令和5年-健保法・問3-ウ「前納」
今回は、令和5年-健保法・問3-ウ「前納」です。
☆☆===========================================☆☆
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができるが、前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
☆☆===========================================☆☆
「前納」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆===========================================☆☆
【 H22-健保-選択 】
任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができる。前納された保険料については、前納に係る期間の( A )が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。
任意継続被保険者は、保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の( B )までに払い込まなければならない。
前納すべき保険料額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、その期間の各月の保険料の額を( C )による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額を控除した額とする。
保険料の前納期間は、4月から9月まで、もしくは10月から翌年3月までの6か月間または4月から翌年3月までの12か月間を単位として行うものとされているが、例えば、任意継続被保険者の資格を取得した月が4月であった場合、最も早く前納を行うことができる前納に係る期間の初月は、( D )である。
【 H9-健保3-A 】
任意継続被保険者は、一定期間の保険料を前納することができるが、前納された保険料は、前納期間の各月の初日が到来して初めてその月分の保険料が納入されたこととなる。
【 H13-健保2-B 】
任意継続被保険者は、4月から9月まで若しくは10月から翌年3月までの6か月間又は4月から翌年3月までの12か月間を単位として保険料を前納することができるが、保険料を前納しようとする場合は、前納しようとする額を前納に係る期間の初月の1日までに払い込まなければならない。
【 H17-健保3-A 】
任意継続被保険者又は特例退職被保険者が、将来の一定期間の保険料を前納しようとするときは、前納しようとする額を前納に係る期間の初月の前月末日までに払い込まなければならない。
【 H21-国年2-B 】
保険料の前納の際に控除される額は、前納に係る期間の各月の保険料の合計額から、当該期間の各月の保険料の額を年4分の利率による複利現価法によって前納に係る期間の最初の月から当該各月(口座振替による納付は当該各月の翌月)までのそれぞれの期間に応じて割り引いた額の合計額の10円未満を端数処理した額を控除した額とする。
☆☆===========================================☆☆
「前納」に関する問題です。
まず、【 H22-健保-選択 】の答えは、
A:各月の初日
B:初月の前月末日
C:年4分の利率
D:5月
です。
【 H9-健保3-A 】と【 R5-健保3-ウ 】は、【 H22-健保-選択 】の空欄Aの部分に関する問題です。
前納された保険料は、いつ納付されたものとみなされるのかというのが論点です。
「各月の初日」の到来なので、いずれも正しいです。
この点は、国民年金の前納の場合は、「各月が経過した際」に納付されたものとみなされることになっています。これと混同しないように。
次に、【 H13-健保2-B 】と【 H17-健保3-A 】を見ると、
これらは、【 H22-健保-選択 】の空欄Bの部分に関する問題です。
「前納」、つまり、前もって納めるってことですから、前納期間の前に納めることになります。
そのため、「初月の前月末日」までに納めなければなりません。
前納期間が始まってしまえば、前納ではないですからね。
【 H13-健保2-B 】は誤り、【 H17-健保3-A 】は正しいです。
【 H21-国年2-B 】は、【 H22-健保-選択 】の空欄Cの部分に関する問題です。
前納した場合、保険料の割引が行われますが、その率が論点です。
で、この率は、国民年金法でも同じ「年4分の利率」です。
ということで、これも正しいです。
ちなみに、【 H22-健保-選択 】の空欄Cの部分に関する問題文は適切なものとなっていません。前納すべき保険料額は、「当該期間の各月の保険料の額から政令で定める額を控除した額」とされていて、この「政令で定める額」の記載になっています。
それと、【 H22-健保-選択 】の空欄Dについては、応用問題です。
資格取得が4月だった場合です。この場合、4月からは前納することはできません。
では、10月まで待つのかといえば、そこまで待つ必要はありません。
待たなければいけないんだと判断してしまうと、答えを「10月」なんてしちゃいますね。
このような場合、
「当該6月又は12月の間において、任意継続被保険者の資格を取得した者又はその資格を喪失することが明らかである者については、当該6月間又は12月間のうち、その資格を取得した日の属する月の翌月以降の期間又はその資格を喪失する日の属する月の前月までの期間の保険料について前納を行うことができる」
という規定があります。
これにより、4月に資格を取得したのであれば、5月分から前納することができます。
いずれにしても、今後、択一式で出題される可能性が高いですし、似たような内容が国民年金法から出題されるってこともあるので、よく確認をしておきましょう。