辛いときには「So What」とつぶやこう
ジャズの帝王「マイルス・デイビス」の人生
9月28日はジャズの帝王「マイルス・デイビス」の命日だ。1991年に65歳で亡くなった。個人的にとても好きなミュージシャンで、初めて買ったジャズのレコードは「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」だった。
マイルスの生涯を描いた映画『クールの誕生』を観てほしい。とにかくカッコいい。どれだけジャズを愛していたかがわかる。そして人一倍悩んでいる。予告編だけでも観てほしいなあ、僕のいっている意味がわかるから。
マイルスが作曲した「So What」が好きだ
「マイルス」の作曲した名曲のひとつに「So What」がある。1959年のアルバム「Kind of Blue」の1曲目に入っている。「マイルス」は1926年生まれだから、このアルバムを発表した時は33才。すでに帝王の片鱗を感じさせる。
「ビル・エバンス」のピアノと「ポール・チェンバース」のベースがひそひそささやきあうように演奏を始める。そこに「マイルス」のトランペットが「それがどうしたんだ」とクールに割り込んでいく。
さらにサックスの「ジョン・コルトレーン」と「キャノンボール・アドレイ」が「俺はこう思うよ」と主張し始める。最後はマイルスが「やっぱりどうってことないな」とつぶやくように終わる。まあ、こんな感じだ。
「やっぱりどうってことないな」で救われる
英語の「So What」はよく使われる言葉だ。日本語に訳すと「誰も気にしないさ」「どうでもいいじゃない」「それがどうした?」といった感じだろうか。状況によっては、強い口調の「だから何なの?」になるかもしれない。
ここで「マイルス」から「So What」を経て、突然経営の話になる。当たり前だが、経営は迷いの連続だ。あっちを立てれば、こっちが立たない。わかっていても、周りの条件や環境のせいにしたくなるときもある。
自分には向いていないと思っていても、おいしい話にはどうしても心が動く。自分に対する批判的な言葉には気持ちが折れそうになる。思い詰めたときにはため息しか出てこない(僕も数え切れないほど経験している)。
「やっぱり自分の道はこれだよな」という確認
そんなときにちょっと「So What」とつぶやいてみてほしい。「誰も気にしないさ」「どうでもいいじゃない」「それがどうした?」・・・ちょっとだけ、いやずいぶん気持ちが楽になると思うよ。
そして、できれば「やっぱり自分の道はこれだよな」ということの確認も忘れずにね。ああだ、こうだといっても、いま目の前にある自分の好きなこと、信じられることをやるだけ。マイルス だってそうだったはずだ。
ちなみに「So What」は「マイルス・デイビス」の口癖だったようだ。帝王といわれた男にも迷うときがたくさんあったんだろうなあ。だからこちらも「So What」だ。さて、ハイボールでも飲みながら、マイルスを聴こう。