鍋パーティー

ライブハウスで怖い目に遭った事がない。

友人の家で行われた鍋パーティーの席で色々な過去の記憶を披露しあっていて。竹中雄一の番になったのだがこれと言ったエピソードが無くあまり話せなかった。

それで何とかしてDischargeの来日公演の事を思い出し話した。

今は無きドラゴンクラブというライブハウスで確か2009年くらいに行われたもので何バンドかサポートアクト的にハードコアパンクバンドのshowがあり。
竹中はノリが解っておらずモッシュピットの外側で壁に寄り掛かって見ていたのだが。とあるバンドのボーカリストがペットボトルをぶん投げて来て顔面に当たりそうになった。

それでDischargeの演奏中に客が水の入ったペットボトルをベーシストかギタリストに投げつけたりという事も有った。それは恐らくDischageのライブが期待に即してなかったという事だったと思う。

それくらいのエピしか出て来なかったし最近竹中が体験したフィリップシーモアホフマンという名前のハードコアパンクバンドのshowは非常にピースなモッシュで最高だったし怖さとは無縁のものだった。メンバーの方々も凄いフレンドリーな方ばかりでしたし竹中も感銘を受けた。

竹中的にもサークルモッシュ的になった時にみんなとグルグル回って同じ世界に入れた様な気がしたし楽しかった。

それで竹中はライブスペースでの怖い目というのは無かった訳なんですが仕事で個人宅の家屋の解体業を営む会社で働いていた事があってその時に高座渋谷に住む肉マムシという人がいた。

肉マムシというのは竹中が個人的に付けて心中で呼んでいたあだ名で当時闇金ウシジマくんという漫画に出て来る肉マムシというキャラに酷似した職場の先輩に対して恐れからつけていた。

ある時竹中が2トンの平ボディーのトラックに木材を効率良く積載するために並べていると木材が「ポンポン」と飛んで来た。釘の飛び出た角材なども無配慮に飛んで来て親方の「いくぞ竹中」という声と共に他の作業員の笑い声も聞こえて来た。

ある種の可愛がり。みたいな事で竹中の職場とりわけHという親方の現場では常態化して行われていてそうすると肉マムシもそこに乗っかって更なる可愛がり、が行われた。「いくぞ〜竹中ー」という声と共に柱が飛んで来て竹中の膝に直撃した。もんどりうって蹲ると更に頭上から木材が降って来た。

そんな事もあり環境に適応出来ずに竹中は原因不明の胃腸炎になり職場を後にした。

数年経って竹中が思った事は何らかのゲバルトの実装を竹中自身がしていればそういう環境にも耐えれたのかもしれない。と考えた。
そう言った可愛がりに対して物理的なゲバルトの対応力で乗り切る事ができたのでは?という事。

それで竹中は空手を習うか古武道を習おうと思いグーグルマップで近所の空手道場と合気道の道場を調べた。

数件調べて大体の位置を把握したので散歩がてら見に行こうかと思ってはいる。
そうなっては来る。と思った。

それで竹中はまず技術も大切だが基礎体力も付けなくてはあかんやろ、、、と思い。正統的に苦しんで自転車を漕ごうかと思い淵野辺の住居から境川のサイクリングコースで江ノ島まで行く事にした。

竹中は境川沿いに出て自転車を漕いだ。

竹中は必要最低限に必要な分は苦しんだ様な気がした。
もう十分かもしれないなと思った。


空は澄み渡っていた。






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