服のこと | 13 赤い指輪
13 | 赤い指輪
休日。
平日ではできない好きな格好ができる。
とっても大事な日です。
休日に出かける時は、
必ずといっていいほど、この赤い指輪を身につけます。
(つけすぎてちょっとゆがんでいることに気がつきました。)
これはなんだかつけていると、
「今、わたしは休日なんです。」
という感じで気分が上がります。
人によく褒められる指輪でもあります。
この指輪のことが大好きなので、
褒められると嬉しくなります。
私は自分で買ったり、もらったりした
アクセサリーを大事にしまってあるのですが、
ほとんどつけません。
多分、動きにくいからです。
(決してアクセサリーが嫌いなわけではなく、
むしろとても魅力的で、好きな存在です。)
それでもこの指輪をつけるのは、
私の中で特別な存在だからだと思います。
この指輪は、祖父が亡くなった時、
祖母からもらったものです。
祖父は貿易船の船乗りの仕事をしていたそうです。
祖父の家にあるものや、
母が祖父からもらったものなどを見せてもらうと、
いろんな産地のものだったりします。
先日、祖母が亡くなった時、
祖母がどんな人だったか、
どんな風に暮らしてきたか、
お葬式で母が綴った言葉で初めて知ることがありました。
貿易船に乗っていた祖父はなかなか
家に帰ることができなかったそうです。
そういう中で、家族のことを思って、
買ってきてくれたものの一つなのかもしれない。
そう思うとまた、いっそう大切にしたくなる指輪です。