決済システムに公取のメスが入った瞬間
こんばんは。今日もお疲れ様です。
上の画像は、「決済」で検索をかけたのですが、なんと日銀本店の建物がありました。
CAFIS。
キャフィスと読みます。20年ぶりにこの言葉を見て、今日は感無量です。
Credit And Finance Information Switching system の略で、日本電信電話公社が1984年に稼働開始させました。ちょうど私が社会人になった年です。
「お前もなー」と言われてしまいそうですが、現在はNTTデータが運用し、現在もバリバリに稼働しています。
Wikipediaでは、クレジットカード加盟店での信用照会機能しか説明記述がありません。いわゆるオーソリと呼ばれる、「利用限度額やカードが不正使用されていないか等の有効性のチェックを行う」機能の説明しかありませんでした。
オーソリは、authorizationの略語ですね。
また、「加盟店はCAFISを通じてCAT(信用照会端末)から利用されたカード会社のホストコンピュータにアクセスしている」との記述が続きますが、少なくとも15年くらい前から、ECサイトからのオーソリ確認と決済データのやりとりの方が、取引件数でも取引金額でも、加盟店からのやりとりを凌駕していると思います。
こんなに片手落ちの部分をWikipediaに見るのは初めてでした。
Wikipediaが作られる前からCAFISは稼働しているのですが...。
私は編集権もってないのですが、どなたかWikipediaの編集権を持ってらっしゃる方、貢献するチャンスです♪
さて、CAFISの文字を20年ぶりに見かけたのは、日経クロステックの昨日付けの以下の記事です。(有料ですが)
公正取引委員会(以下、公取)が目を付けた、ということは、独占禁止法に触れる部分がある疑いがある、という意味です。もともと、日本でクレジットカードが普及しだした頃にクレジットカード会社の要請で作られた(と言われている)システムですし、障害で度々止まってしまうということがなければ、接続するクレジットカード会社や金融機関としては、念のためバックアップ回線になるもう1社くらいを確保しておくにしても、CAFISと取引していれば事足りる筈ですから、こうした決済機能提供会社(決済プラットフォーマー)に「独占的傾向にある」と言っても、元々事業内容的に不可避な部分もありますし、法に触れると主張するためには、それ以外の要素で指摘する必要があります。
CAFISが独占禁止法に抵触すると目を付けられる理由はなんでしょうか。
日経クロステックでは、「料金が硬直的である」点を指摘しています。
この10年間、わが国においてでさえもスマホ決済が進展して、極めて少額の決済、例えば300円とか、が頻繁に決済されるようになってきたのに、CAFISの料金はこの10年間では一度も改定されなかったそうです。
日本の最後の良心のひとつである検察庁が、最近の不祥事でとうとうその権威も信頼も落ちるところまで落ちてしまいましたので、残るは公取ばかりとなってしまいました。
その公取から、ここを正しく追及されたら、何人たりとも無視する訳にいきません。
これを受けて、運営するNTTデータは、早速先月に料金改定を発表しました。
・・・この記事は見落としておりました。
今秋から、新料金で臨むことになりました。
NTTデータ自体の発表も、貼り付けておきます。
5年程前、業務上の必要性がありまして、公取の状況はつぶさに確認したのですが、当時と比べると、こうしてITのかなり奥深いところまで検証の目をもってくれるところまで公取の調査能力がこの分野に張り巡らされたことは、素直に評価すべきと考えます。
今日はNTTデータのCAFISに議論を絞りますが、公正取引委員会はCAFISともうひとつ、全銀システムも問題視しているそうで、全銀システムの場合は金融機関以外への開放を迫るものとなっているそうなので、日を改めて論じたいと思います。
では、また明日。