【データで見る】介護業界の人材不足解消のカギは「市場拡大性」と「職場の空気」
今や人材不足の代表格となりつつある「介護業界」。
実際私のお客様でも多い介護業界について、“客観的な立場”から人材不足の原因分析とその対策について考えてみたいと思います。
全業種で比較する安過ぎる給与水準
会社四季報業界地図2024年度によると、全70種ほどある業種の中で、介護職は「40歳の平均給与額」がワースト1位となっています。
これは、メリットの裏返しになるのですが、サービス費用を行政によりある程度コントロールされている分、企業側で給与を大きく変動させづらいという特徴があります。
求職者に訴求すべきは「安定性」「拡大性」
現在要介護者は右肩に上がり続け2020年には700万人を突破。見方を変えると「拡大市場」であり、その伸びは2040年までは維持すると予想されています。
また、介護サービス費の9割は「税金+介護保険料」で賄われており、ある程度行政によりコントロールされていることに加え、日本人の高齢者がターゲットになっていることあり、外資に荒らされる可能性も低い。
「安定性」を重視する求職者が増えていることを鑑みると、「職としての安定性」は求職者にとって魅力的であり、求人票やイベント当で是非訴求するべきポイントです。
ただ、介護業界を去る理由は「安い賃金」ではない
正直、賃金面は企業努力で変えられる範囲に限界がありますし、来年2024年は介護報酬改定(3年ごと)でおそらく緩和されるため、一旦捨て置いていい部分。
それよりも人材確保の重要なポイントは、介護職からの離職理由として、収入面を挙げている人は少ないという点です。
相も変わらず離職理由に多いのは「職場の人間関係」。
そして、事業規模が小さい程離職率が高くなることを鑑みると、一人当たりの負担が大きく、人間関係が濃い事業所ほど離職率が高くなる傾向にある様です。
業界最大の強みは、採用において「企業規模格差」が生まれにくい
この業界の素晴らしいアドバンテージは、従業員が「待遇面」よりもある程度「やりがい」を重視する傾向が強いということ。
言い換えると、待遇格差による大手企業と中小企業の採用力の差が生まれづらいということです。
逆に言うと事業者は、いかに
人間関係の問題が介在しない環境を作れるか
3年以上勤続して貰える仕組みと文化を作れるか
(64%は3年未満で離職)
が重要になりそうです。
まとめ
こと「採用」に関してで言うと、求職者の母数が少ないことは間違いないため、
●マイナスなイメージの払しょく
●市場の「安定性」「拡大性」という魅力
を情報発信していく必要はあります。
この辺に関しては、引き続き私もイベントを開いて、介護業界の魅力に触れて貰う機会を増やす所存です。
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