怪談:とおりゃんせ(実話)
僕の地元には、とおりゃんせ発症の地と言われる神社があり、小学生の頃にそこで体験した話。
その神社は車通りの激しい国道付近にあるため、その地域で遊ぶ時は親から神社を通り抜けて国道を避けるように言われていた。
その日もいつものように神社を通り抜けた先にある、大型リサイクルショップへ遊びに行く途中だった。
本殿へと続く石畳を歩いていると、前から着物姿の美人なお姉さんが歩いて来てるのに気づく。
本当に綺麗な人でずっと見ていた。
お姉さんも見られているのに気づいたのだろう僕を通り過ぎる瞬間、微笑みかけてくれた。
とても優しい笑顔だった。
ずっと目で追っていたから、通り過ぎたら自然と僕も振り返っていた。
秒で振り返った、通り過ぎた瞬間振り返った。
居ない、誰も居ない、消えた。
人が隠れられそうな物陰もないので、消えたとしか考えられない。
行きは良い良い、帰りは怖い、帰る時もう一度その道を通らないとイケナイのにと怖くなって、遊ぶのなんてどうでもよくなり逃げ帰りました。