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産学官民連携〜名護子ども食堂に関わる学生達〜

今回は前回Re:InnovateJapanの配信でお話ししました、沖縄工業高等専門学校様(以下沖縄高専)の子ども食堂への取り組みについてです。非常に興味深い話が出たことと、DXにもつながる話を学生さん達が認識していることがポイントです。

子ども食堂とは

食事を取れない子供達に食事を与えよう。という取り組みで見られることの多い子ども食堂ですが、単に食事を提供するだけの場ではありません。名護子ども食堂では食事意外にも、子どもの発育に対する支援や居ても良い「場」を提供しています。

貧困家庭が他県よりも多い沖縄、その地域課題を「子ども食堂」という手段を用い地域のさまざまな支援を行っています。

この活動には地元の自治体、企業、団体、そして学生たちが現場の課題にフォーカスを当て、活動を続けています。

現場の課題を現場に入って解決する「実学」

沖縄高専では、20周年記念活動としてチームを作り、子ども食堂や地域の課題解決についての取り組みを2022年上期に行いました。名護子ども食堂の取り組みにつながる活動は2つ、
「廃棄される麦芽カスを使い、子ども食堂が自走できるような商品開発を行う取り組み」
「子どもの虫歯問題に対し、口腔ケアに関心が持てる様なアプリを作り改善をする取り組み」
です。最終的には子ども食堂の子供達を含め現場で自走できるようにすることが目標になっていました。

これらの取り組み内容については配信で詳しく先生や生徒が話をしていますので、そちらをご覧ください。

この取り組みの中で学生さんの気付きが非常に参考になるものでした。

学生さんたちに子ども食堂に行った際の子どもたちの印象を伺いました。
「少し幼く見える」「引きこもり的な子どもたちを想定していたが、実際にはその辺にいる子どもと変わらない」「活発な子どもが非常に多い」・・・

実際に子どもたちと触れているからこそ相手の顔が見えています。

この印象から

「もしかしたら発育的に遅れているのかも?」
「その他の場所ではなかなかノビノビできず自分が出せる場になっているのでは?」

など、現場を見ているからこそ出てくる言葉がたくさんありました。ちゃんとした根本課題をしっかりと見た上で認識しているのです。

さらには、

「今回は半年間の授業として子ども食堂との関わりを続けたが、授業が終わり自分たちが子ども食堂にこなくなったらこの子供達はまた元に戻ってしまうのではないだろうか」ということを懸念し、今でも自主的に子ども食堂に通っている生徒さんも居られる。という話が出ていました。

DXは課題を見つけ、改革を行いありたい姿を実現するものです。

生徒さんからすると課題は見つけられた、自走するための改革提案も行なった。でも、「まだありたい姿」には到達していない。という意識から通い、自分たちの活動を継続しようとしているのです。

変革は一つ適用して終わり。ではない

生徒さんたちは自分たちの設定した課題に対し、解決する術を見出し半年という短い時間の中でいくつかのプランを実行しました。ただ、それだけでは根本的な課題を取り除くことはできないと理解し、継続して自主的に対応を進めています。

この辺りはDXの取り組みにも通じるところがあると感じています。

アジャイル的に取り組みを進め、その部分では課題解決できたとしても、より大きな課題は残るため、その辺りを継続して取り組んでいく。

学生さんたちが実学の中でそのことに気付き、継続する選択肢を自主的に選んでいるのです。

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