仮想劇場短編演劇祭(前編)[ライブ配信]
さぁさぁ見てきましたよ。twitterで告知が流れてきたので、たまにはということで。仮想劇場の名の通りライブ配信ですね。今回は3団体です。
1団体目:かしこしばい
とある会社勤務の女性を描いた話でした。朝なんとかやっとこさ起きて、分刻みで時間気にしつつ朝飯と化粧とニュース済ませて、満員電車に揺られヨレヨレで出勤するというなんとも代わり映えしない毎日を送る彼女…。なんか知らんけどバカ犬と同居人に夏の暑さで腐りかけてるゾンビがいるっぽいのよね。なんでゾンビ?笑。
感想としては「完璧な朝」「アシになる」「加齢臭を罰する法律」「(人との距離感が)ほどほどアイランド」などのセリフ回しと女性のリアクションが妙にエグさみたいのを感じて面白いなぁと思うと同時に、人との距離を取りたがる、もしくは関心が薄い現代人、もっと言えば、隣の人が日常生活を送っている間にその隣の人は人知れずお亡くなりになってるけど知ることもないという『孤独死』の話にも触れているのかなぁーとは思いました。他人事ではないのでね、疫病と同じく。
あとは…時折変わるカメラアングル、『見せる工夫』みたいのがされてて、あれも良かったですね。
2団体目:うさぎの喘ギ
男性2人?女性1人の演目だったと思います。ただ明確なストーリーみたいのは正直なところ、よくわかんなかったです。
感想としては、3つの中では読み取るのが難しかったなぁーと思います。ただ、舞台装置のあのスクリーンや結婚や整形、女性が女性を演じてるといったセリフじゃないんだけど、アカの他人が昨今のネットやらの誹謗中傷なんかで勝手にその人の人物像を形作ってしまうという、ある意味で本来の自分という存在がわからなくなってしまう、下手すると、わからなくされてしまう危うい社会のことを言ってるのかなぁーとは思いました。
あとは…あのスクリーン奥まっていく?に連れて人の動き違ってましたが、(←手前も奥の画面も同一人物なんですね)なんだか遠巻きに人を監視してるみたいで、その違和感が逆に驚きでしたね…というかこれ仮想劇場そのものじゃないか笑笑。
3団体目:❲フキョウワ❳
…とある夜男性二人組が飲みに歩いていたら、羊の顔した男にたまたま出会ってしまいひたすら追いかけ回され、逃げてもなぜか先回りされ、そして最後は…という話でした。前の2団体から一転して(※前の2団体は暗がりでのお芝居だったのです)ネオン街というか街中という明るい場所の設定になったので内容も明るいかと思いきや、もろホラー笑。
感想としては、かなりヒツジオトコの行動が奇怪なんですよね。この2人の行動や街の風景がありふれたものであり別段おかしなことではないだけにそこが余計奇妙に映るという。なお個人的には「なんで街の人は誰も変だと思わなかったのだろう?」ってのがずっと気になってましたね笑。ちなみにラスト血まみれの羊の場面は、先輩を殺してたぶん自分も死んだんでしょうけど、不気味でした。
あれは「羊の皮を被った狼」じゃないけど人間の本性のことを言ってたのだろうか???。それとも、劇中の砂嵐とノイズ入った画面含めて「走馬灯のように駆け巡る彼の過去」あたりを言ってたのだろうか???…謎でした。
という訳で簡単ではありますが、面白く拝見しました。なかなか関西の劇団触れる機会ないんで、貴重でした。