薬制薬事の雑記(10) 薬機法以外の法令に許可証等の掲示義務はあるのか?
薬事に関する15法令を対象に、掲示義務について考えていきます。
<毒劇法の場合>
毒物劇物営業者(製造業/輸入業/販売業)は登録制(毒劇法4条)であり、登録票が交付されます。
毒劇法の法律/政令/省令を読んでも、掲示について触れた記載は見受けられません。
では、掲示義務はないのかというとそういう訳ではなく、地方公共団体が定める条例や規則にその規定が置かれている場合があります。
例えば、都道府県であればこのようになります。
販売業であれば、市町村の条例や規則に置かれている場合があります。
例えば、埼玉県のさいたま市はそのようになっています。
法令だけを見ていると見逃す可能性があるポイントです。
<麻向法の場合>
麻薬営業者と向精神薬営業者には免許(麻向法3条, 50条)があり、免許証が交付されます。
これに掲示義務があるかというと、逆に掲示してくれるなと書かれています。
Q&A集として公開されているに過ぎません(法令等データベースでもヒットしない)ので、これをもって掲示禁止の義務があるとかそういった話にはなりませんが、薬機法や毒劇法とは違った考え方をする必要がありそうですね。
<覚醒剤取締法の場合>
覚醒剤製造業者/施用機関/研究者(覚取法3条)および覚醒剤原料輸入業者/輸出業者/製造業者/取扱者/研究者(覚取法30条の2)には指定証が交付されます。
こちらは、保険薬局で覚醒剤原料の調剤を行ったくらいしか実務での関わりがなく経験が少ないのですが、調べても掲示義務に触れた公的な発信は見受けられませんでした。
麻向法における免許証に関する考え方から推察するに、こちらも同様の理由で掲示するのは好ましくないとされているのではないでしょうか?
<安確法の場合>
特定細胞加工物製造業の許可(安確法35条)が存在し、許可証が交付されます。
この法律に関しては、実務を担ったことがないので全く詳しくないのですが、調べても掲示に触れている公的な発信は見つからないので、掲示義務は定められていない・・・のではないでしょうか??
後半2つについては自信がないので、詳しい方がいらっしゃいましたら、補足していただけると幸いです。