壁の黒いシミ
小学生の時の話.友達に広い家の奴がいて、よくその家で隠れん坊をして遊んだ。
そいつの家は昔、この地域の地主をしていたそうで広い庭には今は使われていない蔵があった。
暮れの頃、そいつの家にみんなで遊びに行くと大掃除をしていた。
手伝うと小遣いをくれると言うのでみんなで手伝うことになった。
僕は前々から気になっていた蔵の汚れを落とすことにした。
どういうことかというと、その蔵は綺麗な白壁だったのだが、蔵の正面から見て右側の壁の3メートルほどの高さに大人の拳ほどの大きさの黒いシミがあり、僕は通るたびにそれが気になっていた。
脚立とバケツと雑巾を借りて一時間ほど叩き拭きをしていたら綺麗になった。
バケツの水が墨のように真っ黒になったのに驚いた。
そこに通りかかったこの家のお婆さんがとても喜んでくれて、みんなには内緒だよと言って500円玉をくれた。
年が明けて2、3日経った頃、またみんなでその家に行った。
蔵を通りかかると拭き取ったはずのシミが同じ場所にあった。
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