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ミスチル歌詞から紐解く アルバム全曲解説 18thオリジナルアルバム「REFLECTION」{Naked}⑫[忘れ得ぬ人]

ミスチル18thオリジナルアルバム「REFLECTION」{Naked}の12番目の収録曲です。歌詞全文引用させていただきます。

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どうしたら説明つくだろう?
君に そして自分自身に
まるで理想通りの美しさをすぐ目の前にして

寂しさに打ち勝とうとして
誘惑を目の敵(かたき)にして
頑(かたくな)な自分とさよならできるチャンスが来たのに

甘く切なく響く 君が引くピアノのコードに
ひとつの濁りも無く
優しく僕を包んでくけど

何してたって 頭のどこかで
忘れ得ぬ人がそっと微笑んでいて
憧れで 幸せで 僕を捕まえ立ち止まらせる

誰一人として近づけないくらい
忘れ得ぬ人が胸を濡らしていく
心の岸辺で僕は今日も待ってる

君の望み通りに
そつなくこなす僕もいる
何食わぬ顔して満足げに振舞えるだろう

本当はその方法が正しい道かもしれない
きっと後悔もするだろう
だけどその手を引き寄せはしない

愚かだって自分で解っていても
忘れ得ぬ人が心に生きていて
優しさで 厳しさで 僕を抱きしめ立ち止まらせる

歳を取って自由を捥(も)がれても
忘れ得ぬ人だけが心にいる
その日が来るのをどこかで願ってる

何してたって 頭のどこかで
忘れ得ぬ人がそっと微笑んでいる

<出典>忘れ得ぬ人/Mr.Children 作詞:桜井和寿

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桜井さん本人の解説も引用します。
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僕のデモを聞いた田原(ギター)が、ライブで俺が弾き語りすれば良いじゃんって言って。じゃあアルバムでは、バンドは入らず、ピアノ・メインでストリングスが途中で入ってくるような曲にしようと森俊之さんにアレンジをお願いしました。でも森さんと打ち合わせをしたら、バンドも入ってくる形を提案してくれて、それをやってみたい!と思ったんですね。森さんのアレンジはとてもシンプルで、でも歌をすごく大事にしてくれていて、コードの積み方やストリングスもすごく良くて感動しました。
<出典>Sound&Recording
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曲を聴いてみると、所謂1番がピアノとストリングスのみ。2番からバンドサウンドが入っています。このアルバムの中でも王道のラブソングのメロディーでとても美しく、べたといえばそれまでなのかもしれませんが、個人的にはかなり好きです。桜井さんはラブソングにおいて、問題のないような純粋なものはもう書けないみたいなことを言っているので、この曲もそうでしょう。

ストーリーを追ってみて解釈してみると、男が自分のタイプドンピシャのピアノを奏でる女に出会う。ただ、その状況は男に彼女がいるのか、女に彼女がいるのか、はたまた両方にか。とにかくすっと告白して付き合える状況にはない。男は寂しいといってるので、もしかしたら一人なのか、女がいてもうまくいっていないのか、頑な自分に打ち勝とうとは、二股はダメだって方のイメージがわきますけれど。そんことないのにね。別に両方を幸せにしてあげればそれで問題ない。その力量がなければ確かに「手をだすな」ですけれど。やっぱり作詞家の桜井さんに寄ってしまうと、桜井さんレベルだったら、女はいくらでも抱えられるでしょうし、絶対そう思ってると思いますし、そうだったと思います。これは二股はいかんみたいな、世のモテない方々の被害妄想に近い常識とでもいいましょうか。そう思い込んで、モテない自分を慰めている。現実をまともな目で見れば、モテる男にたくさんの女が寄ってきて、女は自分の良質な子孫を残そうとするわけです。それが現実です。そんなモテる男桜井和寿が、モテないミスチルファンに向け、彼ら彼女らに「ウケる」歌詞を書き上げているわけですね。

2番になると、どうも付き合い始めた様子です。ただし、お互いにお付き合いを公にできる状態ではない。女はその状況を鑑みてそつなく男に振舞ってもらえれば問題ないと。セフレでいいみたいな感覚でしょう。ただ、ある意味このビジネスライクな女に対して、男は逆に女々しい。理想通りのドンピシャ女なので、本命にもっていきたい。けれどそれを女が望んでいないので、強引には手を引き寄せはしなかった。結果、男は女を逃す。そして公開して、妄想する。その日が来るのを心のどこかで願っちゃているわけです。妄想です。負けです。モテないミスチルファンには共感を呼ぶわけですね。その妄想をバンドサウンドともにかき鳴らして酒飲んで愚痴るみたいな行動がイメージ出来てしまう。モテる男は確実にその女をゲットしに行くでしょう。

まとめ
桜井さん自身のモテまくってきた男が、モテない男・女に送る、世の中でいわゆるこういう真面目と思われる男の純愛ラブストーリー&後悔し続けるがお好きでしょ?を具現化した非常に秀逸な曲であると判断します。好きですミスチル。

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