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AIと付き合うスタンス
生成AI登場によりいよいよ、人の営みの中に彼らが入り込むことが現実になってきました。人によっては、「今までやってきた仕事などを彼らに持っていかれると寂しい」というイメージを持っている様です。今後AIが進化した際、どのように付き合えば良いのか。という話です。
AIは人を超えてくる
前のAIブームの際、シンギュラリティという言葉が出てきました。これは人の能力をAIの能力が上回ることを表す言葉で2015年辺りにはこの現象が2045年に起きる。と予想されていました。それが最近では2026年あたりには超えてしまうとも言われています。あと一年ちょっとでAIが人よりも優秀になる。そうなった時、人の仕事ややることをAIが奪うのではないか、という思いになります。
こちらも2015年にオックスフォード大学などが今後10年でAIに置き換わる職業と置き変わらない職業が発表されていました。中身に関してはAIの進化が上回り発表当初の予想は外れる部分も多く出てきましたが、大半の業務はAIにできる時代になりつつあります。
さらには今年からエージェント系AIがどんどん投入されてくるでしょう。
いよいよ、AIは自立して色々なことができる存在へと昇華されていきます。
このような存在をどう捉えるかで今後便利な生活を送れるかが変わってきそうです。
AIは敵か味方か?
AIに仕事が奪われる、という言葉が一人歩きしていますが、この考え方からするとAIは皆様から仕事を奪う敵に見えます。敵であれば、排除したい心理が働きます。自分を防衛するためにもAIを自分たちのテリトリーに入れない方が良い。そう考えてしまうでしょう。
最近AIの講演をする中でも、AIが進化している話をさせて頂くとまず最初の反応としては、「仕事を奪う存在」という反応をされる方がたくさんおられます。
ただ一方で、ここまでAIが進化してくると生活などにおいても無関係という訳にはいきません。電気・ガス・水道などの生活インフラを使わない人の方が少ないでしょう。すでに周囲にあたり前にあるものを排除することは非常に難しいです。
それこそ無人島で1人で生活を行う、位の行き過ぎた行動を取らなければ今後AIを避けることは難しいでしょう。実際、生成AI以前のAIが生活の各所で利用されています。
皆様は知らず知らずのうちにAIに生活を支えられているのです。
AIの捉え方を変えると「ラク」になる
では、どうすればAIと良い関係になるでしょうか?
敵味方という考え方を捨て、自分の相対する存在である、というイメージを捨てると「ラク」になります。
AIは自分の機能拡張と捉えてはどうでしょうか?
確かにAIは人の言葉を理解し話すことができ、絵も動画でも表現でき、文書や資料を作ることができます。いわば、今まで人がやっていたことを人の代わりに実行することができます。
そう見ると人的な存在に見えてきますが、一方で単なるデータと計算式の塊を処理したデジタルでもあります。
この捉え方をするのであれば、AIも所詮はスマホやパソコンと変わらない存在です。
スマホは皆様のやりたいことを実現するツールになっており、今や手放すという選択ができる人は少数派になりつつあります。
スマホは皆様にとってどんな存在かというと、ネットやサービスに繋がる拡張機能という側面が強いでしょう。
地図を覚えられないから地図を見る、予定を覚えられないから予定を入れる、遠くの人と直接会話できないからSNSで会話する・・・
人単体ではできないことをスマホという媒体を使うことで「機能拡張」できるようになっています。同じ捉え方をAIにも持つことで「ラク」になりませんか?
AIは自分の機能拡張という捉え方
AIは人と同じインタフェースを持っています。皆様からすると家族や同僚、友人と付き合う感覚と変わらないイメージでさまざまなことを実現できます。
ただ、一方で自分がやりたくてもできなかったことを専門性など持っていなくても実現できる「自分の機能拡張」と捉えられれば、自分自身が超能力者になることも可能です。
自分の延長線上にAIがいて、別人格ではなく、自身と一体で自分が望むことを実現でけるデジタルツール、そう捉えると前向きにAIを使えるようになるのではないでしょうか?
AIという特殊能力のどんなことが実現できれば自分のやりたいことが実現できますか?そういう視点を持つとAI自身にも興味が湧くのではないでしょうか?
便利なものは敵対すると損でしかありません。
自分にとって有効なものである、という感覚で付き合ってみると景色が変わるのではないでしょうか?