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勝手に決める 新語・流行語大賞~東京ヴェルディ編~

 今季のJリーグもシーズン終盤になり、我がヴェルディは周囲の予想を覆すような躍進で残り4試合を残して早々と来季のJ1残留を確定させた。代表ウィークなどの兼ね合いでリーグ戦の試合間隔があまりにも空き心も穏やかに過ごしていると、年末の風物詩とも言える新語・流行語大賞ノミネートの話題を見かけた。

 知っている言葉から聞いたことが無いような言葉まで。。自分が疎いだけなのかもしれないが。そうだ、ヴェルディの一年を振り返るとどんな言葉があるだろうかと考えてみたら、16年ぶりのJ1での戦いにメディアの注目も増していろいろな言葉が生まれていた。勝手ながら10選を決めて投稿したところ大きな反響があったので、プラスアルファを含めて今季を彩った言葉たちを紹介したい。


Appare!

 第25節・広島戦に来場した7人組アイドルグループ。日本武道館での初ライブを目前に控えて広島戦に来場し特設ステージでのライブ、ハーフタイムのピッチレベルの周回を行ない試合を盛り上げる一役を担ったが、肝心な日本武道館公演が台風でまさかの中止と悲しい結末を迎えた。しかし、その後も交流は続き第28節・鹿島戦、第33節・湘南戦にプライベート観戦で訪れた様子が投稿されると瞬く間にヴェルディサポーターの間で広がり「もはや公認アイドル」と推す声が増えて行った。そして第37節・川崎F戦で再度ゲストとして来場が決定し、25年1月には日本武道館公演のリベンジも決まった。

頭から湯気が出るほどの努力

 日本一練習しなければJ1には残留できないと語る城福監督が選手へ求める練習に取り組む姿勢の例え。長年の監督経験から、ただ汗をかいてプレーしてやっているのではなくて、目を三角にして本当に頭から湯気が出るほど取り組んでいるか、そういう姿勢を大事にしている。実績の浅い選手ばかりを揃えたチームでありながら日々の強度の高いトレーニングを武器に選手層を厚くしていき見事にJ1残留を掴み取った。

東京ダービー

 東京ヴェルディがJ1昇格を果たし、16年ぶりにJ1のピッチで実現した同じスタジアムを本拠地とするFC東京とのダービー。2011年にはJ2リーグ、2023年には天皇杯で対戦したがようやくJ1で迎えた一戦。特に古巣対戦となった城福監督はこのダービーをやるために昇格をしたんだと切望していた。2戦ともに3万人越える観衆を集め注目度の高さはあったものの結果はいずれもドローになり決着は来季に持ち越しとなった。

16年ぶり、5646日ぶり

 J1に復帰し、ことあるたびにいつ以来かと報じられた様子について。特にシーズン序盤は勝利を掴むまで、初得点、初勝点も含めて試合ごとに〇〇日ぶりと報道され第6節・湘南戦で念願の今季初勝利を飾り2008年以来の5646日ぶりのJ1での勝利にスポーツ紙の一面も飾った。そのあとも19年ぶりの鹿島戦勝利にはめざましテレビのニュースでも報じられ、22年ぶり浦和戦勝利、20年ぶりJ1残留とその数字にこのクラブの歴史を物語り、トップカテゴリーに返り咲きメディアからの注目度の高さも象徴した。

ヴェルディ劇場

 後半40分以降の得点や失点が多く、最後まで目が離せない展開の連続がまるで劇場化された状況を指す。2023年も昇格PO決勝での劇的な昇格を決めるPKをはじめ、粘り強い戦いぶりで後半終了間際に得点を積み重ねてた。J1に上がった今季は強力な相手の猛攻に耐えきれず失点で勝点を失うことも目立ったが徐々に慣れて来るとビハインドから追い付く試合も増えてきて開幕からこのような試合が続き、第13節・鹿島戦では0-3から追い付くドラマティックさにJリーグ公式YouTubeチャンネルでも取り上げられた。しかし、それ以降は落ち着いた試合運びも増えてこの時間帯での得点失点はかなり減った。

視認性

 3rdユニフォームを夏場の2戦着用予定も1戦のみで終わってしまった理由。チョコミントのようなカラーでユニフォームだけを見ればとてもカッコよい。第28節・鹿島戦でお披露目となったが映像越しや現地で試合として見ているとピッチ同化しているようでわかりにくく、お蔵入りとなってしまったようだ。

心を打たれる

 第31節・鳥栖戦、2点リードで試合も終了間際に差し掛かった時、DAZN中継内でのサッカー解説者・水沼貴史さんのコメント。J1の他クラブに比べて圧倒的に少ない予算規模で実績の乏しい選手たちが多いなか、最後まで諦めず必死にボールを追いかけて身体を張る全員サッカーで勝点を重ねて行く姿に「ヴェルディの試合は心が打たれると」ライバル・マリノス出身の水沼氏も称賛する。ひたむきなハードワーク、忍耐力、ダイナミックな攻撃と見るものを虜にするサッカーが昨季から約3倍へ膨れ上がり2万人を超す平均観客動員数の一因にもなっているのではと分析されていた。

ハイパーゲームチェンジャー

 エルゴラ記者・田中直希さんが齋藤功佑に命名したキャッチコピー。開幕直後の試合で後半に失点などすることが続いた原因に城福監督が交代出場選手の経験値や迫力に差が出ていると分析。切り札不在の状況に開幕からスタメンを張っていた齋藤をベンチに置き、ライン間に顔を出してボールを受けては散らしリズムを作り出し攻撃を活性化させて後半の攻撃力を上げた。第13節・鹿島戦では3点ビハインドから齋藤の活躍で同点に追いつく劇的な試合を魅せた。そのあとは山見大登やチアゴアウベスらの底上げもあり齋藤は再びスターターに戻った。

ペレか染野か

 サッカー解説者・北澤豪さんがBS松竹東急「カモン!ヴェルディ!!」内で染野唯月、森田晃樹との対談時に第8節・FC東京戦でのスーパーボレーシュートを決めた染野を絶賛したコメント。今季の№1と言っても良いくらい鮮やかな得点であり、決めた染野自身も「100回見た」というほど完璧なものであった。

楓喜マスク

 山田楓喜の代名詞とも言える得点後に披露するゴールセレブレーション。第1節・横浜FM戦で直接FK弾を決めて右手で顔を隠し、左手で指差しをする独特なポーズを見せてあれは何と話題になる。サポーターからの公募で名付けられたこのポーズは、知り合いの子供とのやり取りのなかで発案したとの説明を行っていたが、実は結婚したての奥さんが写真撮るときに、こういう雰囲気のポーズをとっていたので、それをやろうとしていたと裏話を明かした。リーグ戦に限らず、U23アジア杯で優勝を決める得点時にも披露し、一躍全国の選手へと駆け上がり今夏にはパリ五輪にも出場を果たした。

俺達の原大悟

 サッカー実況者・原大悟さんが実況担当すると勝率が良いことからサポーターの間で浸透したワード。2023年町田戦や昇格を決めたJ1昇格PO決勝・清水戦と実は昨季から節目節目の試合の実況担当しており、今季も2点ビハインドから追い付いた第5節・京都戦、2-1で逆転して初勝利を飾った第6節・湘南戦、第17節・札幌戦、第21節・横浜FM戦などを担当。染野唯月が得点を挙げることも多く、染野のハイライトを作るとなれば、ほぼほぼ実況の声が入るくらい。父親は言わずと知れた原博実さん。

写真、向かって左の方。

勝野みなみ

 ホリプロ所属の女性タレントで今年から始まったBS松竹東急「カモン!ヴェルディ!!」MCを務める。母の代からヴェルディサポーターといキャッチフレーズがついている。その熱さからか収録番組とは思えないほど放送時間ギリギリまで目一杯喋りとおし、すっかりサポーターたちからの信頼も勝ち取っている。ホームでの試合の振り返り時は2ndの白、アウェイ時は1stの緑と反対のユニフォームを着用して番組出演することが多い。

トリプルマウンテン

 BS松竹東急「カモン!ヴェルディ!!」内で北澤豪さんが山見大登、山田楓喜、山田剛綺の苗字の頭に”山”がつく1トップ2シャドーの3人衆に付けた名前。チームの停滞時の第21節・横浜FM戦で序列が下がっていた3名がスタメン抜擢されて結果を出したことで連続スタメン起用されて勝点を積み上げることができた。しかし、山田楓喜が第22節・C大阪戦で退場処分を受けたことでたった2戦でトリプルマウンテンのスタメンは終わってしまった。

やれ、じゃあ!

 第31節・鳥栖戦での城福監督とMF7森田晃樹の試合中のやり取りの一コマでの城福監督が発した言葉。全力を出し切るプレーを信条としてチームで、足を釣ったり疲労が溜まりフルパワーが出せずにプレー強度が落ちるようであれば選手交代をしてチームの強度を維持している。疲労が溜まり足が止まり始める後半に「まだできるのか=できるとは全力を出すこと」聞いてるやり取りが集音マイクに拾われていた。

靴一足分、へそ、リカバリーパワー(城福語録)

 城福監督が練習や試合時に選手へ指示する際に普通のサッカー用語ではなかなかインパクトに残らないこともあるだろうということで独自の言い回しでその意味合いをチームに浸透させている。球際をもっと寄せることを「靴一足分の寄せ」、最終ラインの一列前の中盤底の位置を「へそ」、ボールを失った後に取り返す即時奪回やミスをした選手の分まで周りがカバーすることを「リカバリーパワー」などがその代表格である。

まともな奴おらん!

 DAZN「やべっちスタジアム」内の「デジっちが行く!」でヴェルディへ移籍してきた翁長が”誰がまともな選手?”という質問に対しての回答。若い選手が多く良い意味で舐めてかかる和気あいあいの雰囲気のあるクラブで29歳で年長組に入る翁長はキャリアもあり、後輩たちへのアドバイスも積極的に行ない新加入選手14名と入れ替えの多かったチームをまとめている。左右両足のキック精度、ロングスロー、スプリントなど飛び道具もあり躍進を支える存在である。

これ以外にも載せきれないほどまだまだたくさんあったのも濃厚なシーズンを過ごした証であるだろう。
12月にこのなかから大賞を決めるとか決めないとか。

ではまた逢う日まで!