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ワッフルとぼたもち

こんにちわ。きょうもおつかれさまです。

今日はチョコレートベリーワッフルを焼きました。毎週水曜日、お菓子をつくっていますが、最近のムシムシ天気、何がいいかまよいました。いろいろ考えたあげく、酸味のあるベリーをいれたワッフルにきめたのです。ベーキングパウダーを多めにいれたので、だいぶ軽い仕上がりです。

それにしてもワッフルメーカーはべんりですね。ワッフルだけでも四種類焼けます。イーストを使った食事ワッフルから、ヨーグルト入りの軽いものまでいろいろ。

ホットサンドもできます。普通の食パンがチーズとハムを挟んだだけでデパ地下のイートインコーナーのお味です。いつも他のバリエーションをかんがてみようと思うけど、けっきょく定番のハムorベーコンとチーズの組み合わせが秀逸で、それ以外を試したことがありません。

付属のプレートは他にステーキ用というのもあります。どれほどぶ厚いお肉が焼けちゃうのかしらと、ホットサンドの要領で想像するのですけど、両面からあっという間に火を通してしまうから案外フライパンで焼くよりも美味しく焼けるかもしれません。が、さすがにこれは諸手あげて焼いてみる気にはなりませんでした。

「べつにステーキまでこれで焼きたいとはおもわないよね」

『なんでもパンに挟んで焼いてしまえばおいしい』のに、かたくなにホットサンドを拒否している息子に、ステーキ用のプレートを見せて言いました。息子が意外なはなしをしてくれました。

コロナの前ですが、知り合いの留学生がシェアハウスにすんでいたのですが、共有のキッチンのルールがちょっと難しくて部屋で加熱できるワッフルメーカーを使っていたそうです。ステーキもやけるから、ベーコンも、魚も、なんでも焼けるってべんりに使っていたそうな。

八畳一間の自室でワッフルメーカーで料理なんて、シェアハウスときいて思い描いていたのとは違いました。むかしフランクフルトにすんでいたころ、会社の先輩に自分で見つけたシェアハウスに住む人がいてお邪魔したことがありましたが、自分には無理だと思いましたよ。シェアハウスは、プライベート空間は狭くても、自由で人とのコミュニケーションが楽しめる人ならいいですよね。身軽にその町の暮らしを体験できる一つの手段ですね。今なら、なんにもかも一通り通過してきた今なら、面白いと思います。安く、異国の人とスペースと時間を共有するって、年取ったらなかなかないし、チャンスがあったらやってみたいです。

息子の話では、その友人はとても日本人的なところがあって、プライベートの距離感を大事にしていたらしいです。お国や育った環境の影響もあって、一概に外国人だからシェアハウスをエンジョイするかって言うとそうとは限りませんよね。それでもシェアハウスを選んだのには、留学生でも割合と簡単に住めるということ、保証人などが必要ないこと、家財道具など揃える必要がなくドミトリーと違って一般の日本人との接触もあるから閉鎖感がないなどの理由だそう。今はコロナで留学生もめっきり減って、お友達のすんでいたシェアハウスはどうなっているでしょうか。また自由に行き来ができるようになったらまた我が家にもきて欲しいものです。

つぎもワッフルメーカー一つで料理しちゃうのかしら。息子のホットサンド嫌いは、どうやらその友人宅で食べ過ぎたことが原因らしい。当たり前にあるものがちがって見えることが、近くに留学生みたいな外国の人がいると起こります。先日、息子に湯沸しポットを買ってくれと頼まれました。あの電気ポットです。

うちは随分前から鉄瓶でお湯を沸かしています。必要になるたびに沸かすので、湯沸しポットも保温ポットもありません。そうやって生活をしている自分の中で理由づけができてしまっているので不便に感じたことがありません。課題の製作に必要だと言うのです。

息子は今専門学校でアートの勉強をしています。広告がメインなのですが、今回の課題は社会問題を動画をいれたポスターにしてプレゼンテーションすると言うものでした。

彼の選んだ問題は難民問題です。今年5月、政府が入管法改正を国会に提出して廃案になりました。これまでの経緯やなぜ取りざたされているのかなど、詳しいことを知りませんでした。しかし私の住む街には入国管理局の収容施設があります。留学生の友人からきいたと、その近隣の施設での待遇に問題があると話していたのは随分前のことでしたが、それが急に身近になりました。マレーシアで暗殺された金正男がディズニーランドに遊びに来日したとき収監された場所です。入管の向かいには少年犯罪者の収監施設があり、自然に囲まれたその場所はなんとなくそういう後ろめたい印象のある場所になっていました。

さて、その電気ポットでなにをするのか訊くと、ぼたもちを作ると言うのです。

難民申請している人たちは、自国で生命の危険があるため出国し日本をえらんできている。しかし、難民とみとめられるのは難しい。申請している間は入管の施設に収監され外に出ることはできない。そのため、祖国や自分の好みの味を求めて、部屋に置かれている電気ポットで料理をつくるのだそうです。例えばヨーグルト。パンを発酵させ、牛乳に入れてつくるのだそう。

難民申請中のひとたちは、オーバーステイやビザなし滞在などの違反わけではないのに、行動が制限されていることに理不尽さを感じます。最近ではスリランカ人の女性が入管施設の中でなくなった事件もありました。知識がありませんが、このままじゃいけない気がしました。わからないから知らないふりはもうしてはいけないのではないかな。少なくとも、じぶんはどう考えているか、言えるくらいには知りたいと思いました。

息子が電気ポットで作ったもち米とあんこが、冷蔵庫に入っていました。ジップロックでつくったもののさすがに食べる気にはならなかったようです。国の外指向の彼が、この経験を実践するようなことが起きなければいいけれど。それが、地球の別のところから来て、あの木々でかこまれた荊の城に閉じ込められている人に起きていると思うと、なんとかしなくちゃと思います。

ワッフルメーカーから、なぜか、難民問題にとんでしまいました。みなさまは、どうぞ心地よいお布団で、ご家族にかこまれてお休みください。ステイホームでございますよ。




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