パッチケーブル沼(パッチケーブル比較実験)
はじめに
言うまでもないと思いますが念のため。
ここで言うパッチケーブルとは、「エフェクター同士を繋ぐ短いシールドケーブル」を指します。
決してコンピューターのネットワークケーブルで言うところのパッチケーブルではありませんので、こっちだと思って記事を開いた方は御免なさい関係ないです。
実験目的
シールドケーブル(エレキギター、ベースからエフェクター、アンプなどへつなぐ長めのアレ)については、比較実験の動画や音声がネット上でそれなりに確認できます。
例えばこの記事 とか。
しかしパッチケーブルの比較は全然見つかりませんでした。
知ってる方いたら教えて欲しいです。
なので、手前でやってしまおうという話です。
ただ実験と言っても2種類だけです。
個人的に目をつけていた2種類を自分で比べて、どっちを採用しようかなーと考えるついでに、公にも発表しておこう程度のものです。
使用するパッチケーブル
画像の通りの2種類です。
各ケーブルの詳細は下記を参照。
一つ目:古河電工 PC-TRIPLE C / HKM L-111
PC-TRIPLE Cに関する記事
上記を参照頂ければ、ケーブル自体がどういうものかは分かるかと思います。
このケーブルにHKMブランドのL-111という、パッチケーブル用の省スペースL字プラグを採用したものが一つ目。
こちらは桜屋電機店の受注生産品です。
二つ目:CANARE GS-6 / NEUTRIK NP2RX-B
こちらはこんな記事を読むような方には説明不要でしょう。
ただ一般的なCANARE GS-6と違うのは、プラグがNEUTRIK製ということです。
こちらはBeta Musicの受注生産品です。
実際の音
御託よりも音でしょう。
下記にMP3及び、WAVEファイル(60日で消えますが)を用意しました。
ご確認ください。
高音質WAVEファイル(DAWなどに入れると比較視聴がしやすいと思います。)
各ファイルの詳細
・共通
前半がピック弾き。
後半が指弾き(2フィンガー)
・ファイル形式
PCM 48.00kHz 24Bit 1ch
[01_bassFX_pach-PC_TB-1.wav]
⇒使用ベース :1964年 Gibson Tunderbird2
使用ケーブル :古河電工 PC-TRIPLE C
使用プラグ :HKM L-111
制作販売店 :桜屋電機店
[02_bassFX_pach-GS_TB-2.wav]
⇒使用ベース :1964年 Gibson Tunderbird2
使用ケーブル :CANARE GS-6
使用プラグ :NEUTRIK NP2RX-B
制作販売店 :Beta Music
[03_bassFX_pach-PC_EB-3.wav]
⇒使用ベース :1969年 Gibson EB-3L
使用ケーブル :古河電工 PC-TRIPLE C
使用プラグ :HKM L-111
制作販売店 :桜屋電機店
[04_bassFX_pach-GS_EB-4.wav]
⇒使用ベース :1969年 Gibson EB-3L
使用ケーブル :CANARE GS-6
使用プラグ :NEUTRIK NP2RX-B
制作販売店 :Beta Music
比較した感想(個人の感想のため、バイアスかかりたくない方は読まない方が良いです)
・CANAREの方が歪み(コンプ感)が少なく、低い音までしっかりと出ている
・PC-TRIPLE Cの方が高音域は煌びやかで音像がしっかりしている
・当然だが、HKMプラグの方が省スペースで、エフェクターボードに組み込みやすい
・PC-TRIPLE Cは耐久性にやや不安がある印象。
断線事故を極限に減らしたいならGS-6が実績もあり無難。
ざっとこんなところでしょうか。
ベースという低音こそが重要な楽器においては、CANARE/NEUTRIKの方が良い印象。
私はこちらを採用しようと思います。
ただ、こちらは高音域に問題を感じます。
端的に言うと「ローパスかけたみたいな落ち方」をしてる印象があります。
従ってギターの場合はPC-TRIPLE C/HKMの方が光る可能性が高いと思います。
よく巷では「パッチケーブルなんて何でもいいんだよ(だってローインピーダンスだから)」といった言説が(一部から)聞こえてきますが、この実験により、少なくともデマであることは実証できたかと思います。
そして歪み感に関しては、ケーブルよりプラグの方がファクターとして大きいのではないかと疑っています。
これを実証するには、同じケーブル、同じ長さでありつつプラグのみを別の仕様であるものを用意し、同様の録音比較実験が必要です。
が、もうお金ないので気になる人は自分でやってみてね!
一応使用した楽器とエフェクターを紹介
過去記事で何度か紹介してますが、念のため。
1964年 Gibson ThunderbirdⅡ
1969年 Gibson EB-3L
エフェクターボード
チューナー:Sonic Research ST-200
ParaEQ:PreSonus EQ3B
COMP:PreSonus BLUEMAX
Drive:EBS MultiDrive
D.I.:RADIAL PRO DI
EQだけかけたものと、歪みまでかけたものの2chをミックスしたものとなっています。