田村イングリッシュ誕生まで

 先日、たまたまフィリピン人のお客様が来店され、英語を使う機会がありました。自動車保険の話になり、日本語だとお客様も理解が大変だろうと思い、知っている英語とジェスチャーを交えて話しました。一通り話が終わり、お客様が帰られてから、「お前英語話せるの?」とか「しっかり英会話出来てたぞ!」とか驚かれ田村イングリッシュなんて呼ばれました。何だかんだ大学の授業で英語はやってたし、部活でもジェームズさんとのメールのやり取りは英語かスワヒリ語だからそのおかげかななんて思っていました。

 大学進学にあたり、大学の英語は絶対難しいだろうと覚悟はしていました。高校は進学校ではなかったですし、授業も出来る方ではなかったので。しかし、覚悟はしていてもそれ以上のレベルの高い英語の授業に直面しました。その名は経済英語基礎。今でもその苦しさは覚えています。初回の授業で、今後どのように授業を進めるかというガイダンスを受けるのですが、準備するもので「The 21st Century Economy」という、日本語がなく、全部英語の参考書を買いなさいと言われました。届いて本をパラパラめくるのですが、本当に全部英語でした。おいおい、この授業正気か?なんて思いましたが、自分で選んだ以上やるしかないと腹をくくりました。形式としては、宿題として決められた範囲の翻訳をして、当日当てられた人が答えるという普通の形式ですが、その翻訳がとてつもなく大変でした。最初、Google翻訳とか使えばいいやって思っていたのですが、それが全く使い物になりませんでした。英文を打ち込んでも、訳の分からない日本語訳が出てきて、上手く自分なりにアレンジするのも不可能でした。じゃあ、電子辞書を使ってしっかりやろうと思い、調べたい単語を打ち込んだのですが、出てきませんでした。まてまて。どうすりゃいいんだ?もう調べる方法ねーぞ。なんて悩んでいました。最終的に行きついたのが、ネットの検索エンジンでその単語を打ち込み、こんな感じかなーっていう自分なりの解釈で翻訳してました。隙間時間で解決できる予習ではなかったので、部活が終わってからしっかり時間を取りました。あぁこれが本来の大学生の姿なのかとしみじみ感じました。

 初回のガイダンスの時に満杯だった教室は、回を重ねるごとに人数は減り、気づけば半分になっていました。人数が減っても、先生は気にせず、淡々と授業を進めました。正直さぼりたい気持ちも強かったのですが、意地と変に負けられないという気持ちで何とかやりきり、単位も無事取得できました。この時、もうこんなきつい授業は受けたくない!なんて思っていました。本当に。ですが、2年に進級する際に選択するゼミで、私はこの授業の先生のゼミを選択しました。ちょっと待て。あれほど苦労した先生のゼミに何で入るんだ?って自分でも思いました。普通なら、他のゼミに行くはずです。恐らく、自分がドMという事と知っている人の所の方がやりやすいという判断で決めたと思います。そこのゼミも大変でしたが、無事単位を取得出来ました。

 部活一色の大学生活でしたが、授業の方でも少なからず、自分の血や肉になっていたのだなと思いました。まぁ、英語が出来るからモテるとは限りませんが。

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