AIはビジネスにおいて利用価値はあるのか?
端的にいうとAI導入の価値はあると感じているのでこれから導入を検討されている方に少しでも参考になればという思いで書いてみる。特に主に私が業務上、様々な人と話すときに感じたことを書き留めたいと思う。
1950年代に第一次AIブームが訪れてから、1980年代に二度目のブーム、そして今が正に三度目ということで、音楽やファッションが今になって一昔前のものが流行る様に、AIもまた技術の進歩を引っ提げて帰ってきたのだ。
ブームということで他のものと同じ様にそのうち飽きられてしまうのか。
私は今自分の目で見てAIの持つポテンシャルをひしひしと感じるからこそ、みんなに見て使ってもらいたいと思う。むしろどう使えるのか考えて欲しい。
なぜならAIの可能性は特定の領域においては人をも超えることができるから。
私は現在AI人材育成とAI開発事業をメインビジネスとして提供しているベンチャー企業で働いている。前職もコンサルタントとして業務システムのプロダクトオーナーとしてAIを活用して業務効率を計ったり、新たなビジネス機会を模索していた。そんな私がここ数年関わってきた多くの企業の課題には以下の共通点があると思う。
1.AIを正しく理解していない
2.自分たちが何をしたいのか明確でない
AIは手法の一つでありツールである。当然だがAIを使うことを目的としたプロジェクトであまり上手くいったケースはなかった。このケースは是非とも当事者で話がすり替わってしまっている事に気がついて欲しい。
そして道具は使えないと意味がない。
プロは道具を選ばないと言った言葉があるが、当然プロも自身のスキルを磨き上げた後、行き着く先は一流の道具な訳だ。使える、使いこなせる道具こそ常に置いておきたいことになる。
以前ネットで無名のスマートウォッチが安かったので興味本位で買ってみたところ、そもそも説明書が中国語で理解できず、設定もうまくできなくて時計以外の機能が全然使えなかったことがあった。
もっとわかりやすい説明書があれば、心拍数を測ったり、泳いだ距離を表示する事でもっと役に立ったかもしれないのに、結局時計だけなら以前から使ってるのでいいや、となってしまったという話。
つまりAIがなにもので、何ができるのかを正しく理解した上で使わない事には何の意味も持たない。それならAI以外のソリューションでも十分に効果が出るものを検討するべきとなってしまう。
是非正しい知識を得ることを優先にしていただきたい。
そして2点目、自分たちがAIで何をしたいのかという話。前述の通り、ただ使いたいだけは理由になっていないのはわかっていただけるはず。まずは課題やゴールの定義から道が外れてしまうケースがある。
漠然としたところからAI導入の話になるとそもそもゴールが達成不可能であったり、結果を正しく評価出来ないなんてこともしばしば。コンサルティングサービスとしてはその辺りの課題の認識からサポートすることもできると思うが、やはり会社の事をよく知っているのは間違えなく会社の人だろう。
言わずもがな会社内でAIプロジェクトを推進する人、その説明を受ける経営陣、AI導入により業務内容に変化がある従業員。言い換えると全員が立場ごとの一定の知識を持つことこそ、AIを正しく使う必須条件となる。
結論として、まずは初心に帰りAIのことを知ってもらい、どう使えるのかを考えていただきたい。ただただAIに魔法の力を求めるのではなく道具として有益かどうか判断してほしい。そしてその道具でできそうな事、解決したい課題、持っているデータ(情報)を掛け合わせて議論する事をお勧めする。
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