【徒然日記2020 04】たくさん本を読んだり、いろんなセミナーに参加したり、対談を聞いたりして、何かがわかったつもりになるのは、本当にわかったつもりの幻想にすぎない】
本を読んだり、セミナーに参加したりして、様々な知識や気づきを得たりすることは大事だけど、ただそれだけでわかったつもりになってしまうのは、だいたい本当にわかったつもりであり、ただの幻想にすぎない。
本や講演というのは、書き手や話し手がイシュー(問題意識や問い)を設定しており、あくまでそれに対する一つのアプローチや解であるものだからだ。つまり聞き手(本人)にとって本当に必要なイシューであるかはどうかはわからない(むしろ異なることが多い)。しかしただ受け身で聞いてしまうと、納得ポイントや目から鱗ポイントがたくさんあると、人は妙にわかったつもり、何かに気付いてしまったつもりになってしまう。幻想である。
こういうのは、イシューやアプローチ&解をそのまま受け取るのではなく、自分が抱えているイシューと照らし合わせて、自分毎として主体的に引き寄せて考え、それを解くためのキッカケやヒントを探るという姿勢で望まなければ、たいして有効な気づきは得られない。
つまり重要なことは、本や講演に参加する前に、いかに常日頃から問題意識、問い、モヤモヤを抱えているか、そのヒントを模索し続けているかが大事であって、なんとなく参加してなんとなく聞いてなんとなく触発されたというのは、だいたいすぐ揮発してしまうのがオチである。
日頃の問題意識なしに本やセミナーから何かを得ようとすることは、問題と解き方と模範解答を与えられる学校の勉強と同じで、ただ知識を暗記してわかったつもりになってるようなものだ。
もちろん知識がなければ、思考や知恵、発想も生まれないので、いろんな知識や価値観、考え方、視点などを自分の中に通す、基礎を身につけるという意味では重要だけど、それだけで何かをわかった気になってしまう、満足してしまうのは非常にもったいない。
むしろそこはスタートであり、それらで得た知識から日頃の暮らしや仕事の中で、たくさんの疑問や問題意識、問いを発想し、ストックしておく。そうしておけば、本や講演から自分にとっての意味のある気づきが得られるし、それどころか誰かの何気ない一言、ポスター、何かのちょっとした変化などからも、自分にとって有益な気づきを得ることができる。
本や講演にただ参加して、何かがわかったつもりになるのは幻想にすぎない。それは誰かのイシューの、誰かのアプローチの、誰かの一つの解の例でしかない。
重要なのは、自分にとっての自分ごととしての問題意識と気づきである。