちらかの働きが悪くなります。かといって▲42角成では決まらず、これが地味ながらも決め手となりました。
こういった局面での嗅覚の良さがロポソソさんの強さなのかなと思います。すごく感覚が鋭い。でも、たまにすっぽ抜けることもあると耳にしたことがあります。本局はロポソソさんの良さが出た将棋なのかなと思います。
一方で、シメサバさんにも明確な悪手があったかと言われると難しいところだと思います。参考1図の捌き方もお見事だと思いますし、自然な手の積み重ねられていた中で、ロポソソさんの好手に阻まれたという印象です。
次局で戦うのですが、なかなかの強敵だなと思っています。みなさん強敵なわけではありますが。
少し余談ですが、すごく早い将棋でした。終局まで7分。7分!?
岸亜双さん●ー燕軍団さん〇
岸亜双さん:note記事にて振り返り
燕軍団さん:なし
感想
こちらもフリー対局でした。岸亜双さんの記事で局面局面がとびとびで紹介されているので、それを参考にしながら。
岸亜双さんと燕軍団さんは過去3局指しているとのこと。岸亜双さんが▲47玉型の右玉にしたのに対して、燕軍団さんは△23金ー△32玉型に組み万全の受け止め体制。このあたり、過去に対戦があるからこそなのかな、と思います。
中盤で後手の燕軍団さんが角交換から△76角と打ったのが好判断だったと思います。手の付け所が難しいと思われた先手陣に嫌味をつけ後手ペースに。
そこで簡単に土俵を割らないのが岸亜双さんですが、終盤で燕軍団さんの好手がありさらに突き放しそのまま勝利、という将棋のようでした。
本局もイカロスさんーワイトさん戦と同じく、経験値がものをいうような展開だったかと思います。岸亜双さんの経験値が高い展開だと思ったのですが、それを打ち砕く燕軍団さんが終始強かった。燕軍団さんのデータがなかったのですが、対局前には絶対準備しとかないと。
余談というかですが、イカロスさんー岸亜双さん戦がどうなるのか、今から楽しみです。対局は5局目なのでまだ先ですが、今期の見どころになること間違いなしだと思っています。
カタン民さん〇ー中碧さん●
カタン民さん:なし
中碧さん:YouTube配信、およびnote記事で振り返り
感想
またもフリー対局。えっ、A2のフリー対局多すぎ……?
中碧さんが記事中にて棋譜を公開してくださってました。
戦型はカタン民さんが初手▲78金~▲68銀として村田システム風。対して中碧さんは四間飛車にされました。
カタン民さんの工夫は角道を開けずにしばらく態度を保留、その後▲68金から通常の急戦船囲いに組みなおしされました。▲78金型から▲79金としてelmo囲いに組みなおすのは昔に見た記憶がありますが、こっちは初めて見たと思います。
参考1図はすでに後手の作戦勝ち感があります。対振り棒銀は押さえ込みが狙いですが、本局は△44銀型のため3筋から動きにくく、銀が捌けるビジョンが見えにくいです。序盤の工夫が活きた感じもないかな、といった印象。
逆に中碧さんが自然に咎めた、とも言えます。なかなか初見の形に対応するのって難しいのですが。
本譜は▲58飛でしたが、次に▲55歩と行くのも無理そうで26の銀も立ち往生している雰囲気なので、さすがに先手を持ちたくないなという印象。
進んで参考2図。この局面までで後手の方針は玉頭攻めに変更されていたのですが、対して先手は右辺から手を作りに行きました。▲35銀は遊んでいた銀を働かせる一手で、△同銀▲11角成はせっかく標的になりそうだった先手の角に逃げられるため、形勢はともかく嫌な展開です。
それは嫌と見て本譜は△66歩▲44銀△63飛と進みましたが、銀が一枚落ちてはさすがに先手よし。カタン民さん、なんだかんだで上手くまとめられたなと思います。これをまとめるのはかなり力強い。
さらに進んで参考3図。玉頭戦の末に後手が盛り返してきたかという局面、ここで▲37角が嫌な王手。以下、△64歩▲76桂△75銀▲83歩△同角▲84歩△56角▲83銀△71玉▲74銀打が実戦の進行。▲76桂のときに37の角が利いてる風ですごく嫌です。▲74銀打まで進んだ局面は先手の攻めが刺さっており、相当後手勝ちにくいと思います。
この後で一瞬先手玉に即詰みが生じた局面があったのですが、1分将棋で読み切るのは難しい順で致し方ないかと思います。
参考3図からの上述の順の間に何かなかったか。例えば△83同角に代えて△72玉だと継続の攻めが難しいようにも思えます。後手を持って勝つとするならば、現実的にはこの辺りかなと思います。
本局は中碧さんの序盤の初見局面への対応力と迫力ある玉頭攻め、カタン民さんの局面をまとめ上げる力と相手にとって嫌な手を指す力、互いの良さが存分に出た一局だったのではないかと思います。
カタン民さんはまだ秘策ありとのこと。中碧さんは前期10-1と好調、本局も一歩及ばずでしたが内容は悪いとは言えないと思いますので、やっぱりA2のみなさん強いなあという雑な所感です。
ふぇざーさん●ー朧月さん〇
ふぇざーさん:Xにて振り返りポスト
朧月さん:なし
感想
本局のみ前期A2同士の対局です。ちなみに私は前期、ふぇざーさんとは当たらず、朧月さんに負けでした。
戦型はふぇざーさんの中飛車に対して朧月さんが3筋に飛車を振り相振り飛車に。何気ない序盤、だったのですが……。
朧月さんが△74歩と突いた手が非常にまずく、▲22角成△同飛▲55角の飛車銀両取りで一本入ってしまいました。
両者角道が開いている展開がなかなか無いからこそ、うっかりされたのかなと思います。対向かい飛車で△62玉型から△74歩で矢倉、という形自体は部分的によくありますからね。
余談ですが、ふぇざーさんは▲22角成に1分40秒考慮されていました。ここまで美味しい話ならすぐ飛びついてしまいそうですが、何か罠がないか慎重に指されていて丁寧だなーと感じます。
進んで参考2図。銀桂交換で後手は駒損ながら、一時銀損だったことを考えれば雰囲気は出てきています。
さて、△45桂と打ち後手がさらに攻めに出た局面。ここから▲83角△64香▲59桂△57桂成▲同金△51金寄▲66歩△同香▲65歩と進みます。
▲83角の両取りに△64香が攻防手。▲61角成△67香成の攻め合いは、後手玉が捕まえにくく後手に分がありそうです。
そこでじっと▲59桂。ここをしっかり我慢して指されるのが大人ですね。
その後銀桂交換を挟んでじっと△51金寄とスイッチの切り替え。対して▲66歩~▲65歩は、いわゆる攻め駒を責める手で、後手の攻めを切らしにかかります。
本局でお二人の強みが一番出ているのがこの手順かなと思います。
朧月さんは、受けるべきは受けながらも攻めに主軸を置いてペースを作るのがお上手な印象。参考2図に至るまでも、自玉をすぐには潰れない形にしてから攻めて形勢を戻されていました。
ふぇざーさんは逆に受けでペースを作るのがお上手な印象。前期指す将順位戦の入れ替え戦で、長手数の相穴熊の戦いを制して残留された印象が強く残っています。
さらに進んで参考3図。ここから▲64歩△66飛成▲68香△76竜▲63歩成△69角と進みます。
▲64歩はその後の▲68香に期待した手で、▲63歩成とした局面は金が取り返せることがほぼ確定します。が、△69角で先手玉も危ないです。
その後はふぇざーさんのXのポストをご参照いただきたいのですが、難しい一手勝ちの局面をふぇざーさんが逃されて後手勝ちとなりました。
参考3図では▲64歩に代えて66の金を受ける手が勝ったのかなと思います。▲57銀や▲67銀では△77角と打たれてもう一枚使わさせられそうなので、▲67金引あたりが良かったのかなと思います。
以下は後手は攻め駒の入手を図るのが難しいので△77歩からと金攻めを間に合わせるぐらいしかなさそうですが、▲64歩~▲26香など右辺から攻める手が早そうです。長くはなりそうですが、ふぇざーさん調なのかなとも思います。
本局は序盤に朧月さんのウッカリがあったものの、中盤終盤の攻防は見どころの多い将棋だったと思います。
朧月さんは「序盤にやらかしがち」と前期の指す順直前記事に書き、本局もその通りになってしまったのですが、中終盤を攻めで押し通されているのは脅威的だったので、やられないように準備が必要だなと感じました。まあ私は前期に序盤作戦負けからボコボコにされたんですけどね!!
ふぇざーさんは受けの印象が強いので、わりと私が苦手としている棋風な気がしてなりません。前期は対局できていないので、今期は対局があり楽しみ半分、恐ろしさ半分といった感じです。
おわりに
いやー、6局分まとめただけなんですけど結構かかっちゃいました。
そして後のほうになればなるほど、書きたいことが増えてくるんですよね。困ったなあ。
全体としては前期A1降級組が3人とも勝ちと、貫禄を見せる展開になっています。まだ一局目終了しただけなのでこれからですが、ここにどれだけ食いついていけるかが一つ大きなポイントになりそうです。
私はすでに一敗しているわけですけどね。
今後も自分の対局の記事を書きつつも、特にA2については別の方の将棋もしっかり見ていきたいなと思います。
なんせ今期は前期A2の方が私を含め5人しかいないですから。情報戦ですね。情報戦だったら記事出さない方がよくない???
それではまた別の記事でお会いしましょう。さようなら!