20歳の独立日記〜25日目〜
6月4日(月曜日)
朝からバタバタしていた。音楽スタジオの店長の紹介で、塾のチラシのデザインをやらせて頂けることになった。
話を頂いたのが、2日前。納期は一週間後の6月9日。「できますか?」「もちろんです!」前にも書いたが、音楽スタジオの店長とは長い付き合いだ。税務のこと、仕事の相談にもたくさんのってもらっている。多少スケジュール的に厳しかったが、その人の紹介だから、受けるしかなかった。
僕は焦ることが嫌いだった。高校生のとき、食べ放題の焼肉屋のキッチンをしていた。地獄の毎日だった。オーダーが通ったときの、「ピーピー…」という音。機械の口から吐き出される紙。
「塩タン 3」
「ご飯大 3」
「上すき焼きロース 2」
「カルビ 3」
4つのことを一度にできるわけない。1つ1つ、作ることしかできなかった。店長は早くしろ、早くしろと僕にいう。
僕は焦って、すき焼きタレをキッチンにぶちまける。オーダーの紙はタレに浸かり、ホールにいた店長が僕のフォローに回る。店長の忙しく動く背中をただ見ていた。お前は仕事ができないな。ちゃんと考えてやれよ。
ちゃんと考えた結果、バイトは半年で辞めた。
サイズの合わない靴を、無理して履く必要は無い。そう思った。
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話は今日に戻る。
チラシのラフを仕上げ、データを送る。先方から連絡が入った。「今日の午前中にデータもらえる?」急ぎの連絡だった。悩んでる暇はなかった。朝9時。まだ3時間ある。
そういう時に限って、マックが動かない。というトラブルも無く、逆にいつもよりも調子がよかった。そして無事に納品。
高校生のときの経験が思い込みとなって、自分の中にクサビのように刺さっていた。焦ると失敗する、という思い込み。実際そんなことはなかった。
人類は100mを10秒以下で走ることは不可能と言われていた。だが、1983年。カール・ルイスが100mを9.97で走ると、世界には9秒台で走る選手が次々に出てきた。人類は見えない檻に閉じ込められていた。
どんどん、僕も思い込みを無くしていこうと思う。出来ないことはない。
昨日も言っていた通り、今日は先輩デザイナーの3人と僕で飲み会だった。ヘビー鳥貴族ユーザの僕には、行ったことも無いような個室のお店だった。
チーズタッカルビがとても美味しかった。フライドパスタなんて食べ物も初めて食べた。パスタをカリカリに揚げ、塩をまぶしたものだ。
僕はカシスオレンジを飲んで、そればっかり食べていた。たまに、歯ぐきに刺さって痛かったけど。
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いろんな話をした。フリーランスの営業のこと、値段のこと。今やってる仕事、広告代理店のこと。とても居心地が良かった。
皆、僕のnoteを見てくれているらしい。とても嬉しいが、いざ面と向かって「読んでるよ」と言われると少し恥ずかしい。言われるだけでも恥ずかしいのに、褒められた日にゃ、前を向けんとです。と、思わずエセ九州弁が出てしまう。
先輩方3人はもうフリーランスになって長い。だから今日は、フリーとして生き残っていく術を学ぼうと思った。でも色んなやり方があるし、その人に合ったやり方がある。失敗しながら学んでいこうと思った。
関さんは面白いと思った人、応援したいと思った人はとことん口説くらしい。関さんはとても引き込まれる話をしてくれる。え?続きは?で?うんうん。何気なく聞いていても、聞き入ってしまう。そして、一回り以上年下の僕のことをたくさん褒めてくれる。
話していて楽しい人、いつもなにかタメになるものを貰える人。クライアントにとって、最高のパートナーなんだと思う。僕もそうなりたい。だから勝手に「師匠」と呼んでいる。ちなみに、上司はニシグチさん。
坂口さんは毎日、誰かの誕生日をお祝いしている。ハッピー野郎なんかではない、デザインでお祝いしている。しかも今年で4年目らしい。本当にすごい。
継続することの難しさはこの日記で実感している。僕は文章をただ並べているだけだが、デザインとなると違う。将来のことも話してくれた。
僕も頑張らなくちゃ。
柘植さんはWA-plusという、日本の伝統文化を盛り上げるお仕事をしていらっしゃる。WA(和)をプラス(より良く)するという意味なのだと教えてくれた。
とてもフレンドリーな方だった。初対面だが、リラックスして話すことができた。いつもnote読んでます、と言ってくれた。その言葉があるから続けられる。もっと仲良くなりたいと思った。
今日もいろんなことを思った。今日も強く生きた。
●今日のつぶやき「同棲していた彼女と別れて、実家に帰っています。」
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