【徒然日記】「相手のことを考える」と「相手の立場に立って考える」の違い
「リアルに相手の立場に立って考える」ということを教えるのって難しい…。
本当の意味でその人の"視点""視座""立場"になって考えられてないなと思える「相手の立場に立ってる"つもり"」の"なんちゃって"な人や、「相手のことを考える」とごっちゃにして「自分は相手の立場に立ってものを考えられている」と主張する人もけっこう多い。
ただ、意外とこの「相手のことを考える」と「相手の立場に立って考える」の違いを上手く捉え、伝えるのは難しい。
僕の場合は、将棋に例えて、
①盤面は自分の方にいながら相手の次の手を読む=相手のことを考える
②ぐるっと盤面をひっくり返して相手側から盤面を見る=相手の立場に立つ
というように説明するようにしている。①も②も似たように思うかもしれないけれど、将棋をやる人ならわかるが、全く異なる。
①は、あくまで立場だったり主観は自分の方にあり、自分が相手の立場だったら「その局面や次の局面どうするか」という形で思考を読んでいる感じ。自分側から相手を見ているので、客観視してしまうため、感情論よりも論理的/合理的な読みとなる場合が多い。
これは相手側のことは客観視し、自分側のことは主観視している状態。
② は、ぐるっと盤面をひっくり返して相手の目線で考えるので、主観は相手側の方にあり、自分が相手の立場だったら「その局面や次の局面どうするか」というのもそうだが、この局面だけではない範囲の情報も含めて(好き嫌いの好みや、過去の対局や次の日の対局、人間関係や価値観など)、ただの点の情報だけではなくて、時間軸も含めた面の情報も含めて相手ならどのような判断をするかを考えているという感じ。こちらは、相手側から見ているので、相手の主観的な感情論もかなり含まれる読みとなる場合が多い。
また相手からの目線で、自分側を客観視出来るので、相手側のことを主観視し、自分側のことを客観視している状態(これが一番効果か大きいかも)。
もちろん、①があっての②だが、①だけで②までやってるつもりになっていることも多い。特に、自分や状況を客観視出来ない人にこの傾向が強い気がする…。
①②までキチンとやることによって、相手側/自分側をより客観視出来るし(冷静な状況判断)、ただそれだけではなく、相手側/自分側を主観視することで、よりリアルな意思決定(人間は感情の生き物だし、主観的/感情論がかなり意思決定に影響していると思う)を想像し、手を打つことか出来るのだと思う。
①が「相手のことを考える」で、②が「相手の立場に立って考える」の状態に近いと考えると、けっこう分かりやすく伝わるなかなぁと思ったりする(長いけど…苦笑)