課長への手紙 #8
前略
1月も後半に入るとさすがに正月気分もその延長気分も消え、つまりアディショナルタイムも終わり、いつホイッスルが鳴ったかも分からず、サイドが変わったかどうかさえ良く分からないままピッチを走り回っている、駆けずり回っている、そんな今日この頃でございます。
課長はいかがお過ごしでしょうか。
前回の手紙では、おみくじで「凶」を引いたことや、それを取っ掛かりに話題は我が身の不幸へと転じ、現ボスの方針に起因した最近の不遇を長々と託っていた私ですが——新年早々申し訳ありません。
その後、別の神社で別のおみくじを引いたところ今度は見事に「大吉」を引き当てるという、喜んで良いのか、それともゲーム的に安易にリセットボタンを押してしまったことを恥ずべきなのか、嬉し恥ずかしやり直し、奇跡のごっつぁんゴールという状況に、我ながら少々——照れ臭いやら面映ゆいやら——戸惑っております。
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