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テレワークの統計資料から見る、“選ばれる組織”になるために重要なこと
皆さんの会社はテレワークを行っていますか?
公益社団法人日本生産本部が2023年の8月に公表した、「第13回働く人の意識調査」の中で、企業のテレワーク実施率が記載されていました。
●実施率(全国):15.5%
●実施率(都内):64.8%
全国の実施率はピーク時31.5%あったことを鑑みると、大きく実施率を下げたことになります。
今回はこのテレワークに関する情報を公開しつつ、『どうすれば中小企業の人材不足解消につなげられるのか?』についてお伝えしようと思います。
テレワークの実施は間違いなく「採用」に好影響
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テレワークはその実、業種的に実施の可否が決まってしまうという側面こそありますが、会社員の約80%が少なくとも週1日はリモートワークを希望しています。(同調査調べ)
じゃぁリモートワークを取り入れると、実際に応募に繋がるかどうか?についてですが、比較的リモートワークを行い易い管理部門人材に行った調査では、約62%の人が転職先に選択根拠になると答えています。
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しかし、実際のところ、リモートワークの実施率が下がっているのにはそれなりの理由がある訳でして、次は何がネックになっていうるのかを見ていきましょう。
シンプルな企業運営だけで見れば”実施しない”が正解
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先の「第13回働く人の意識調査」の中で、リモートワーク実施率の低下要因について4つの問題を挙げています。
部下の管理・指導ができない
職場内のコミュニケーションが不足
生産性の低下(業績の低下)
セキュリティ上のリスク上昇
個人的な見解で言うと、コロナ明けの直前にX社(旧Twitter)が、リモートワーク全面廃止にしたことが、影響として大きかったと思います。
で、「“直接的”な業務上への影響」という視点で見れば、様々な統計を加味すると、『企業にとってはテレワークをさせない方がメリットは大きい』というのが私の結論です。
日本オラクルと米Workplace Intelligenceが共同で実施した調査(聞き取り調査なので鵜呑みにできない部分もありますが…)の結果を見ると、
リモートワークで生産性が下がったと答えた人:46%
(生産性が上がったと答えた人:15%)調査対象11ヵ国中最下位
海外の統計調査でも、「テレワークは業績にネガティブに働く」ことを示唆した結果もある様ですので、企業運営をシンプルに考えるなら“テレワークをしない”は確かに正解なのだと思います。
重要なのは、テレワークそのものよりも『思考法』
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私が課題提起したいことは、「思考・考え方まで、テレワーク実施前に戻っていいのか?」ということ。是非思い出して欲しいのは、
強制的にテレワークへの移行 = 無駄なことを整理するいい機会だった
具体的には、
商談・説明会を直接会って行う
(※直接会って行うことを全否定するワケではないです)資料を紙で用意する
やたらと多い定例会議
…etc
つまり、重要なのはテレワーク継続実施の有無そのものではなく、
「テレワークでできたのだから、いっそのこと外注した方が無駄な人的コスト抑えられないかな?」
「子育て世代の女性社員を採用するなら、テレワークの継続した方がいいよね?」
そういう、合理的な発想と整理する力まで失ってはいけないということ。
『組織運営や業務、職場環境を常に“最適化”する思考』を無くしてしまうと、テレワークをしようがしまいが、目に見えない(人やコストの)無駄がまた蓄積する組織に戻ってしまうのです。
最適化できる組織になるために、超えるべき壁
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最適化されていないことで発生している損失は目に見えないので、ほとんどの企業で見過ごされます。理由はシンプルに対応がめんどくさいからですw
少なくともテレワークの経験から、最適化には下記の内容を対応する必要があることが分かりました。
アウトソースも含めたオペレーションの整理
評価を含めた人事制度の改修
教育も含めたセキュリティ対策
プロジェクトマネジメント能力の向上
…etc
私が改善をサポートさせて頂く会社の従業員の方々も、確かに皆さん一生懸命働かれています。しかし、そもそも、その業務内容や運用自体がムダだらけだったらどうでしょう?ぜひそういう目線で、自身の会社の最適化を行って頂ければと思います。