与えられた仕事を「こなす」か「昇華する」か
久方ぶりのnoteです。
ご存知の通り私の所属する会社が色々な問題を抱えてしまい
自分が記事を上げたことで何か不利益につながるのではという危惧から
しばらくの間、自重しておりました。
そもそもが私の仕事は文章を書くことではなく、番組を作ることなので
何の義務も発生していないのですが
やはり自分のやっている仕事に対して向き合ういいきっかけだったり
視聴者のみなさんに知ってもらうことも一つのプラスになるのではと思い
今回カタカタと文字を連ねております。
昇進とは?
こっそり始めたBlueskyに書きましたが夏から昇進しました。
副部長から「チーフディレクター」に昇進です。
正直、「副部長」のほうが上のような気がするし
普段番組では、チーフディレクターより上の立場の
「総合演出」をやっているのでよくわからない役職です。
とはいえ、会社が「チーフディレクター」だというならば
そうなんでしょう。
一応、社内上はチーフディレクター(部長待遇)となるようですが
僕も20年この会社にいさせてもらっているので
自然昇格というか、望まずともこの役職になるのです。
他の同期もみんな「チーフプロデューサー」という肩書きになっています。
幹部から言われた仕事は
「THE SECOND」の総合演出をやりながら
「THE MANZAI」「THE CONTE」「ENGEIグランドスラム」「ツギクル芸人グランプリ」のチーフプロデューサーを兼務するということです。
伝えられた細かい仕事のディテールは割愛しますが、
そんなわけで夏からのフジテレビの大型ネタ番組のエンドロールに
チーフプロデューサー 日置祐貴
とクレジットされております。
もともとお笑い(特にネタ)が大好きでこの会社に入社した僕にとっては嬉しい任命ですし
お笑い冬の時代に突入しかけている今、
自分に与えられた使命はとても大きいものだと思っています。
しかし、今までほぼやっていなかったプロデューサー業なので
立ち回りを勉強中ではあります。
中間管理職
若い頃は年上のプロデューサーからの「ああしろ」「こうしろ」という声には
耳を傾けられませんでした。だから極力自分から「こうしなさい」と年下の総合演出には言わないようにしています。
それでもありがたいことに若い演出家が「これってどう思います?」「どうすればいいですかね」と聞いてきてくれるので、その時は全力でアイデアを一緒に捻り出す毎日です。
とはいえ上層部からは「もっと踏み込んで」「もっと日置色をだして」などと言われてしまうので「邪魔な上司だなと思われたくない自分」と「上層部に期待してもらっている自分」が頭の中で戦っています。
これが若い頃よく聞いていた「中間管理職」なんだなぁと実感している次第です。
世の中間管理職のみなさんもきっと同じような悩みを抱えているんだろうなと思い、いっしょに一杯飲みに行きたくなる気持ちです。
演出家にこだわる
入社してから片岡飛鳥というスーパー演出家のもとで修行を積んできたので
やはり演出家という仕事には誇りをもってやっています。
なので「酒のツマミ」や「THE SECOND」などの番組の総合演出を引き続きやらせてもらえるということには、会社に本当に感謝しています。
年末には今までやっていなかったアプローチの特番も放送されますし
来年早々には新しいお笑い特番もスタンバイしています。
プロデューサーをやりながらも、話題になった配信バラエティには
相変わらずちゃんと嫉妬していますし、
社内で若手が誉められていたら「なにクソ」という感情は湧きます。
なので「作り手」としての炎はしっかりと燃えているので
プロデューサー業をやっているからといって
落ち着いたりはしないと思います。
肩にカーディガンをまいたり、スーツでビシッと決めたりもしないです。
急にゴルフを始めたり、タレントを馴れ馴れしく「〇〇ちゃ〜ん」と呼んだりもしないです。
むしろこのプロデューサーをやっていることで得た経験や知識を
作るものに昇華させられるのではないかとワクワクしていたりもします。
しかし会社員ですから、プロデューサー業をおろそかにしたり
こなすだけの仕事をしていると
いつか異動が突きつけられるかもしれません。
そんな恐怖と戦いながら新しい制作人生を進めている次第です。