「ダイアン」、この愛すべきハイコンテクスト漫才さん
こんにちは。1976newroseです。
今回は、最近私がズブズブと沼に沈み込んでいる芸人コンビ「ダイアン」についてのコラムです。ええ…素晴らしい…
ダイアンは、ツッコミの津田さんと、ボケのユースケさんからなるコンビです。
自分たちのことを「漫才さん」と自認しており、ユースケさんが繰り出すシュールな世界観と、どこか動物みを感じる津田さんのツッコミが織りなす漫才は、魅力満載です(*'ω'*)✨
そんなダイアン、世間では津田さんのギャグ「ゴイゴイスー!!!」や、大声芸のイメージが強いと思います。
テレビでも、周りからの雑なイジリを津田さんがテンパりながら一生懸命はじき返す、そんな役回りが多いです。
しかし、彼らの一番の魅力は、別のところにあると私は思っています。
それは「あんな芸風なのに、実は超ハイコンテクスト芸人」という点です。
解説して参ります。
彼らは、ABCラジオで毎週月曜日「よなよな」という番組に、レギュラー出演しています。
津田さんとユースケさんの2人でただしゃべり続けるだけの番組ですが、2014年の初出演以来、7年以上も続く人気番組となっています。
このラジオには特定のコアなファンがついており、彼らによってダイアンの魅力が発掘・再生産され続けています。
下記にほんの一例をあげます。
●高校落ちてる津田さん
●津田さんは歯が多い
●研ナオコさんみたいな津田さん
●顔が伸びた津田さん
●熱い屁
●ユースケさんのごんぼさん
●男やのに一浪して短大に行ったユースケさん
●ギャロップ林さん
などなどなど…枚挙にいとまがありません。
一見、意味不明なものもありますが、ほとんどはパッと見ただけで理解できるシンプルかつキャッチーな内容です。ダイアンに少しでも興味がある方ならば、思わずニヤリとしていらっしゃることでしょう。
ダイアンというコンビの真の強みは、以下の2点に収斂すると私は考えます。
①誰でも笑える「ミーム」を大量に抱えていること。
②コアなファンによって「ダイアン・ミーム」が発掘され、某動画サイトを中心に高度に体系化されていること。
あんなにコテコテの大阪芸人感を醸し出しながら、実は大量のミームを抱え、コアなファンによるミームの高度な体系化が進んでいること…このハイコンテクストさとのギャップが、私がダイアンを愛してやまない理由なのです。
東京進出後、関東のテレビ文化においても、こうした「ダイアン・ミーム」が徐々に浸透しているように思います。
千鳥のお二人が、岡山弁でセンスある一言を放つ芸風が関東になじむまで少し時間がかかったように、「ダイアン・ミーム」が関東にも浸透すればするほど、ダイアンの爆売れは加速していくと想像(あるいは期待?)しているのです。
しかし、私は「爆売れ」した後のダイアンのことを少々心配してもいます。
なぜなら、ミームを中心としたハイコンテクスト文化は、その文脈を理解している者とそうでない者の間に、強烈な温度差を生じさせてしまうからです。
たとえば、インターネット上で有名なミームの一つに、「野獣先輩」というものがあります。あえて詳細は省きますが、あの文脈を理解している層と、そうでない層との間に生じる、深い断裂、そして強烈な温度差は、容易にご理解いただけるのではないでしょうか?
あるいは、アイドルを例にとってもいいかもしれません。どんなアイドルにも激烈なファンが一定数ついており、そんなコアなファンによって、アイドル一人一人の細かな人物像やエピソードが蓄積されていることがままありますよね。そうしたハイコンテクストなコンテンツにおいては、その内部にいる方々と、(私のように)アイドルに興味がない方々との間に、強烈な温度差をもたらします。
ダイアンにとって、また関東のテレビ文化にとって、ダイアンのハイコンテクストぶりは諸刃の剣となるでしょう。
これだけ大量の面白いミームを、例えばダウンタウンさんや千鳥さん、サンドウィッチマンさんやオードリーさんなど、既に関東のテレビ文化で発言力をもった芸人さんが多用すれば、ダイアンの魅力はすぐさま関東のテレビ文化に浸透するでしょう。
しかし、ミームの濫用は、ダイアンのことが好きな層とそうでない層との間に、急速な、取り返しのつかない温度差を生じさせる恐れがあります。
そうなると、ダイアンという存在が、社会から対立軸の起点としてとらえられてしまい、お二人がもつあの「ゆるーい同級生おじさん感」が損なわれてしまうような気がしてならないのです…。
怖い…危ない!
私はいまのダイアンが大好きです。無理することなく、ゆっくりとお二人の魅力が関東のテレビ文化に受け入れられて欲しいなと、心から思っています。
余談ですが、ダイアン公式YOU&TUBEチャンネルのディレクターさんは、極めて有能な方だと思っています。チャンネル開設当初は、よなよなリスナーと思われるファンからのコメントがほとんどでしたが、ダイアン独特の「ゆるさ」を前面に押し出したコンテンツを配信し続けた結果、いまでは女性や関東の方と思われる好意的なコメントが半分近くを占めるまでになりました。
ハイコンテクスト・ダイアン・ワールドに視聴者を引き込みつつ、既存のファンも満足させ、両者をうまく共存させることに成功しているように私には見受けられます。これからも頑張ってください!!!!!
ええー以上となっております。
ぷぅ
あ臭ッ!!!!!!!!!
お読みいただきありがとうございました。笑
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