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【徒然日記2020 05】本気で攻めるためには、オポチュニティの大きさよりも、リスクの大きさをみる】

日本企業の特徴として気になるのが、オポチュニティサイドはすごく気にするが、リスクに対する感度が極めて鈍いこと。

本気で攻めるためには、見るべきところが全く逆で、オポチュニティよりもリスクに敏感になる必要がある。
リスクを見極め定量化し徹底的にリスクヘッジすることで、初めて思いっきり攻めることができる。

日本の企業は、リスクには鈍いのになぜか極めて保守的で、安全サイドに落とし所を持ってきたがる傾向にある。これはリスクを可視化できてないため、何があるかわからないという漠然とした不安から来るものだと思うが、その結果、極めて中途半端な意思決定をする傾向にある。もしくはリスクがよくわからないまま”えいや”でルビコン川を渡る。これじゃただのギャンブル。ファクト・数字・ロジックに基づいた意思決定よりも、個人的な経験といろんなものへの忖度と調整による意思決定が多いように思う。

一方、海外だとリスクに対する感度が極めて高い。リスクを徹底的に洗い出し、それを最小化するための条項を契約にガッツリ盛り込んでいく。リスクが受け入れ可能なレベルになるまでネゴシエートするというプロセスが徹底しているので、それが纏まれば経営としての意思決定も早い(結構みんなに任せる)し、ギリギリまで攻めた意思決定をする。
意思決定の判断基準やロジックも基本的には明確なことが多い。たぶん、海外だと多様な人種や立場の人材を抱えているので、合理的に決めないと反発が大きいからというのもあるが…。

日本の大企業の場合は、特に事業計画を立てるとか顕著だけど、だいたい将来の事業規模(とくに売上計画)の大きさばかりを気にして、予算を決めたり投資とリソースを決める。リスクサイドは激甘。しかも一度予算を立てたら、それを守ることが一番が重要とされ、そのための計画と管理とつじつま合わせに多大な時間とリソースを投入する。

恐らくこのやり方は、高度成長時代の製造業の名残りだろうが、あの時代は、それほどリスクも少なく(ないといより予見が容易)、それよりもいかにシェアをとるか無駄のない効率的なオペレーションを行うかがKSFだったんだろう。が、BUCAの今の時代にはあまりマッチしていない。

そもそも5年後の売上規模(特にシェア)なんてよくわかんないから担当者が鉛筆舐めてロジック積み上げてるに決まっているし、今は5年の間にテクノロジーもビジネス環境も競合状況も激変してしまう。

今の時代は、正確がわからないから計画や効率を追求するのが難しい。
昔のように、コスパのよいもの、高機能なものを作れば売れた時代=正確がわかっていてそれをいかに高品質高効率で実現するかの時代とは異なる。
そうすると、計画や効率よりも、スピードとといかにピボットと試行錯誤の回転率を上げ、変動&多様化するニーズ(正確)にアジャストし続けていけるかが勝負のカギだ。

スピードや回転率を最大化するためには、日本式だとあまり上手くいかなくて、部単位とではなくプロジェクト単位を中心にすること、海外のように最大リスクをきちんと計算してそれが許容出来るまでヘッジし、期限とマイルストーンとKPI決めて、予算やリソースを貼り、とりあえずプロジェクトメンバーに全速力で走らせる。短期タームでチェックし必要に応じてピボットしたり、プロジェクトメンバーやリーダーを入れ替えたりするスタイルに変えていく必要がある。

ということで、BUCA時代で、本気で攻めるためには、

①オポチュニティの大きさよりもリスクの大きさをきちんとみること、
②部単位の組織ベースではなくプロジェクトベースで事業に取り組むこと、
③スピードと回転率を最大がすることでニーズにアジャストし続けること

がキーになってきている。

②③は、スタートアップやベンチャーだと比較的出来てる気はするけど、①は意外とベンチャーでも出来てないんじゃないかなぁ。。。

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