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程暁農★米・中冷戦の海上対決動向について 2021年4月23日
最近の一カ月、米・中両国の海軍は東半球の広大な海域で一連の相互牽制行動を展開しており、にらみ合いは北は日本から台湾、南はオーストラリア、インドネシア、西はインド洋東部、東はフィリピン東部にまで及んでいる。
この範囲は、両者の海洋対立の中心が南シナ海であり、米・中冷戦が段階的にエスカレートしていることを示している。このような規模の海上での対決は、第二次世界大戦以来のことであり、注目に値する。
★空母「遼寧」の艦隊航行と米軍の追跡
中共は最近、「遼寧」空母艦隊を配備し、日本、台湾、フィリピンへの示威行動を見せている。「遼寧」空母艦隊は3月末に青島の基地を出発し、台湾北東部の日本の宮古島と石垣島の間の海域を南に渡り、台湾の東側の海域に入り、バシー海峡の東側のフィリピン海に入ってフィリピンを牽制。その後、北に引き返して海南島近海に留まった。この時、「ルーズベルト」空母群は南西から北東に向かって進行しており、2隻の空母の距離は約200海里で、艦載機の攻撃範囲内だった。
「遼寧」空母艦隊が動き出したとき、アメリカ第7艦隊の第71任務部隊・第15駆逐隊の駆逐艦「マスティン」も同時に東京湾の横須賀港を出港し、まず西の揚子江の河口に向かい、その後南に転じて 「遼寧」に接近し追跡監視した。
米海軍は、4月4日にフィリピン海で撮影した「マスティン」の写真を公開した。「マスティン」と「遼寧」は、約1キロ離れた場所で並んで航行して「遼寧」の船外番号と甲板上の航空機がはっきりと見える写真だった。
当時「遼寧」の空母艦隊はパラオ群島に向けて南下中だった。パラオ群島は小さな島国だが、米国の同盟国であり、フィリピン東部のセレベス海近海にあり、中共原潜が東側の南シナ海の「深海の砦」から米国を脅かす3航路のうちの1つである。
昨年8月、米国国防長官がパラオ諸島を訪問し、中共の脅威に対する軍事協力について話し合い、その後、米国はレーダーやミサイルシステムをパラオ諸島に送り、海上パトロール支援に沿岸警備隊の船を派遣した。
米駆逐艦が遼寧に至近距離で追従し、米中空母の編隊が南シナ海で初めて接近しはしたものの、双方とも公海上での無害航行規範を遵守し、双方とも砲やミサイルを相手に向けず、砲撃誘導レーダーやレーザー照準装置を作動させないという冷戦下の海軍対決の標準的行動を踏襲した。
双方とも銃やミサイルの照準を相手に合わせず、砲撃誘導型のレーダーやレーザー照準器を作動させず、さらに空母機が離陸して相手の空母編隊を威嚇することもなかった。
★USSルーズベルト空母群の環状長距離巡航・多艦種合同演習
中共ののインド太平洋戦略は、南シナ海の国際水域を占領し、岩礁上に海軍基地を建設し、そこからインドネシアやオーストラリアの海域に原潜を送り込み、さらに中央太平洋に東進して大陸間核ミサイルでアメリカ本土を脅かすというものだ。
米軍の対抗策は、中共に圧力をかけるための抑止力として、南シナ海やインドネシア、オーストラリア、東インド洋でのパトロールを強化し、これらの国々に、中共が南シナ海やインドネシア、オーストラリア周辺で好き勝手にできないことの理解と必要な自信を与えることだ。
1月にグアムを出港した「ルーズベルト空母群」は、バス海峡を通って南シナ海に入り、中東から来た「ニミッツ空母群」と合流して南シナ海南部で演習を行った。その後、「ルーズベルト空母群」は、バシー海峡を北東に渡り、フィリピン諸島東部に沿って南下し、赤道を越えてオーストラリア北西部に至り、赤道の南にあるインドネシア南部を回り込んで南半球のインド洋に入り、インドネシアのスマトラ島に沿って北西に巡航してマラッカ海峡の西の出口まで行き、折り返して 南東からマラッカ海峡に入り、4月上旬に南シナ海に再度入った。
4月6〜7日、「ルーズベルト空母群」は南シナ海でマレーシア空軍と演習を行い、4月9日、「ルーズベルト空母群」は中東からきた強襲揚陸艦「マキン・アイランド」とランデブー。4月9日、中東の空母「ルーズベルト」と水陸両用強襲群「マキン・アイランド」が、南シナ海で共同戦力演習を実施した。
これまで、「ルーズベルト空母群」と「ニミッツ空母群」は、米海軍としては珍しい南シナ海での共同演習を行っており水陸両用強襲群「マキン・アイランド」との合同演習は初めてだ。
この「ルーズベルト空母群」の南シナ海から出発して大回りして南シナ海に戻る環状長距離巡航は、中共海軍が南シナ海の国際水域を占拠しすることを抑止し、中共海軍がインドネシアのジャワ海や西側のインド洋で海底水路測量を行い、核原潜の航路調査抑止任務を遂行していた。
もう1つは、インドネシアのジャワ海や西のインド洋で、原潜の航路を調査する海底水路調査を行っている中共の海洋調査船や潜水艦を抑止することだ。
「ルーズベルト空母群」は、4月12日に南シナ海を出て、グアムの基地に戻った。 米海軍公式サイトの最新情報によると、空母グループは4月16日に1日だけグアムに滞在し、物資の補給と一部の乗組員のローテーションを行い、4月19日に南シナ海に復帰した。
「ルーズベルト空母群」がグアム基地での通常の改装を放棄し、短期間の滞在で南シナ海に再出現したことは、同空母群が南シナ海の国際水域で「戦闘」任務に就き始めたことを示唆していると思われる。
「空母打撃群 」の旗艦である「ルーズベルト」は、海軍の第11空母航空団を搭載しており、4つの戦闘攻撃飛行隊、AWACS飛行隊、電子戦飛行隊、ヘリコプター海上攻撃飛行隊、を有している。「ルーズベルト空母群」は「遼寧」艦隊のの4倍の戦闘機を搭載し、優れた性能と経験豊富なパイロットを擁している。
★中共によるフィリピンのEEZ内の島々奪取行動は前進している
私は、本サイトの3月30日付記事「从东海到印度洋,中美加紧攻防」(東シナ海からインド洋へ、攻防激化する米・中)=わ、これも未訳だ」では、中国が最近、南シナ海の国際水域にある牛軛礁(訳注;Whitsum Reef、南沙諸島のユニオン堆と呼ばれる堆の中で最大の環礁。中共が実効支配しているが、中華民国、ベトナムとフィリピンも主権を主張、最近、海上民兵が乗船する約200隻の中国船舶が結集しつづけた)で島づくりを行っていることや、中共が南シナ海の国際水域にある7つの岩礁を強引に占拠し、海軍基地を設置していることを紹介した。
国際海洋法によれば、黄岩島、牛軛礁、美济礁(ミスチーフ礁)はいずれもフィリピンの200海里排他的経済水域内にある。
中共が他国の排他的経済水域に漁船を送り込んで漁をするのは経済的紛争であり、東南アジア諸国の排他的経済水域の岩礁を公然と強引に占拠し、人工島を作り、さらに海軍基地を建設するのは、他国の主権と国家安全保障に対する侵害であり、国際海洋法を完全に否定する軍事的侵略である。
しかし、中共は国際法や他国の主権を気にかけないことを行動で繰り返し明らかにしてきた。中共は再三、行動によってどんな国際法でも、他国の主権であっても、「その手は食わない」(不吃這一套)なのだ。
「お前らの排他的経済水域に入っていようがいまいが、お前らの国に近い岩礁に軍人が駐留していようが、我々はこの海域を支配したいのであれば、好きなようにやる、お前のものは俺のもの、喧嘩したってお前は俺に勝てないのだから大人しくしないとひどい目に合わせるぞ」ということだ。
東南アジア諸国は一般的に軍事的に弱く、フィリピンは覇権主義の中共強盗に国際法を理屈や、外交的な抗議を繰り返してきたが、すべて無駄に終わった。中共の南シナ海での無謀な軍事的侵略計画は、かつての大日本帝国とよく似た覇権主義的な行為である。
中国は10年も前にフィリピンに帰属する黄岩島(スカボロー礁)を横取りした。 これは、マニラの西約100kmに位置する円形の環礁で、1900年に米国測地学研究所が作成したフィリピン地図に記載され、1950年には在フィリピン米国陸軍が射撃場として開設され、1980年にも米国陸軍の管理下にあった。フィリピン政府は、黄岩島が自国のものであることを法令で繰り返し宣言している。
しかし、1990年以降、中国は黄岩島に艦船を派遣して占領・支配しようとしていたが、フィリピン海軍はその後10年間にわたって同島を支配し、中国が派遣した艦船としばしば衝突していた。
2012年、両国は再び同島で衝突し、フィリピン国民は中国の侵攻に抗議し、国防長官は中国の侵略に対して戦争の準備をするよう国民に呼びかけた。そして同年4月19日、捜狐.comは「人民解放軍の3大基地は頻繁に移動、核原潜は南シナ海に」という見出しの特集記事を掲載し、「目にものをみせてくれる」と書いた。
双方は、しばらくこう着状態が続いたが、のちに、中共はこの岩礁を強制的に占領した。しかし、それを島にすることはしていない。おそらくこの環礁は、南シナ海の国際海域を制圧したのちに「大後方」とするつもりで、中共の「島作り活動」建設部隊は、もっと南に力が注がれている。
最近、中共は南シナ海の南部、黄岩島の南西数百キロに位置する牛軛礁に海軍基地を建設している。 牛軛礁は、南シナ海最大の環礁で、フィリピンのパラワン島の西、マニラの南西、ブルネイから少し離れたところに位置し、逆V字型をしている。
ベトナム最南端からフィリピンの首都マニラまで地図上で直線を引くと、牛軛礁はそのほぼ中央に位置する。ここは、中共戦略原子力潜水艦が南下してオーストラリアに向かう南回りの水路の要所であり、ここに海軍基地を建設することは、南シナ海の国際水域を封鎖することになる。
中共が支配する牛軛礁と美济礁の東側、フィリピンの海岸に近いところには、フィリピンが支配する仁爱礁(セカンド・トーマス礁)があり、中共はここをフィリピンから奪って次の島を作りたいと考えているのではないだろうか。
仁愛礁にはフィリピン軍艦が座礁しており、フィリピン軍人が長期滞在し、定期的に衛兵を交代させているが、中共は現在、海上警察艇やミサイル装備の快速船を使って、仁愛礁を通過するフィリピン船を追放し始めている。
このままでは、仁愛礁のスクラップ船に駐留しているフィリピン軍人が、海上補給や定期的な衛兵交代を受けることが困難になり、避難しなければならなくなる。
中共は現在、さらに新しく作られた島々の上空を封鎖し始めており、3月29日には共産党が作った「赤瓜岛」(南沙7島の一つ)の上空を飛行していたフィリピン軍機が中共軍によって追い払われた。これらの行動は、公海上の岩礁を強制的に占拠して島を作った後、中共が公然と島を領土とみなし、周辺国の船舶や軍用機の接近を許さないことを示している。
中共が南シナ海で行っていることは、基本的には岩礁を占拠し、その周辺海域を支配下に置くという覇権主義的な行為である。 まもなく、中共はフィリピンとマレーシアの排他的経済水域の一部を剥奪し、いわゆる中共領土と領海にするだろう。国際情勢が緊迫してくると、共産党は軍事拠点という口実を使って南シナ海を封鎖し、原潜「深海の要塞」を強固にするという究極の目的を達成する。この構想は、一歩一歩勧められているのだ。
牛軛礁の「島作り」が完成すれば、中共はさらに一歩南に向かい、フィリピンとマレーシア、インドネシアの西海岸の暗礁を「島作り」し、自分たちの「深海要塞」を東南アジア国々の玄関前に広げていくだろう。 4月6日、南シナ海で行われた空母の編隊とマレーシア空軍の合同演習では、マレーシアが中国の侵攻の脅威を察知したことを示している。
★アメリカ海軍と海兵隊の水陸両用強襲揚陸群の全艦隊が東アジアに集中
米海軍の水陸両用強襲揚陸艦隊は2つあり、1つは東シナ海地域の緊急事態を防ぐために、「USSアメリカ」を旗艦として日本の沖縄に拠点を置き、もう1つはイランが引き起こす緊急事態を防ぐために、以前はペルシャ湾沖によく出没していた「マキン・アイランド」を旗艦としている。
水陸両用強襲群と呼ばれる艦隊の中核となるのは、米海軍の呼び名である水陸両用強襲揚陸艦1隻だ。「USSアメリカ」も「マキン・アイランド」その実、中型空母だ。外見は大型空母に似ているが、多数のヘリコプターを搭載していると同時にF35戦闘爆撃機も離着陸可能だ。主な任務は、海兵隊の突撃隊員の紛争地域の輸送だ。
注目すべきは、米海軍が「マキン・アイランド」を中東から米インド太平洋軍の指揮下に置くと発表したことだ。これは、アメリカ海軍と海兵隊の水陸両用強襲群の全艦隊が中国周辺に展開していることを意味しており、南シナ海や東シナ海における中共の軍事的脅威の大きさを直接はっきりと警告する軍事展開となっている。
水陸両用強襲揚陸艦群は、「ルーズベルト」の編隊とともに、中共が南シナ海の国際水域を占領し、島や海軍基地を建設していることへの対応なのだ。
現在、沖縄に駐留している水陸両用強襲揚陸艦「アメリカ」は、中共台湾への脅威への対応を担当し、新たに移設された水陸両用強襲揚陸艦「マキン・アイランド」は、今後、中共の南シナ海への侵攻への対応を主に担当するようだ。
「ルーズベルト」空母群がインド太平洋地域での中共の活動に対する空と海からの抑止力であるならば、「マキン・アイランド」の水陸両用強襲群は、南シナ海の国際水域に基地を建設している中共海軍地上部隊に対する抑止力であることは明らかである。
空母ルーズベルトの司令官であるダグ・ベリッシモ少将はこう語っている。
:「空母打撃群の能力と水陸両用強襲群USSマキン・アイランドの能力を組み合わせることで インド洋と太平洋の安全と繁栄のために、戦術的なスキルを向上させ、継続的に貢献できる。米海軍と海兵隊の合同チームは、この地域を安定させる力となる」と。
また、「マキン・アイランド」水陸両用攻撃群のスチュワート・ベテシャンスキー第3水陸両用飛行隊司令官は、「この遠征打撃部隊は、我々があらゆる不測の事態に対応し、侵略を抑止し、自由で自由な社会を支持して 開かれたインド太平洋地域に地域の安全と安定を提供する」と語った。
「マキン・アイランド」群には、中型空母「マキン・アイランド」のほか、水陸両用ドック揚陸艦「サマセット」と水陸両用の輸送船「サンディエゴ」があり、「マキン・アイランド」にはヘリコプター中隊、軽対潜ヘリ中隊、戦術航空管制中隊、海兵隊支援揚陸ヘリ中隊、海上遠征揚陸チーム、攻撃艇分遣隊、作戦兵站大隊からなる地上戦闘部隊を有する打撃群が搭載されている。
★中共核原潜の活動を監視する米軍偵察機
これ以前に、注意を引かなかったニュースとして、3月5日午前5時、弾道ミサイルの信号を専門に収集する米空軍のRC-135Sミサイル監視機が沖縄の基地から飛び立ち、膠東半島の南側の空域に飛び、6時間に後に基地に帰還した。これは、米軍が中共の戦略核原潜の動きを随時探知しており、1隻が渤海から海南島にある潜水艦の第2基地に向けて南下していたのではないか。
北京大学海洋学研究所付属のウェブサイト「南シナ海戦略的状況認識」は、4月21日のリリースで、
「米軍のRC-135W電子偵察機も最近、南シナ海で活発に活動しており、ほぼずっとADS-B(ADS-B 信号を使用した飛行機追跡)の飛行位置信号を飛ばす「公開飛行」した」
「4月16日、アメリカ空軍のRC-135W電子偵察機が南シナ海に行き、計11時間の偵察活動を行った。午前6時に沖縄基地を離陸し、午前7時40分に南シナ海に入り、空中給油を受けた後、広東省沿岸、海南島南東部沿岸、西沙諸島両側を順次偵察した。 またこの日、フィリピンのクラーク空軍基地から米海軍のP-8A対潜哨戒機が南シナ海の偵察のために飛来した」と述べている。
中共原潜は海南島三亜の榆林港を拠点とし、大型の戦略原潜と、ディーゼルエンジンを改造して小型原子炉搭載の中型攻撃型原潜の2種類で構成されている。後者は、上海や北部の造船所で改造を終えた後、南下して原潜艦隊に加わった。
台湾海峡の平均水深は100メートル余りなので、中共の大型原子力攻撃潜水艦はこの水域での機動力に限界があり、通過できても長居はできない。この種の戦略核原潜は米国に対する威嚇が目的で榆林港出港後に任務執行のためには、東へ向かってバシー海峡を突破するのではなく、なんかしてインドネシアとオーストラリアの沿岸の水面下ルートを辿り東に向かうのだ。また、中共の改造攻撃原潜は、主にアメリカの水上艦隊を追跡したり、台湾を水中で封鎖するために使われるだろう。
北京の「多維ネットニュース」は、昨年10月29日に「海底狩り:中国の陸海空戦部隊が合体して日米の潜水艦を包囲」という記事を掲載した。この記事では、昨年9月中旬から10月末にかけて、米中両海軍が潜水艦、対潜機、対潜船を配備して一カ月間に及ぶ対潜攻勢をかけたことで、台湾南西部の海と空で対潜水艦の攻防が行われた。同様な攻防は今年1月にも起きており、今も続いている。
中共原潜がバシー海峡を越えて、日本とパラオ諸島の間にあるフィリピン海の数千メートルの深さに入れば、米国の国家安全保障に対する脅威は非常に大きくなる。戦略原潜がバシー海峡を自由に出入りできるようになれば、東に移動してミッドウェイ島(昨年1月に中共艦隊が訪問済み)やパールハーバー、さらには米国本土に近づくことも可能になる。
また、中・東太平洋の深海で中共原潜を発見するのは、台湾南西部海域や南シナ海よりもはるかに難しい。 なぜなら、第一列島線が破られ、島の少ない中央太平洋では、アメリカは広大な中央・東太平洋に空母の編隊を広げない限り、島の基地に頼って対潜偵察を行うことができなくなるからだ。そうなると、米国は戦略的に完全に受動的な立場になり、中共原潜の攻撃に対して効果的に防御することは非常に困難になる。
現在、米軍が行っている中共の潜水艦の偵察は、中共の原子力潜水艦のソナーや通信情報を入手し、将来の中共の潜水艦に対する防衛のための対潜水艦データベースを構築することを目的としている。米軍の準備行動は、米軍が中国を軍事的脅威や潜在的な敵とみなし、中共原潜のあらゆる動きに厳戒態勢を敷いていることを示している。空中からの偵察以外に、米軍の潜水艦は、同地域の海底にじっとして、相手の潜水艦に対応して、共産軍の戦略核原潜に対する防衛戦術を練っているのだろう。(終わり)
程晓农:中美冷战局势下的海上对峙最新动态
2021-04-23
最近这一个月,美中两国海军在东半球的巨大海域里展开了一系列相互威慑的对抗活动,双方的海上对峙北到日本、台湾,南到澳大利亚、印度尼西亚,西到印度洋东部,东到菲律宾东部。这样的范围显示,双方海上对峙的中心位置是南海,而这种局面标志着中美冷战在步步升级。如此大范围的海上对抗,二战以后从来没有过,值得关注。
一、“辽宁号”航母编队巡航与美军跟监
最近中共出动了“辽宁号”航母编队,对日本、台湾、菲律宾展示威胁。它3月底从青岛基地出发,向南穿越位于台湾东北部的日本宫古岛和石垣岛之间的海域,进入台湾东部海域,再向南进入巴士海峡东面的菲律宾海,威慑菲律宾;随后“辽宁号”航母编队掉头北返,停留在海南岛附近海域。此时,美军的“罗斯福号”航母编队正从西南向东北方向行驶,双方航母距离约2百海里,处于舰载机的攻击范围内。
“辽宁号”航母编队出动时,美军第7舰队所属的第71特遣部队、第15驱逐舰中队的“马斯廷”号驱逐舰也同时从日本东京湾的横须贺港出发,先向西开到长江口,然后掉头南下,在海上靠近了“辽宁号”航母编队,一路跟踪监视。美国海军官网发布了“马斯廷”号4月4日拍摄于菲律宾海的照片,当时“马斯廷”号与“辽宁号”并排航行,彼此距离约1公里,从照片上可清晰看到“辽宁号”的舷号和甲板上的舰载机。
当时,“辽宁号”航母编队的航向是南面的帕劳群岛。帕劳群岛是个小岛国,但却是美国的盟国,它的位置恰好扼守在菲律宾东部的西里伯斯海外面,那里是中共核潜艇从南海的“深海堡垒”向东威胁美国的3条航道之一。去年8月美国国防部长曾访问帕劳群岛,商量军事上如何合作防范中共的威胁;然后美国为帕劳群岛送去了雷达和导弹系统,并且派遣海岸警卫队的1艘军舰到那里协助海上巡逻。
虽然美军驱逐舰近距离跟监“辽宁号”,美中航母编队也首次在南海近距离接近,但双方都遵守了冷战状态下海军对抗的标准模式,即公海上双方军舰都遵从无害航行的准则,彼此的舰炮和导弹都不能瞄准对方,也不能启动炮火引导雷达或激光瞄准装置;双方的舰载机更不能起飞威胁对方的航母编队。
二、“罗斯福号”航母编队的环形远距离巡航和多军种演习
中共的印太战略是,强占南海的国际水域,不断在暗礁上造岛建海军基地,然后从那里出动核潜艇到印尼和澳大利亚水域,再向东进入中太平洋,用洲际核导弹威胁美国本土。而美军的反制措施是,加强在南海和印度尼西亚、澳大利亚以及东印度洋的巡航作为威慑,给中共造成压力;同时给这些国家必要的信心,让它们了解,中共休想在南海和印度尼西亚、澳大利亚一带为所欲为。
今年1月,“罗斯福号”航母编队从关岛出发,通过巴士海峡进入南海,然后与从中东开来的“尼米兹号”航母编队一起在南海南部演习;然后,“罗斯福号”航母编队向东北穿过巴士海峡,南下沿着菲律宾多个岛屿的东部,一路朝南越过赤道,开到了澳大利亚西北海域;再绕到位于赤道以南的印度尼西亚的南部海域,进入南半球的印度洋;接着它又沿印尼的苏门答腊岛向西北巡航,到了马六甲海峡的西部出口,再调头朝东南方向进入马六甲海峡,于4月初重新到达南海。
4月6日至7日,“罗斯福”号航母编队与马来西亚皇家空军在南海举行演习;4月9日,“罗斯福”号航母编队又与从中东调来的“马金岛”号两栖攻击群在南海海域开展了联合作战演练。先前“罗斯福号”和“尼米兹号”的双航母编队在南海实施联合演习,是美国海军极少有的安排;而“罗斯福号”航母编队和“马金岛号”两栖攻击群在南海的联合演习更是历史上首次。
这次“罗斯福号”航母编队的环形远距离巡航,从南海出发,走了一个大圆圈再回到南海,它是在执行两个威慑任务:其一是威慑试图强占南海国际水域的中共海军;其二是威慑在印度尼西亚爪哇海和西面印度洋上从事海底水文探测、为核潜艇测量航道的中共海洋考察船和在那一带活动的潜艇。
“罗斯福”号航母编队4月12日驶离南海,返回关岛基地。据美国海军官网的最新消息,4月16日,该航母编队在关岛只停留了一天,补充物资、轮换部分舰员后,4月19日,“罗斯福”号航母编队已重返南海。“罗斯福”号航母编队放弃在关岛基地的正常修整,短暂停留后便再度出现在南海,似乎表明该航母编队已开始承担南海国际水域的“战斗”值班任务。“罗斯福号”航母打击群的旗舰“罗斯福号”航母载有海军第11舰载机联队,此联队拥有4个战斗攻击机中队、1个预警机中队、1个电子战飞行队、1个直升机海上攻击中队、1个海上战斗直升机中队,再加上1个后勤支援飞行中队。“罗斯福号”航母的舰载战斗机数量是“辽宁号”的4倍,而且性能优越,飞行员富有战斗经验。
三、中共在菲律宾经济专属区内的夺岛行动步步推进
我在本网站3月30日的文章《从东海到印度洋,中美加紧攻防》中,介绍了最近引起国际关注的中国在南海国际水域牛轭礁的造岛活动,以及中共强占7个南海国际水域的暗礁并建成海军基地的情况。按照国际海洋法,黄岩岛、牛轭礁、美济礁都在菲律宾的2百海里经济专属区范围内。如果中共派渔船到别国的经济专属区内捕捞,这属于经济纠纷;而中共在东南亚国家的经济专属区内公然强占暗礁,造人造岛,再建海军基地,则是对他国主权和国家安全的侵犯,也是一种全然拒绝国际海洋法的軍事侵略行动。中共一再用行动表明,什么国际法、他国主权,它“不吃这一套”;不管在不在你的经济专属区海域,也不管一个离你们国家很近的暗礁上驻扎了你们的军人,我想要控制这片海区就要为所欲为,“只要我想要,你的就是我的”,“你打不过我,你家的东西就乖乖交出来,不然我揍你”。东南亚国家普遍军力薄弱,菲律宾对霸权主义的中共强盗讲道理、讲国际法,反复提出外交抗议,都无济于事。中共在南海肆无忌惮地执行军事侵略计划,其霸权行径和大日本帝国当年的做法非常相似。
中国早在10年前就侵占了菲律宾所属的黄岩岛。该岛位于马尼拉西面约1百公里,是个圆形环礁。1900年,美国国家大地测量局绘制的菲律宾地图就包括这个岛;1950年,代驻菲律宾美军将此岛开辟为靶场;1980年,这个岛还在美军控制之下。菲律宾政府反复通过法令宣布,黄岩岛属于该国。从1990年开始,中国便不断派船到黄岩岛去试图占领和控制它;但此后10年内菲律宾海军一直控制着那个岛,常与中国派去的船只发生冲突。2012年,两国在那里再度发生冲突,菲律宾民众抗议中国入侵,其国防部长号召民众备战,应对中国的侵略。而当年4月19日搜狐网发表专文,标题是《解放军三大基地频繁异动,核潜艇已奔赴南海》,文中说,“只有给他们点颜色看看”。双方对峙一段时间后,最后中国还是强占了该岛。不过,中共并没在那里造岛,可能是把这个环礁视为其计划控制的南海国际海域的“大后方”,中共造岛的施工力量要部署到更南方的海区去。
最近,中共正在南海靠南的海区、位于黄岩岛西南方几百公里的牛轭礁造岛建海军基地。牛轭礁是南海中最大的环礁,呈倒V型,位于菲律宾巴拉望岛的西方、马尼拉的西南方,距离文莱很近。如果在地图上从中南半岛越南的最南端,到菲律宾首都马尼拉划一条直线,牛轭礁就在这条线差不多正中间的地方。此处是中共战略核潜艇南下澳大利亚方向的南向水道之要冲,在这里建海军基地将可以封锁南海国际水域。
在中共已占领的牛轭礁和美济礁的东面,离菲律宾海岸更近的地方有一个菲律宾控制的仁爱礁,估计中共下一步可能想从菲律宾手里夺取这个地方造岛。仁爱礁的礁盘上有1艘菲律宾的搁浅军舰,有菲律宾军人长期留守、定期换防,中共现在开始用海警船和导弹快艇驱逐途经仁爱礁的菲律宾船只。如果这种状况延续下去,菲律宾驻守在仁爱礁废船上的军人接受海上输送的给养和定期换防就很难了,他们将不得不撤离。现在中共还进一步开始封锁新建岛屿的上空,3月29日菲律宾军用飞机飞越中共造出来的赤瓜岛时,遭到共军驱离。这些举动表明,中共强占公海上的暗礁造岛之后,公然视之为领土,不许附近国家的舰船和军用飞机靠近。
中共在南海的做法基本上是用霸权行径硬夺暗礁,再封锁它控制的周围海域。很快,中共就会把菲律宾、马来西亚经济专属区的部分海域剥夺了,成为中共的所谓领土和领海。等到国际局势紧张时,中共会用军事要地的借口把南海封锁起来,实现巩固其核潜艇“深海堡垒”的最终目标。这个构想,它正在一步一步地实施。等牛轭礁造岛完成后,中共可能进一步向南,选择靠近菲律宾和马来西亚、印度尼西亚海岸的暗礁继续造岛,把它的“深海堡垒”扩建到东南亚国家的大门口。4月6日,“罗斯福”号航母编队与马来西亚空军在南海联合演习,表明马来西亚已经看到了即将到来的中国侵略行动的威胁。
四、美国海军和海军陆战队的全部两栖攻击群舰队集中驻守东亚
美国海军一共有两个两栖攻击群舰队,一个常驻日本的冲绳,旗舰是“美利坚号”中型航母,以预防东海地区的突发事件;另一个以前经常停留在波斯湾外海,是为了预防伊朗制造的突发事件,旗舰是“马金岛号”中型航母。所谓的两栖攻击群舰队,其核心是1艘两栖攻击舰,这是美国海军对这种舰只的称呼。其实它是一艘中型航母,外型与大型航母相似,可以携带多架直升机,同时也可以起降F-35战斗轰炸机。它的主要任务是把海军陆战队的突击部队送到冲突发生地区。
值得注意的是,美国海军已经宣布,“马金岛号”两栖攻击群已调离中东地区,改归美军印太司令部指挥。这意味着,美国海军和海军陆战队的全部两栖攻击群舰队现在都部署在中国周边,这种军事部署对中共在南海和东海的军事威胁作出了直接而明确的实力警告。这次“马金岛号”两栖攻击群到南海水域和“罗斯福号”航母编队共同演习,就是一种针对中共强占南海国际水域、造岛建海军基地的行动。
现在常驻在冲绳的“美利坚号”两栖攻击群舰队,是负责应对中共威胁台湾的;而新调来的“马金岛号”两栖攻击群,看来今后会主要负责应对中共在南海的侵略行动。如果说,“罗斯福号”航母编队主要是从空中和海上对中共在印太地区的活动展示威慑力,那么“马金岛号”两栖攻击群所威慑的,显然是在南海国际水域造岛建海军基地上的中共海军地面守备部队。
“罗斯福号”航母指挥官、海军少将韦里西莫(Doug Verissimo)表示,“将航母打击群的能力与‘马金岛号’两栖攻击群的能力相结合,可以提高我们的战术技能,并表明我们对印度洋和太平洋安全与繁荣的持续奉献。美国海军和海军陆战队联合团队在该地区一直是一股稳定力量。” 而“马金岛号”两栖攻击群的第3两栖中队指挥官斯贝特尚斯基(Stewart Bateshansky)则表示,“这支远征打击部队充分表明,我们能对任何突发事件做出反应,制止侵略,并为支持自由和开放的印度太平洋地区提供区域安全与稳定。”
“马金岛号”两栖攻击群包括“马金岛号”中型航母、“萨默塞特号”(Somerset)两栖船坞登陆舰和“圣地亚哥号” (San Diego)两栖运输舰。“马金岛”号搭载1个直升机中队、1个轻型反潜直升机中队、1个战术空中控制中队、1个海军陆战队的支援登陆直升机中队,打击群还拥有1支海上远征登陆队组成的地面战斗部队、1个攻击舟艇支队以及1个作战后勤营。目前它刚到关岛整补。
五、美军侦察机监视中共核潜艇的活动
此前有一个未引起注意的消息,3月5日凌晨5时,美国空军1架专门收集弹道导弹信号的RC-135S导弹监视机从冲绳基地起飞,飞往胶东半岛以南空域,在那里反复盘旋监视6个小时后才返回基地。这表明,美军随时在检测中共战略核潜艇的行动,当时可能有1艘中共的战略核潜艇正从渤海南下,前往海南岛的潜艇第二基地。
隶属于北京大学海洋研究院的“南海战略态势感知”网站4月21日发布消息说,近来美军的RC-135W电子侦察机在南海也十分活跃,且几乎全程打开ADS-B飞行位置信号仪,实行“明码”飞行。4月16日,美国空军1架RC-135W电子侦察机到南海开展侦察行动,全程达11个小时。这架飞机晨6时从日本冲绳基地起飞,7时40分进入南海,然后接受空中加油;先后在广东海岸、海南岛东南海岸和西沙群岛两侧侦察。4月21日,美国空军的1架RC-135W电子侦察机再次对广东、海南、西沙、南沙、黄岩岛抵近侦察,长达11个小时。这一天,美国海军还有1架P-8A反潜巡逻机从菲律宾克拉克空军基地飞到南海侦察。
中国核潜艇的基地在海南岛三亚的榆林港,其潜艇舰队包括两类潜艇:一类是大型战略核潜艇,另一类是柴油动力潜艇改装小型核反应堆的中型核动力攻击潜艇。后者在上海或北方的船厂完成改装,再南下加入其核潜艇舰队。台湾海峡的平均水深百余米,中共的大型核攻击潜艇在这个水域的机动能力受到限制,只可能路过而不太可能长期停留。这种战略核潜艇用于威胁美国,从榆林港出港后,如执行远航任务,不是向东潜航试图突破巴士海峡,就是南下进入印尼和澳大利亚沿海的水下航道,再向东潜航。而中共的改装核动力攻击潜艇可能主要用于跟踪美军水面舰队或水下封锁台湾。北京的《多维新闻》去年10月29日发表过一篇文章,《海底猎杀:中国大陆海空战力合围美日潜艇》。此文提到,去年9月中至10月底,台湾西南海空域成为火爆热点,美中双方海军出动了潜艇、反潜飞机和反潜舰艇,在这一海域进行了1个月的反潜攻防。同样的攻防今年1月开始再度发生,此刻还在继续。
一旦中共的核潜艇越过巴士海峡进入日本和帕劳群岛之间,水深数千米的菲律宾海,对美国的国家安全之威胁将变得非常大;若共军的战略核潜艇能自由进出巴士海峡,它就可以东进到中途岛(去年1月已去过)、珍珠港,甚至更靠近美国大陆。而在中太平洋和东太平洋的深水海域,要发现中共核潜艇的踪迹,比在台湾西南海区或南海要难得多。因为第一岛链的防卫一旦失效,中太平洋上的岛屿很少,美国就不再能依托岛屿基地展开反潜侦察,除非把航母编队分布在广阔的中太平洋和东太平洋上。那样一来,战略上美国将完全陷入被动挨打的境地,就很难有效地防范中共的核潜艇攻击了。
美军对中共潜艇目前的侦察目的是掌握中共核潜艇的声纳、电讯资讯,以便为未来防范它建立反潜数据库。美军的这些备战行动表明,美军视中国为军事威胁和潜在的敌人,面对中共核潜艇的一举一动,美军都在高度戒备当中。除了空中侦察之外,美军潜艇也可能在那个海区沉底“蹲守”,刺探对方潜艇的应对,以便形成一套防范共军战略核潜艇的水下战术。