二百十日の病院玄関 第4章の4

二百十日とはよく言ったものである。立春から二百十日目に当たる時季は、昔から吹き荒れるとされた。夏目漱石の小説にもある。9月1日の防災の日もそれが所以とは知らないが意を得ている。今年(2018年)の9月4日の皆さんのご様子はいかがであっただろうか?
私はその日は大阪の病院の診療に行った。既に暴風警報も発令されており、休むこともできたかもしれないが、これまでの経験では暴風警報で休んだことは一度もない。理由は1つ。病院が休診とならないからで、患者さんは必ず何人か来ている。こんな日は休んでも良さそうなのだが、精神科の再診患者さんは必ず誰か来ているのである。学会など自分の勝手で事前に休診にすることはあっても、暴風警報の下で休診としないのは皮肉なものである。

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