服のこと | 19 特別な靴下
19 | 特別な靴下
私には特別な靴下が一足あります。
靴下というと
履けなくなってしまったらすぐ買い換えれば良い。
穴が開いても洋服ほどショックは受けない存在というイメージがありますが、
この靴下だけは特別です。
この靴下は大学生の頃、
知ってから今でもずっと尊敬しているブランド。
ミナ ペルホネンの靴下です。
ミナ ペルホネンのデザイナー皆川明さんのものづくりへの姿勢に感銘を受けて、
実物の服やテキスタイルを見たくなり、
白金台のお店に行きました。
本当は洋服が欲しかったのですが、
当時は学生でお金がなかったため、
この靴下1足を買いました。
薄いピンクの地色に
青でクローバーのテキスタイルが織られています。
ゴムの部分は薄い水色とキラキラ光るシルバー。
ときめきました。
もう一つ。ときめいたことがあります。
この白金台のお店の入り口へ向かう階段の一段一段に、一輪挿しの花が飾られていたのです。
チャーミングな花たちと
お店の人のことを思い浮かべて、
お店に入る前にグッときたことをよく覚えています。
階段の一段に「ささやかな大人のチャーミング」を感じました。
この靴下は、白金台での特別なときめきを思い出させてくれます。