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ふるさと納税の事案について

こんにちは。今日もお疲れ様です。

今日午後にも、自民党新総裁が決まるので、その前にアップします。

先週、Yahoo!ニュースがアエラの記事を紹介してました。

アエラの元の記事はこちらです。

この話は、以前から「霞が関では知らない人はいない有名な話」だったそうです。
総務省だけでなく、各省庁に同じような話が一つや二つ必ずあるそうで、それは、菅官房長官が官僚を掌握するために、敢えて露骨な「見せしめ人事」を行ってきたからだそうです。

見せしめ人事なのかも知れませんが、多忙な大臣=トップがわざわざ「謝りに行った方がよい」とアドバイスしてくれたのに、それを無視する人物が
左遷されるのは、組織としては健全です。
いやむしろ、この人の総務省の周囲の人が、「大臣がああ言ってるのだから、ここはいったん矛を収めて、謝りに行くのが将来のため」とアドバイスしてあげることが出来なかったのか、が残念な点です。
事案が発生してから実際に左遷させられるまでに、1年も期間があったのに。
局長だと偉過ぎて、誰もアドバイスなんておこがましくて出来なかったんですかね。
民間だったら当然の処遇なので、野党がその点を深く認識せずに追及しても、益々国民の常識から外れるだけです。
自治大学校の校長職が「左遷」というのも残念ですし、民間だったらもう窓際に飛ばされて復活のチャンスもないし、立教大学の特任教授の地位に残れた幸運な人に対して左遷、とは言わないでしょう。

では総務省が、もっと血の通った組織になるためにはどうしたらよいか。
例えば自治大学校の機能を強化して、地方公務員だけではなく本省の公務員への研修もここで実施していくとか、そこにハラスメントへの対処方法の
研修も含めて行くとか、ついでにプロジェクトマネジメントの手法も外部講師を招いて課長補佐以上に勉強してもらうとか、を提案していくことが、この事案からの教訓と理解しますがいかがでしょうか。

もっと言うと、だったら2007年に菅氏が総務大臣だったときに、この人はどうして省内で反対の声をあげなかったのか。
総務大臣より偉くなった人に、その総務大臣時代に立ち上げた政策を批判するって、タイミングも順番も間違えているでしょう。
さらに言えば、地方税を所管するのは総務省といえ、税金の話なのですから、財務省とも事前に調整しなくちゃダメでしょう。

そして、一番致命的なのは、代替案の提示がないことです。

この人は総務省で政策立案の実務をずっとやってきた筈なのに、そうした
手続きの進め方の基本が全く身についておらず、結局は外野に出て研究するしか出来ない人材にしかならなかった、国の税金で給料はらってきたのに、という話です。

また、この見せしめ人事を実名告発した立教大学の特任教授が、すっかり
時の人扱いですが、ちゃんと謝りに行った上で左遷させられたのだとしたら、それが見せしめ人事のより典型的な事例になっていたことでしょうに。

アエラは、そうした常識的な感覚が全くないライターばかりなので、今更
驚きませんが、安定の酷さです。
立教大学の関係者ならびにOBの方々は、アエラに抗議してしかるべきです。

TBSでも、こんな報道番組があったようです。

TBSの報道を全否定する訳ではありませんが、杞憂です。

そもそも選挙で選ばれていない官僚は、我々選挙民の代理人であるところの政治家が決めた政策を実施するのが仕事です。
安倍政権はいろいろ批判されるべきこと満載ですが、官僚主導で永年沈みつつある日本全体の問題に、少しは風穴があいたはず。
「児童虐待防止法を4年で3回も変えることはいいことなんだけど忙しくなった」とか言って霞が関を去った人がインタビューで登場しますが、意味不明。
過去40年近くもずっと不況だったのに、それと関係なく安定した給与を税金からもらっていて、何を贅沢言ってるのでしょうか。
さらに言えば、過去40年わが国全体が不況で苦しんできたのに、官僚組織はそれをどのように救ってくれたのでしょうか。
厚労省は管轄外としらばっくれるでしょうが、国民からみれば、同じ中央官庁です。
安倍政権と関係なく、以前からの官僚主導統治の兆候であり象徴でしょう。

アベノマスクは確かに愚策でしたが、コロナ禍で一丁目一番地で動かなければいけない厚労省は、どんなマシな政策を出せたというのでしょう。
クリーンエリザベス号の対応にしても、現地に詰めたのは副大臣と政務官の自民党議員の2人でした。

あと、平嶋税務局長、当時菅総務大臣が2007年にふるさと納税をスタートさせた時に反対しろよ。
5年以上経ってから本人に文句言ったって、ダメだろ。
その国会答弁の場面で、後ろで高市総務大臣が「あらあら、この人今更何を言い出すのかしら」という目で見上げていたのが印象的です。
地方税が自分の担当とはいえ、財務省とも事前調整しないで税金の徴収の仕方に文句つけるのは、このビデオで元参議院の松井さんが指摘している通り、局長が倒れないように財務省と調整しとけよって自分の部下に指示するか、自分で実行する話です。
結局、政治主導の官僚人事とはそんなものです。

前衆議院議員の福島のぶゆき氏が、こう述べています。

私には平嶋氏が、「国は政治家じゃなくて俺たちが運営する。そのためには、政治家をうまく利用するのが官僚だ」と言っているのに過ぎないように思う。

全く同感です。

この平嶋氏は、膵臓がんにかかり、昨年脳梗塞になって現在はリハビリ中とのことですから、これ以上は批判しません。

ふるさと納税は、確かに運用上改善の余地が大いにありますが、そもそも、地方創生担当大臣に任命された石破茂氏が、在任中何も政策成果を自分で
出せなかった状況に比べれば、地方自治体が独自の工夫で財源を確保できる手段を与えただけ、はるかにマシです。

世間では、内閣人事局の現行の運用について見なおす気は一切ないとの菅新総裁候補の発言を非難する論調ですが、新政権の官僚組織への対応については、二者択一を迫ればいいのですから心配することではありません。
つまり、「あの悪夢のような民主党政権時代に戻すのと、あなたたちはどちらがいいの?」
安倍さんが自分で使って批判を浴びましたが、これは官僚の本音なので、答えは決まり切っているでしょう。

では、また明日。



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