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断片 三月が終わりそう

 あぇ。この三月というのもいろいろあったもんですが、私なりにありましたできごとの数々、いいこと多く悪いこと少なく。それらを見つめて、ああ、人生をやっておるなと思うようなひとときもあろうというもの。人生いろいろ〜、と歌にもございましょう。いろいろあるよ、とひとことで済ますのもどう、野蛮なことなのかしら。世情においてはちょっとそれじゃあ済まされない部分もありますね。いろいろです、というのは個人的な範囲において使う言葉としよう。金井のいろいろ。人に話したことも話さなかったことも、いろいろ。

 映画って最近観てないな。ブルーレイ溜まってんだけど。このブルーレイというやつもどんどん観ていって、なんかの肥やしにしたいもの。知的栄養としたいもの。私のやることは小説であって、そのとき映画が役に立つこともあるってよ。ディテールや話などのフラグメントを拾い集めて、ブリコラージュ的にあとあとのネタに使える、くらいには考えているんだけど。人が笑う、笑顔になる、とそのときにそれはどんな笑顔なのか、たとえばそういうことをイメージする助けにはなるんじゃないかしらと。町とはどういうところか。どんな人がいるのか。どんな音が聞こえるのか。何がその場所にあるのか。想像を視覚的に補強してくれるのが映画、または広く映像作品かもしれない。小説の感想で、映像が浮かんでくるようだった、ってあるもんね。

 雑感みたいなこととしては、なんか今年も春になってくるし、その次は夏、暑かろう。それから秋になってまた冬。ぐるぐると季節が巡るんで、この回転をあとどれくらい生きるのかね私は、ということは考えるなあ。余命、寿命、どんなふうに終わる人生なのかなと。生きてるうちのことなのよ、と誰かがいった。これはつらいことがあってもどうせ生きてるうちだけだから、という意味と、どうせ死ぬんだから好きに生きなさい、という二種類の意味があるそうだ。季節を何度巡ってもね、生きて死ぬだけだね。なるべく充実した人生を。楽しくもあり、人様の役に立てるようなことにもなり、みたいにやれれば文句の出どころもないでしょう。

 イザイを聴くいま、またディスクをポチっているのであって、懲りない人なんだけど、ほれ、35パーオフとか50パーオフとかになると見逃せないじゃないですか。主に買う対象としているのはクラシックであって、これは価格破壊がとんでもねえ。CD10枚がなんで1500円なの、みたいなこともしばしばありますれば、買わない手はないというか。安物買いの銭失いというのはあるので気をつけたい。といってあんまり気をつけないでしょうね。カネというのは使って初めて価値が発生する。カネを放っておいてもそれはただのカネだ。金田ぁ。さんをつけろよデコスケ野郎。いやAKIRAネタはどうでもいいんですけど、とにかくCDを買っていますよの話。

 本棚を漁ってみれば、ああ、こんなの読んでたっけね、みたいな懐かしい本との再会があったりする。それが楽しいじゃないですか。あの話をもう一回聞きたい、読みたい、というとき、本で読んだことであれば該当するその本を読み返せばいいわけで、もう一度といわず何度でもですね、話は聞ける(読める)もんなのであった。まったく本というのはたいしたもの。みっちりと言葉が書いてあるんだぜ物体に。そうしてそこで語られているのが偉大な言論や非凡な物語。勉強ができるというものでしょう。ああ。がんばって読んでいこう。



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金井枢鳴 (カナイスウメイ)
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