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巴里日記 クリスティーヌ #1
パリに住んでいたころ、7歳の女の子に教えられたこと。
『一日に何度も、目的や相手に応じて着替えるし、ひとアイテム変えたらコーデごと替えるし、それは髪留めのゴムの色、までも』
それはいまでも思い出す出来事で、いまだ7歳の女の子より女を楽しんでいない気がする、ことがある。
アルバイトのつもりのベビーシッターでの出来事。フランス人のキッチンを使っていいのも最高だったし(キッチンや冷蔵庫は好きなのだ)、7歳とはいえ、私の発音をなおしてくれるのもありがたかった。
なにより、7歳の女の子が何をして遊ぶのか、いや、どうしたらママみたいに素敵になれるのか、という問題に懸命に立ち向かっている現場に一緒にいた、のはいまから思うと、貴重な経験だった。
とても一度には書き尽くせないので、すこしずつ、書いていこうと思う。
初日、時間通りにお宅に伺ってママからの「うちのきまり」を聞く。
「どんなにせがまれても、お菓子は絶対にあげないで」
いま思う。ママが一番シッターにして欲しかったのは、これだ。女の子へのしつけのいちばん大切なこと。
それがあとで、私を泣かせることになるのだけれど、、、。
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