経営戦略の祖 テイラー
こんにちは。なかむらともやです。
小池都知事の発表から1日がすぎましたが、早くもスーパーなどでは食料買いだめのために行列ができているところがあるようです。
しっかり備えなければなりません。
さて今日からは、新しい内容を書いていきたいと思います。
三谷宏治さんが書いた経営戦略全史という本から経営戦略の歴史を作ってきた、人物の紹介をしていきたいと思います。
今回は「科学的管理法」という画期的な手段を導入した
フレデリック・テイラーという人について書きたいと思います。
まず彼の経歴から。
テイラーはハーバード大学法学部に入学しますが、目を悪くして退学します。
19歳の時、ポンプ工場の見習い工として就職します。
しかし彼はその職場での他の人たちのやる気のなさ、生産性のなさ、無秩序な状態に絶望しました。
そこで職場の生産性の向上に努めました。それが後で出てくる科学的管理法です。
その後テイラーは35歳で独立し、多くの企業の立て直しに尽力していきました。
そして彼の編み出した科学的管理法についての本を55歳で出版しました。
ではテイラーが提唱した科学的管理法とはどのようなものでしょうか?
彼は次の5つの内容を打ち出しました。
1つ目が、タスク管理。
これは、1日で各従業員が公平な仕事量をこなせるような設定をすることです。
2つ目が作業研究。
これはその仕事に作業に慣れているものが、慣れていないもの(部下)にムリ、ムダ、ムラのない作業を伝授することです。
3つ目はマニュアル制度です。
これは、仕事において使う道具や時間、作業を標準化し、マニュアル化することです。
4つ目が段階的賃金制度。
これは作業者のモチベーションアップのために、一つ目で決めた1日の仕事量を超えれば賃金がアップするルールです。
5つ目は職能別組織とすることです。
これは組織を能力別に分けて、作業の効率化を図ることです。今で言うと、営業部門やマーケティング部門に分けるなどに当たるところです。
この5つが経営における基礎で、現在においても色濃く残っている管理方法です。
これがテイラーが提唱した科学的管理法です。
しかしこれらを実践する工場や職場ではテイラーが予期できなかったことが起こります。
それは経営側の暴走です。
テイラーの科学的管理法を労働生産性の道具としてしか使わなかったのです。
すると何が起こったかと言うと、職場で働く従業員を1人の人としてでなく、道具、奴隷のように扱ってしまう経営者が増えてしまったのです。
これは「従業員の能力を最大限に生かした最高級の仕事場の提供」という従業員を大切にすると言うテイラーの考えとはかけ離れてしまっていました。
残念ながらテイラーはそれを変えることができないまま60歳でその生涯を閉じました。
そしてそのテイラーの願いを引き継いだのが、
ヘンリー・フォードです。
彼について次回書きたいと思います。
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