ある日突然嫌われた
そう。あの露骨な嫌いアピール。あれは一体何だったのか。C子の本心は?
去年の10月、とある出来事がきっかけでC子に嫌われ、以後なんとなくギクシャクしたまま時が過ぎ、最近になってようやく無風状態が訪れはしたものの、ギクシャクと共に関係性自体も去りぬという、まるで知り合う前に逆戻りしたような、そんな現状現在です。
嫌いアピールとは「ワタシはアナタを嫌っている」ということを殊更に強調する身振りのことで、「避ける」とか「無視する」だけでは飽き足らず、敵意や嫌悪感を非常に分かりやすい形で相手にぶつける行為を言います。
過去の私たちは、特に親しいと言えるほどの仲ではなく——つまり仲違いをするほど仲が良かった訳でもなく、「普通」よりは少しだけ会話があったかなという、そんな関係性でした。
とはいえ、私の「普通」が当時は異常な低値でしたから。そもそも誰とも会話らしい会話を交わしてはいませんでしたので、そういう意味ではC子は「わりと話すほう」だったかもしれません。
そんな中、C子も何かと私に気を遣ってくれていました。それは確かです。誰にでも優しい子で、ただその優しさには方向性がないと言うか、たまたま目についた人に優しくするような気まぐれなところがありました。
要は、私に対して特別な感情があったかというとそれはなかった——ここは大事なポイントなので押さえておこうと思います。
そんなC子に私は感謝こそすれ、嫌な気持ちもなければ、逆に恋愛感情もありませんでした。普通にフラットでした。
10月の事件について話しましょう。
その日は、C子が幹事のようなお世話係のようなことをしている大規模な飲み会の日でした。C子は私を見かけると「今日は1℃さんも参加してくださいね」と声を掛けてくれました。良い子です。
私はお礼と共に、あるお願いをしました。
前回の飲み会で撮った写真——C子が撮ってくれた、私とある女性が一緒に並んで収まっている写真。その写真の存在を思い出した私は、彼女にそのデータが欲しいと依頼したのです。
そして、私は写真を手に入れました。と同時に、何かを失いました。
C子の「嫌いアピール」が始まったのは、その翌日からでした。
目が合ったら冷たく睨んでプイッと横を向くとか、いかにも不機嫌そうに挨拶するとか、その手の幼稚な態度をC子が示すようになったのです。
一度や二度なら、今日はちょっと気分が優れないのかなと、私もスルー出来るのですが、数日続くと流石にこちらも嫌な気分になります。
そこで私は彼女を呼び止め、私が何か気に障るようなことを言ったのか、あるいは怒らせてしまったのかと、訊ねました。
すると彼女は「そんなことないですよ、怒ってないですよ、最近ちょっと仕事が忙しくて」と言うのです。
どういうことでしょう?
私に対して何か言いたいことがあったのなら、これは絶好のパスだったはずです。
C子が言うように本当に何もないなら、何もない相手にあの態度を取っていたのだとしたら、むしろかなりヤバイ情緒の持ち主です。無論「本音を隠した」とも考えられます。実際のところどうなのか。それを知るのはC子だけです。
何はともあれ、それ以後は彼女も努めて平静を装うようになり、多少のギクシャクは残しつつも、嫌いアピールは無くなりました。
この事件をきっかけに、私とC子は会話を交わさなくなりました。わずかな気まずさを感じてお互いがお互いを避けるようになった。といったところでしょうか。
これが事件のあらましです。
それでは当時のC子の気持ち、現在の状況、障害、今後の関係性をタロットカードを使って占ってみたいと思います。フォーカードスプレッド。補足としてボトムカードを参照します。
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