COVID-19 雑感2
季節性インフルエンザ感染症では、「子供-子供」間でのRo値が大きいため、「学級閉鎖」などの措置により「超過死亡率」を下げることができる(科学的に証明されている)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ではどうか?
突然に小中学校などの「一斉休校」要請が出され、一時的な混乱を招いた日本国内事情だが、「一斉休校」や「授業再開の延期」の「要請」は本当に必要だろうか?
2020年4月6日、 アメリカ疾病予防管理センター(CDC)がアメリカ国内での調査から「子どもは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しづらく、感染しても重症化しづらい」という結果が出ていることを明かした。
CDCは「小児のCOVID-19患者は発熱・咳が出ないケースも多く、無自覚のうちに伝染を広める可能性がある」と警告している。
学校などの教室や施設内で「子供-子供」間の感染拡大は起こる可能性は低い(また、上述のとおり大人から子供への感染確率も低いということ)
以前から言われていたが、子供は大人の1/3~1/2ぐらいの感染割合だ(Ro; 0.56~0.85)
季節性インフルの「子供-子供」間Roは、1.36程度といわれている(「大人-子供」間Roは0.41、「大人-大人」間Roは0.27)
以上のように、統計データから解るのは、「相関関係」である(「なぜ」という「因果関係」は、統計からはわからない)
「子どもは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しづらい」ということからすれば、「一斉休校」や「授業再開の延期」の要請は本当に必要か? だが、「小児のCOVID-19患者は発熱・咳が出ないケースも多く、無自覚のうちに伝染を広める可能性がある」ということからすると、学校・通学などの場所・経路で「子供-大人」間の感染拡大が起こる可能性があり、憂慮される(緊急事態宣言が発出された都道府県以外では、約8割の小中学校が休校を終了(授業再開)した/公立小学校の89%、公立中学校の78%が授業を再開、この判断の結果は数週間後にはっきりする)
おそらく、「幼稚園・保育園」などでは、実質的に「休園」の措置は必要ないと考えられるだろう
「なぜそうなのか」という「因果関係」を探るのは、創造的仮説思考から、このパンデミックを速やかに収束させるためにでき得ることとは何かを考えることが必要だ
そして、疑問なのは、なぜ「子どもは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染しづらく、感染しても重症化しづらい」のか?
なぜ「小児のCOVID-19患者は発熱・咳が出ないケースも多い」のか?
まだ、明確な疫学的エビデンスは出揃っていない(が、フランス、オランダ、オーストラリアではBCGワクチンの可能性の検証(治験)を計画し、進めている)
一部では、「BCGワクチンの接種有無の差異(接種有無と死者数の相関関係)」について報道されている(BCG接種国とそうでない国とでは死者数に大きな差があること)が、BCG接種を義務化していない米国CDCの報告でも上述のとおり、「子供はCOVID-19に感染しづらく、感染しても重症化しづらい」のである(一見、コンフリクトしているように見える)
他にも要因があるのではないか?(他の予防接種の影響か?)
アメリカ合衆国で未実施なのは、結核(BCG)、日本脳炎ぐらいで、他は日本と同様に「定期接種」プログラムがあるのだが・・・
麻疹風疹、ムンプス、百日咳など影響が考えられるものはいくつかあるが、確実に云える事は「予防接種による免疫効力や獲得した抗体は、歳を重ねるごとに弱まっていく、ほぼ消失するものもある」ということで、接種からそう年月が経っていない「子供」には「自然免疫」や「獲得免疫」への効力が強く働いているということだろう
いずれにしてもこのあたりは、コントロバーシャルな問題である
そして、同じRNAウイルス起因の季節性インフルエンザ感染症などと異なり、今回のSARS-CoV-2では、感染時にこれら「予防接種」の影響を受けやすいと推測される感染メカニズムを有するということだ(感染メカニズムは、ほぼほぼ解析されているようである)