ミライの授業⑥
こんにちは。なかむらともやです。
私はあまり物欲が無いのでちょっとした資産運用を最近始めてみました。うまくいったらいいなぁと願いを込めて。
さて前回は冒険家のコロンブスから「地図=仮説」であると学びました。
今日はその仮説の立て方を1人の日本人ノーベル賞受賞者を紹介しながら書いていきたいと思います。
まず結論から書きます。仮説は「空白地帯」にたてます。これで終わりです。
空白地帯とは、みんなが海を見ているけれど、自分は砂浜の貝殻を見るようなことです。
それだけのことです。
これだけでは伝わらないので1人の偉人を紹介します。
その方は大村智さんです。
この人は普通の高校教師だったにもかかわらず、「イベルメクチン」という画期的な薬を開発しました。
大村さんはこの薬を使って2億人もの人々を病魔から救い2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました。
大村さんは大学に行っていましたが、大学時代はほぼ全て好きなスキーに時間を使っていました。
そしてその後高校教師として働くことになります。
どこにでもいるような高校教師が空白地帯を見つけて大事に育ててノーベル賞を取ってしまったのです。(高校教師は高校教師でとても素晴らしい職業だと思います)
大村さんは高校教師をする中で、情熱的に学ぶ生徒を見てこのままではいけないと思い、大学院に行きます。
その後北里大学の研究員となりました。そこでアメリカへの研究留学の話が出ました。
このアメリカへの研究留学選びが大村さんにとって結果として「空白地帯」を選ぶことになりました。
大村さんは研究員として優秀で、ハーバード、マサチューセッツ、モントリオールなど世界でも有名な大学からオファーが出ていました。
私もこれだけの大学の中だったら絶対行ってると思います。
しかし大村さんは空白地帯に行くのです。
大村さんが選んだ大学は最も待遇が悪く、日本では知名度も低いウェズリアン大学というところでした。
大村さんは待遇が悪い分研究設備は充実しているだろうと思いそこに行きました。
結果は大正解でした。
一番の良かったところは受け入れてくれた教授でした。
この教授はのちに全米化学会の会長に選出されます。当然研究室にはとんでもない大物の科学者たちが出入りするようになりました。大村さんも彼らと交流をしました。
のちに大村さんは「大村方式」と呼ばれるものを作りました。
これは大学が企業と連携することで、課題の研究費を克服し、研究結果の成果報酬を企業に還元するという方式です。
これにより大村さんは「イベルメクチン」の開発に成功します。
この薬が評価されるまでの過程でも大村さんの空白地帯探しが炸裂します。
まず大村さんはイベルメクチン作る際に動物用の薬にしようと決めました。
なぜなら人間の病気を治す薬は、世界中の研究者たちが開発していて太刀打ちできないと考えたからです。
動物用で薬を作り、それが運良く人間にも使えたらいいなくらいの気持ちで新薬に挑みました。
仮説はこれくらい大雑把でいいという良い例です。
結果的にこのイベルメクチンは人間にも効果がありました。
アフリカを中心とする熱帯地で流行っていた「オンコセルカ症」という感染症に効果がありました。
この病気は寄生虫が原因でやがて失明までしてしまう恐ろしい病気です。
ところがイベルメクチンを投与すると寄生虫を除去できるのです。
大村さんはこの薬で2億人を失明から救ったと言われています。
大村さんは「画期的な動物新薬を作れば、やがて人間にも応用できるはずだ」という仮説を立て見事に証明しました。
大きな目的に向かって自分だけの地図を作っていったのです。
みんながしていないようなところに目を向けてみることで自分にしか見えない何かが見えてくるということです。
それを大村さんが証明し、瀧本先生が私たちに伝えたかったことだと思います。
次回は3つ目の法則に入っていきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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