20歳の独立日記〜42日目〜
6月21日(木曜日)
この人のために何かやりたい。
そう思える人と仕事をすることが、お互いの満足感につながると感じる。
「モリクラくんにデザインやってほしい」「僕もアナタのためにお手伝いがしたいです」
クライアントは僕そのものに価値を見出してくれて、仕事を頼んでくれる。僕がよっぽどのことをしない限り、喜んでくれるだろう。
でも僕は、ただ単に仕事をするだけじゃ嫌だ。何か提案をしていきたい。1頼まれたら、3くらい返したい。
それが僕にしかできないこと、僕にやってほしいと思ってくれるクライアントであれば5も10も返したいと思う。
サプライズを、届ける。
一年間、社長と2人きりのデザイン事務所でバイトをしていた。サプライズを届ける、は社長の口癖だった。
社長はデザイナーではなく、イラストレーターだった。お客さんに喜んでもらうことは当たり前で、お客さんにサプライズを届けることが大事だよ。毎日のように僕に教えてくれた。
今日の打ち合わせもそうだった。
ですあゆみ、という高槻市で頑張るシンガーソングライターがいる。年齢は僕より一つ年上の21歳。高校生からの知り合いだ。
初めはCDジャケットを作って欲しいとの依頼だった。だが、話を聞くうちに彼女はとても大きな挑戦をしているとのことだった。CDをはじめとして、この挑戦全てのサポートをすることになった。
どうやって売っていくか、どうやったらお客さんとのコミニュケーションのきっかけを作っていくのか、本当の意味でのフォロワーを増やしていくには。
話を進めていくと、問題は山積み。
1日では消化でききれなかった。サイゼリアに2人。うんうん唸って、色んな案を出し合った。「それいいね!」「これどう思います?」「んー、どうやろうか」色んな意見を、同じ目線で話しあった。
バンドのことは分かるが、シンガーソングライターのことは正直分からないことも多い。教えてもらいつつ、教えつつ話は進んだ。
広げて広げて、収縮させていく。
結果、どうやったら楽しくライブができるかという話になった。楽しいところに人は集まるんだから。
話し合いの中の、根底にあるのはサプライズを届けること。こういう音楽をしていきましょう、こういう歌詞が女子高生にウケますよという話は一切していない。
なぜなら、アーティストのためにならないから。僕は似合う服を着せて、こんなステキな人がいますよ、と言うだけ。このスタンスは変えないつもりでいる。
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僕だってまだまだ分からないことが多い。でも、きちんと根拠をつけて話すし、経験したことを話す。20歳には分からないことがあるが、20歳にしか分からないこともある。
「20歳に何ができるの?」
と言われたくないから、僕は出来ることと出来ないことをこの日記で全て公開している。
自分がもがき苦しんだことが、少しでもあなたの役に立てば幸いだと思う。
不安と戦いながら、強く生きています。だからあなたもあきらめないで。
お気持ちだけでも飛び上がって喜びます