【雑感】2022年天皇杯2回戦 対ブラウブリッツ秋田
東京ヴェルディ 2-1 ブラウブリッツ秋田
現地観戦での記憶だけを頼りにした振り返りです。映像では見返していないので記憶違いがあるかもしれません。その点はご了承ください。
スタメン
ヴェルディは直近のリーグ戦からメンバー6名変更。奈良輪、佐古真礼、井出、新井、佐藤凌我、橋本陸斗を入れ替える。
一方の秋田も直近のリーグ戦からメンバー6名変更。新井、加藤、藤田、井上、高瀬、半田を入れ替える。ベンチには二種登録の選手が5名入った。
前半
開始早々に試合が動く。右SHに入った小暮のPAからのミドルシュートがヴェルディの選手に当たりコースが変わって決まる。開始わずか1分で秋田が先制する。この日も失点を喫したヴェルディ。見ていても失点を許すことが当たり前のようになるくらいに感覚が麻痺してきている。
フィジカル、走力を活かした迫力のあるプレスで激しくボールホルダーに襲い掛かる秋田を前に身体的に劣る奈良輪や石浦大雅、新井などボールを落ち着いて持てずバタバタするかのようなプレーが開始5分くらいまでは見られた。
最終ラインでのボール保持で一旦、試合を落ち着かせたヴェルディもすぐさま反撃に出る。ボールサイドに選手を密集させて守ることを主とする秋田を上手く利用して右サイドでボールを持った新井が中央から斜めの動きでCB背後を取った井出へスルーパス。井出はPA内の深い位置まで侵入して折り返しのパスを佐藤凌我へ通す。凌我はGK新井の動きをよく見て流し込み7分にヴェルディが同点に追いついた。
トーナメントらしくオープンな様相が出た立ち上がり。すぐに同点に追いついたことでヴェルディが主導権を握った。そのあとも秋田最終ラインの背後を取る動きが目立つ。最終ラインでビルドアップするうちにSB奈良輪が裏を取り、ンドカからのロングボールで抜け出したり、右大外に張る新井へ佐古真礼など左サイドから対角のパスを通す。特に新井は対面する高瀬を圧倒して何度も仕掛けては抜いてクロスを上げる場面があった。また右IHに入る石浦大雅はレフティらしく内側に身体を向けたまま左の橋本陸斗へパスを入れる機会もあった。リーグ戦では右サイドに入ることも多いレフティの陸斗であるが縦に突破して順足でクロスを上げることでスムーズなプレーを見せて意外に左の方が良いのでは感じてしまうほどであった。
また、IH井出は陸斗との連携で左サイドにも顔を出して抜け出して見たら相手を翻弄するようにフェイントを交えて抜いてクロスを入れる場面が見られて、ここ最近は負傷離脱でベンチ外からのいきなりスタメン起用にも存在感を示すプレーを披露した。後半途中に退いた際にスタンドからの大きな拍手がその表れだっただろう。
秋田は本来は攻撃の選手である井上をDH起用したこともあり、石浦大雅と井出はDH背後で上手くボールを貰えることが目立った。また左右からのクロスに中で合わせる場面が多かったのは主戦CBである千田と池田の欠場も影響があっただろう。それでもヴェルディは起用された選手たちが再現性高いプレーを繰り返し出来ていたことは良い感触を掴めたと思う。
秋田がゴールキックや遠い位置からのFKの際にヴェルディは中盤底の加藤弘堅が最終ラインへ下がり5バック化していた。吉田にはンドカがマークについており、吉田がサイドへ流れるとンドカも一緒に流れるも弘堅が下がっていることでスペースを埋めて空中戦での跳ね返しを強化していた。この辺は秋田対策を練ってきたと感じさせる場面であった。
こうしたこともあり同点になってからはヴェルディペースで試合が進む。すると、40分すぎに右サイドからのCKが流れて左の橋本陸斗へボールが渡る。陸斗のクロスにンドカが頭で合わせてヴェルディが逆転して前半を折り返す。
後半
1点ビハインドになった秋田がロングボール、才藤のロングスローを絡めた攻撃で押し込む時間が続く。それでも得点を奪えない展開で秋田が動く。二種登録選手を立て続けに投入して流れを変えようと試みる。その時にベンチの吉田監督が満面の笑みで選手たちを送り出していった姿が印象的であった。
メンバーを変えたことで秋田は前半にCFを務めていた半田がCBを担当する時間帯があった。敵地での試合ということもあり限られたメンバーのみを連れてきたことでのやり繰りの大変さはどうしてもあったことは否めない。
ヴェルディも選手交代を行ないながら追加点を目指し、お互いに複数回のメンバー交代を経て、前半よりも試合強度が落ちてくる。ここで見せ場を作ったのが左ワイドに回った新井だった。新井はドリブルで縦にカットインに様々な動きを見せて相手守備を翻弄し、秋田陣地でのプレー時間を長くすることに成功した。
凌我、平、試合終盤には途中出場したバスケスバイロンなどが決定的なシュートを放つも相手GK新井の好守もあり得点は奪えなかったが1点リードを最後まで守り切り2-1でヴェルディが勝利。3回戦へ駒を進めた。
まとめ
リーグ戦で勝点を伸ばせていない中で迎えた天皇杯。日頃出番がない選手たちの頑張りもあり見事に逆転勝利を飾った。秋田対策をしてそれが形になっていた局面も見られたが全体的な試合強度はお互いに決して高いものでは無かった。それでもこの状況の中で勝利を手にしたことが何よりも大きな自信に繋がるだろうと信じて次のリーグ戦を見守りたい。