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もろもろの感想

日々の所感も交えながら最近見た作品の感想でも書こうと思う。人の紹介していたもの、映画館まで足を運んだもの、本、ドラマ、いろいろ。ネタバレ前提で書くので気になる人は気をつけて。各々語ろうと思えば何時間でも話せるけれど、簡潔に書いていこうと思う。


1、猫イジメに断固NO!虐待動画の犯人を追え(ドキュメンタリー)

とある犯罪実録ドキュメンタリー。前に一年ほど”無敵の人”を題材にした作品を書こうとこの手の人間の性向を調べていた時期があり、事後追認的に自分の犯罪心理理解は精度高いことが分かって嬉しかった。なんて言うと不謹慎だろうか。被害者がいるからね。

感想を一言でいうと「この犯人友達いなさそ~~~」である。それ以上でも以下でもない。会社のカネを横領していた後輩と似たものを感じた。追いかけた奴らが更に犯罪行為に追い込んだという話もあるけれど(それはそうだとも思うけど)、どこかでデカいしくじりをして人生を折り返さなきゃいけない時が最悪のタイミングで来てしまったという感じのほうが強い。

マザコンの末路というか、肯定されてきた人生に無理が祟ったというか。社会に”無能”のレッテルを貼られたときに、一度それを受け止める勇気があるのか。という話だと思う。


2、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(映画)

エヴァ最終回。いや、タイトルダサいっすよ?って誰も言わなかったのか。序破Qも正直ハマって無いですよって、誰も言ってくれなかったのか。

そういう裸の王様感をこのフィルムからバチバチに感じ取ってしまい、すこぶる”老い”を感じてしまった。(俺ではなく庵野の)仕事の流儀を見てもそれが顕著に出ていて、(例えばアイデアを見せられ庵野は「わからない」と返答し、それをスタッフにツッコまれもしない関係性に)そうか”老い”って内側からだけじゃなく外側からも当て込まれるものなんだなあと思った。

感想を一言で言うと「”普通”の枠に落ち着けて良かったね」くらいだろうか。あえて喧嘩を売るようだけど、演出と脚本は素人レベルだった。エンタメに見せかけたエッセイだから当然といえば当然。


3、すばらしき世界(映画)

社会不適合人間の再生物語。いや、ポスターダサいよ西川さん!今までの感じどうしちゃったの!?と言いたくなるのをグッと堪えて(内心ワクワクで)劇場まで見に行ったが、初の原作ものと言うこともあるのか、原作に振り回されていて中身もどこか歪というかたどたどしかった。オリジナルと原作とどちらも上手くこなせるよう人間は出来ていないんだなあ。

今までの西川作品は会話の自然さとドラマチック加減のバランスがマジで巧すぎて、これぞ妙の一言だったのだが今回は変に不自然だった。ところが所々胸に来るシーンはあり、そこは流石の西川節だった。

エヴァもそうだが、最近の監督勢フケすぎてないか?人間描写甘くない?気のせい?俺が成熟し始めたから?もっと腰を据えてドラマ描いてくれよ。


4、はしっこアンサンブル(漫画)

高専での合唱青春モノ。三大”老い”を感じる作品の一角。昔と違って淡白な語り口に木尾士目先生はもうドラマをやるつもりは無くなったんだろうかと思う。おじさんになるとドラマを書くことが恥ずかしくなったりするんだろうか?それでもやっぱり面白い当たり、天才か!(というか秀才か?)ともなる。

技術才能論を社会とか人間関係に絡めてこんなに真っ当に書かれると、単に度肝を抜かれる思いがある。自覚のレベルが違う。賢さに痺れる。

最近は恋愛ばかり際立ってきたが、そもそも高専の話でもある以上、そろそろ将来の話にも移ろいそうで期待感が高まっている。(もうその時点で作者の術中だけど)

どうせ”老い”るなら俺もこういう”老い”方をしたいなと思う。


5、WHAT IS LIFE?(本)

生物学的にみた命の解説。観測された事実が淡々と描かれていて、読んでいて気持ちがいい。又吉の「ヘウレーカ!」もそうだけど、科学者研究者の喋りって思想の偏りが少なくて聞きごこちがいい。(中にはエグいのもいるのも面白い)

最近進路を固めはじめたのもあり、学習すべきジャンルが大分絞られたせいか、学びを得る機会がめっきり減ってしまった。興味のモチベーションを上げることが滅茶苦茶難しい。そういう中でも興味を持てるって、つまり「好き」なんだろうと思う。

そう言う訳で生物学は俺、好きなんだなあ、と今更分かってしまった。遅い。いやはや。


6、チェルノブイリ(ドラマ)

チェルノブイリ原発のドキュメンタリードラマ。結構前に友達から勧められような気がする。話題作だったらしい。

ドラマ成分高い。面白い。事故に寄り添いすぎず、かといって突き放しすぎずで滅茶苦茶バランスがいい。話題に登るだけある。他国が作るから冷戦期から時間が経ったからこその冷静な描写のお陰でもある気はする。久々に硬派なドラマを楽しめた。5本で各1時間あるが、全然飽きなかった。

事故対応の最中にいくつもの人間的ミスを重ねて行くのだけれど、それに苛立つよりか、ああ~組織ってほんとカリスマでもいない限りこうだよな~と思わされ。東電が公開した福島原発事故の会議映像でも程度は違えど似たような組織的な問題は伺えるので、尚更そう思った。


7、マルコヴィッチの穴(映画)

現実型ファンタジー?オフィスにマルコヴィッチになれる穴があったという謎話。いや糞おもろ~~~~~~!!なんで俺は今までこれを見てこなかったんだ。怠慢だな~、怠慢してました。

バカバカしい設定に埋もれているが、恋愛感情の妙、みたいな所のバランスを上手く描いていて普通に巧み。本編と全然絡んでこないおかしな設定がジャブみたいに効いてきて、センスを感じるなど。今年の目標は二ヶ月に一本脚本を書く、なので一本ぐらいはこういうのを書ければと思う。


8、薄氷の殺人(映画)

中国発のフィルム・ノワール。犯罪恋愛モノ。おっもろっ!最高やん。ダンスシーンぶち上がりかあ!?おもろ~~~!!

最近面白いもの見ても別に知らない人に”語り”たくなくなってしまったのはオタクから卒業してしまったからか、もともとの性分からなのかが分からない。ベースとして面白いと思えた人との視点の違いを確かめている時が一番楽しい。普通に。

つまりだから見てないやつは今見とけ!



終わり。

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やさしさ原理主義
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