寿司漫画

釜利谷勝郎はアマゾンの配達の仕事を終えると家に帰る途中にTSUTAYA町田木曽店に寄った。

検索機で作品名のところにメモ用紙に観たい映画を書いておいたので順番に棚の位置を調べてDVDを棚から抜き出していく。

この日は『The MASTER』『TENET』『女は二度決断する』『虐殺器官』などを借りた。

漫画コーナーにスラムダンクの映画に合わせた企画本の様なものが置いてあった。釜利谷はスラムダンクがきっかけで中学生時代バスケットボール部に所属していた事があるので非常に思い出深い作品だった。

ふと、もし陵南高校が全国大会に出ていたら?という平行世界を漫画で書いてみたいと思った。

仙道、魚住、池上、福田、越野、植草、菅平、田岡、それぞれの視点で山王工業戦を描くmultiple perspectives的な作品にしてみたい。試合自体はあっさり山王に負けてそれぞれの道へ進む。

魚住は板前、仙道は大学バスケからBリーグ、池上はサラリーマン。数十年後魚住の店で陵南バスケ部の集まりがあり、みたいな内容で『江戸前の純』というタイトルでペンネームは新糸清という事にしてコミケに出店したい。

しかし井上雄彦先生は天才だと思うのは桜木花道というキャラクターを通して素人目線からバスケットボールの魅力をわかりやすく提示したと思った。
特にリバウンドという要素の重要性について非常に分かりやすく試合の流れの中で説明していてリバウンドとディフェンスが如何に重要であるかを説いたと思う。流川と言うオフェンス偏重型のキャラを同じチームで同居させる事でコントラストになってもいる。

96年のシカゴブルズ的に言えばロッドマンのプレイヤーとしての重要性と悪者としての魅力、マイケルジョーダンの華麗なオフェンス力。みたいなものを高校バスケの中に置き換えたと言う事だろうか?

そう言えば釜利谷の中学のK先輩が井上先生と電話で話した事がある、と当時いっていてお父さんが編集者か何かだったのか、、、?

k先輩は凄く優しくて良い先輩だった、パワーフォワード的な立ち位置でインサイドでの得点力もあり、、、とにかく一生懸命プレイしていた事が印象に残っている。

中学時代のバスケ部のメンバーとは19歳くらいの時に会って以来疎遠になっていて同い年の人間はヤクザになった奴もいるらしい。山際という奴で当時から事務所に出入りしているという話をしていた。

釜利谷は漫画の構想を練りながら車に乗り込んでTSUTAYAを後にした。

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