美術館で写真を撮らない人
美術館に行くと一部の作品を除いて、自由に撮影をしてもいいということがよくあると思う。
ここにきた記念に、この感動を記録に、と何かしらカメラを向けずにはいられなくなる衝動に駆られる。そして美術館で写真を撮ることに夢中な人をよく見かける。
そんな中
何も持たず絵を、展示を眺める人がいる。
その横顔や額の皺にまた心惹かれる。
今あなたは何を思っていますか?
私が観る作品とこの人が観る作品、
あなたのレンズを通した先には、何が残るのか。
そんなことを考えてしまう。
自分のペースで白い順路を辿る館内。
さっきあの絵の前でいた人と、三つ先の絵の前また隣り合う。
気になるあの人とも、いつしか逸れる。
8キロ先に住んでるかもしれない誰かと
同じものを観て、違うコーヒーをすする。
教えてもらった清澄白河のカフェは、
パイナップルの味がした。
花びらの乗ったパウンドケーキは
ラテの波に上手に乗り、私を満たしてく。
白い矢印に導かれ、新しい感情を知るあの館。
また行きたい。気張らず、飾らずね
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