オラトリオ『快活の人、沈思の人、温和の人』
オラトリオ『快活の人、沈思の人、温和の人』
この作品は、3部構成になっています。内容はというと…
第1部では歓楽と幽愁の女神の名を呼び、田園の自然や村人の生活をたたえます。笑い声の模倣やフルートによる鳥の声の模倣、狩りのホルンなど、描写的なアリアが登場します。最後は鐘の音の模倣で若者たちの踊りについて歌うが、急に静かになり、人々は眠りにつきます。
第2部では夜の星々とそれにまつわるギリシア悲劇について歌われた後、朝が来て都市の賑やかさが歌われます。人は宴会や演劇の楽しみを歓楽の女神に求め、また天上へと導くオルガンの響きや静かな隠者の生活の楽しみを幽愁の女神に求めます。
第3部では行き過ぎた快楽は苦痛に変わるとして、中庸の神に呼びかけ、節度や質素や安楽を美徳とします。二重唱と合唱で中庸をたたえて曲を終えます。
この作品を耳にする機会はほとんどありません。しかし、この2重唱は、ぜひ、皆さんにお聴き頂きたいと思います。とにかく美しいのです。
古楽オーケストラでぜひお聴き頂きたいのですが、今回はピアノでの演奏です。ピアニスト原田さんの美しい音も併せてお楽しみに。