何清漣★中共の豪州いじめは失敗に終わった 2021年5月27日
1年間続いた中国とオーストラリアの貿易戦争は、最近、一段落してその結果が明らかになりました。2020年のオーストラリアの対中国貿易は史上二番目の高水準となり、中国から制裁を課せられているはずなのに輸出額は1480億豪州ドルにのぼったのです。
これは2019年の1540億ドルより60億豪ドル下回る額ですが、3位の2018年より10%高かったのです。さらに、中国が口に出せない忌々しい結果、豪州の最も収益性の高い産業である鉄鉱石価格が1トン60米ドルから200ドルを超す記録的水準に値上がりし、中国が少なからぬ米ドルを失ったのでした。
この成績表を見て、オーストラリアの各界では「やったぜ!」と歓呼の声が上がり、中国世論は「オーストラリアは思ったほど弱くなく、中国は自分たちが思っていたほど強くなかった、と嘆きました。元々は相手を翻弄するつもりで始めた貿易戦争の結果、自分たちが損を被り、北京はガックリです。
★対米貿易戦争から着想を得た北京だったが
中国がオーストラリアとの貿易戦争を戦略的に考えたのは、間違いなく米・中貿易戦争に触発されたからです。
2018年3月下旬にトランプ大統領(当時)が中国との貿易戦争の開始を宣言したとき、ブルッキングス研究所は4月9日に「中国の関税案はどう米国の雇用と産業に影響するか?」というレポートを発表しました。
これは中国が米国に対抗するために行った2つの関税リストの影響を米国の郡レベルまで分析したもので、それによると2724郡のうち2247郡(82%)が2016年にトランプに投票しました。2016年の米国大統領選挙でトップ10の大豆と豚肉の輸出州のうちトランプは8つの州の支持を獲得したというものでした。この研究は、もし米・中貿易戦争が勃発したら、一番打撃を受けるのはトランプ大統領支持の「赤い州」だというものでした。
これは中共にとっては、「大豆を主とする農産物輸出はトランプの票田に関係する」というお宝情報となり、このトランプの弱みを使い、時間を稼ぎさえすれば有利な条件に変えることができ、選挙の年にチャンスがあるだろうと思わせました。実際、トランプは貿易戦争の間、何度も態度をクルクル変えましたから、北京はますますこの考え方を信じるようになりました。
そして、2020年の新型コロナウイルスの蔓延で、中国の「時間稼ぎ戦術」は完全にこうかほ発揮し、相手の弱みさえつけば、世界第一の強国である米国にさえ中国は勝利する、と考えました。ましてや米国に比べるとはるかに弱っちい、中国に経済依存しているオーストラリアなんか一捻りだと思ったのです。
★毛沢東の教えをわすれた北京
中国は8割以上の鉄鉱石を輸入に頼り、国外の4大採掘会社に集中しています。2019年の中国鉄鉱石輸入データでは、67%がオーストラリア産で次がブラジル産です。そこで中国はオーストラリアの2つの大きな対中輸出商品中、石炭を主目標にしました。鉄鉱石ではありませんでした。そのほかは、ぶどう酒、大麦、牛肉、銅、砂糖、エビ、もう材なども中国商務部から停止や制裁措置を受けました。
しかし、北京は戦術上の大間違いをやらかしました。中共の「元祖」である毛沢東は「中国革命戦争の戦略問題」の第5章9節で「敵に対して、その10本の指を傷つけるよりも、1本の指を折る方がよく、10個師団をやっつけるよりも、その1個師団を殲滅する方が良い」と言いました。この意味は、伸びた戦線全体で戦うより、兵力を集中して敵の1個師団を消滅させる方がよいという意味です。
北京はこの毛沢東の教えを忘れ、対オーストラリア貿易戦争では、その逆をやってしまいました。オーストラリア経済の大きな柱である鉄鉱を放置し、重箱の隅をつつくようなことをしたのです。2018年のオーストラリアの対中輸出のうち、鉄鉱石は半分近くを占めていたのに対して、葡萄酒や大麦などはほんの豆腐の一片にすぎませんでした。
世界的な鉄鋼生産の増加に伴い、ブラジルの供給が追いつかなくなることは、北京では予想していませんでした。もちろん、オーストラリアの大手鉱山会社は、ブラジルの鉄鉱石に比べて明らかに低コストです。オーストラリアの鉄鉱石価格は順調に上昇しており、1年前には約60ドルだった価格が、年初には1トンあたり160ドル近く、一時は200ドルを超えました。
、年初には1トンあたり160ドル近く、一時は200ドルを超えました。 石炭については、オーストラリアの生産者は、中国の石炭禁止令に対抗するために、インドを中心とした別の輸出市場を求めています。 生産者は以前と同じ価格を得ることができないかもしれませんが、中国は低品質の石炭をより高い価格で購入せざるを得ません。
中国のライバル企業はオーストラリアの高品質の石炭をより低い価格で購入でき、かなりの利益を得ることができます。豪独立系石炭会社ホワイトヘブン・コールは、昨年12月の四半期報告書の中で、中国はオーストラリア産の石炭を他の国を通じて調達していると言明しています。
オーストラリアの農産物でも、中国はオーストラリアの首を絞め損ねています。オーストラリア統計局のデータによると、昨年10月以降、中国市場に輸出されたオーストラリア産大麦はわずか3万3千トンでした。
同時期、サウジアラビアはオーストラリアの大麦を150万トン輸入しており、オーストラリアにとって最大の輸出先となっています。西オーストラリア州の穀物生産者は、今年の大麦の作付け量が最高に近くなると予想しています。
このような戦術的な不手際により、中国とオーストラリアの貿易戦争は次のような結果になりました。
;北京はオーストラリア経済に打撃を与えるために、多くのオーストラリアの輸出品に制裁を加えたましが、同時に価格の高いオーストラリアの鉄鉱石や天然ガスを大量に購入し、豪州経済に「輸血」をつづけたのです。ワインや大麦などのオーストラリアの輸出品を「やっつけた」一方で、鉄鉱石価格の継続的な上昇が中国の鉄鋼会社に打撃を与えました。
説明が必要なのは、北京が鉄鉱石を制裁目標にできなかったのは、実は中国自身がオーストラリアの鉄鉱石に深く依存しているからです。今回の戦いを通じて、中国は自国が深く対外資源に依存していることを知って、他国が中国の購買力に依存しているだけでなく、こうした相互依存関係では優位に立っていてもいつでも逆転しかねないことを理解すべきでしょう。
★中国の対豪州貿易戦争の基本的な失敗
三つの方面から、中国の貿易戦争は失敗だと言えます。
⑴ 目標の選択の誤算
中国はなぜ、多くの欧米諸国の中からオーストラリアをターゲットに選んだのでしょうか?
欧米諸国の中でもオーストラリアは比較的弱く、長年にわたって中国共産党に浸透し、多くの「代理人」を育ててきました。
中国が目の敵にしているオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、米国で構成される諜報同盟「ファイブ・アイズ」のうち、米国と英国は国連5大常任理事国で手強い存在です。ニュージーランドはあまりにも弱く、北京の言いなりですから叩くわけにはいきません。カナダは米国に近く、中国への経済的依存度が低いため、孟晩舟事件のように中国が圧力をかけても勝てませんでした。
それに比べて、中程度の規模と強さを持ち、経済的に中国に大きく依存しているオーストラリアを攻撃目標に選んだことは、目的を達成しやすいだけでなく、中国の威信を確立し、国際的な影響力を高めることにもつながります。
しかし、約1年間の貿易戦争の中で、オーストラリア政府の対中国外交戦略は、「自分たちは国家の尊厳を第一に考え、中国と対峙する意志も勇気もある」ことを示しました。中国がオーストラリアワインを輸入禁止にしたとき、国際社会がオーストラリアワインを買う連帯キャンペーンを展開したのも、この自分たちの尊厳を守る姿勢があったからこそです。
⑵ .北京の強引な弱いものいじめ外交は挫折した。
権威主義的な全体主義の政治は、「対等」な外交を理解できません。 北京の意図は、オーストラリアの経済的な対中依存度を利用して、経済制裁によってオーストラリアに政治的態度の変更を迫ることでした。
2020年11月、在オーストラリア中国大使館は、北京は「中国とオーストラリアの間には問題がある」というリストを発表しました。
リストには、2018年にファーウェイを5G入札から追放する決定を下したこと、南シナ海における中国の主張を認めないこと、いわゆる「香港、新疆、台湾の問題への無謀な干渉」、「新型コロナウイルスの出所の究明要求」など、北京がオーストラリアが両国の関係を悪化させたとする14分野が列挙されました。
中国の政府関係者の言葉を借りれば、オーストラリアは近年、反中国的な傾向を強めており、罰しなければならない、というわけです。これはBBC放送などでは「14の勅令」と呼ばれました。こうした高飛車に他国に命令する姿勢が、台頭後の中国では当たり前のように思われてきたました。しかし、今回、それがオーストラリアによってへこまされたわけです。
⑶ 「中国は別にそんなに怖くない」という教訓
北京がオーストラリアとの貿易戦争を仕掛けた時、中国の大対外宣伝舞台は、オーストラリアが直面する大打撃を大宣伝し、ニューヨーク・タイムズなどもオーストラリアが直面する経済的困難をあらゆる方面か予想しました。「中国がオーストラリアからの石炭輸入を正式に禁止、オーストラリアにとっての意味」(2020年12月17日)という記事でもそうでした。
しかし、今、この貿易戦争の第一ラウンドの結果を見て、オーストラリアの人々は目先の利益より、毅然とした国家の品格の方が重要だとようやく理解しました。
では、北京はオーストラリアとの貿易戦争を続けるつもりなのでしょうか?
現在の状況は、三国志の「鶏肋」(けいろく)の故事そっくりです。(曹操が「鶏肋」という命令を出した故事。「撤退」を意味する。その心は「捨てるには惜しいが、このまま攻め進んでも利は無い」)
中国がこのまま貿易戦争を続けても何も得るところはありませんが、いま「制裁」をやめてしまえば、「メンツ イコール 尊厳」の北京にとってなんともカッコ悪い話なのです。(おわり)
中澳贸易战,北京失算在哪?
2021/05/27
一场本来希望让对方丢盔弃甲的贸易战,结果成了自家受损,北京很不甘心。
长达一年的中澳贸易战,最近终于有了阶段性结果:2020年澳大利亚对华出口创下历史第二高水平,被中国制裁的澳大利亚向中国出口了1480亿澳元商品,虽比2019年创下的1540亿澳元的记录低60亿澳元,但比排名第三的2018年高出近10%。更让中国有苦说不出的是:一年之中,澳洲出口盈利最丰厚的产业——铁矿石的价格从每吨大约60美元涨到了超过200美元的破纪录水平,中国为此损失不少美元。
面对这张成绩单,澳洲各界欢呼本国赢得漂亮,中国舆论感叹:澳洲没我们想象的那么弱,中国也没有我们想得那么强。一场本来希望让对方丢盔弃甲的贸易战,结果成了自家受损,北京很不甘心。
北京从对美贸易战中获得战略灵感
中国对澳贸易战的战略构想,毫无疑问受到中美贸易战启发。2018年3月下旬,时任美国总统川普宣布展开对华贸易战,美国布鲁金斯学会4月9日就发布了《中国征收的关税对美国产生的影响》(How China’s proposed tariffs could affect U.S. workers and industries),该研究将中方反制美国的两份关税清单的影响细化到美国的县这一层级,在2742个县中,有2247(82%)的县在2016年将选票投给了川普。2016年美国大选期间,在排名前十位的大豆和猪肉出口州中,特朗普赢得了其中各8个的支持。该研究的测算显示,若爆发中美贸易战,受伤最重的,有可能将是美国总统川普的深红票仓。
这等于是明着告诉北京:大豆为主的农产品出口关系到川普票仓。发现这一点以后,北京如获至宝,认定这是川普的软肋,决定以拖待变,以时间换空间,拖到大选年,就会出现转机。而川普在贸易战中时时变化的态度,更让北京坚定了这一信心。到了2020年疫情蔓延,中国“以拖待变”的策略完全奏效。北京于是信心大增:中国的巨额采购就是供应国的软肋,只要抓住软肋,对付世界头号强国咱中国都赢了,一个比美国弱得多且对中国有严重经济依赖的澳大利亚还不是稳拿把掐?
战术上,伤澳大利亚十指却不敢断其大姆指
据此,中国对中澳关系进行了一番沙盘推演:中国80%以上的铁矿石需要依赖进口,而且集中在国外四大矿商,根据2019年中国铁矿石进口数据分析,有67%是来自澳洲,其次才是巴西。因此,在澳洲两大宗输华商品中,中国挑选的是主打目标是澳大利亚的煤而不是铁矿石。其余如葡萄酒、大麦、牛肉、铜、糖、龙虾、木材等一系列产品的出口也被中国商务部叫停或采取制裁措施。
但北京犯了战术大忌。中共祖师爷毛泽东在《中国革命战争的战略问题》第五章第九节曾说过:“对于人,伤其十指不如断其一指,对于敌,击溃其十个师不如歼灭其一个师”,这意思是说,打仗时,与其拉长战线全面开花,不如集中优势兵力歼灭敌方一支有生力量。北京忘记了毛的教导,对澳贸易战的战术正好反其道而行之,放过了澳洲的经济支柱铁矿,抓住了边边角角:2018年澳大利亚对华出口中,铁矿(Iron Ore)占比将近一半,而葡萄酒、大麦等只占了个边角豆腐块。
北京没料到,在全球钢铁产量增加的情况下,巴西的供应没法跟上,更兼与巴西铁矿石相比,澳洲几大矿业公司的低成本优势十分明显。澳洲铁矿石的价格节节上涨,今年年初的铁矿石价格为每吨近160美元,一度曾突破200美元,而一年以前只有大约60美元。在煤炭方面,澳洲生产商寻求替代性的出口市场,特别是印度,来应对中国的煤炭禁令。虽然生产商可能无法获得与以前一样的价格,但中国被迫以更高的价格购买质量较差的煤炭,而中国的竞争对手却可以较低的价格购买澳洲的高质量煤炭,并从中获益不少。Whitehaven Coal在去年12月份提交给澳交所的季度报告中解释称,中国正在通过其他国家采购澳大利亚的煤炭。
即使是澳洲农产品,中国也未能卡住澳洲的脖子。澳洲统计局数据显示,自去年10月以来,只有3.3万吨澳洲大麦出口到中国市场。同期,沙特阿拉伯进口了150万吨澳洲大麦,成为澳洲最大的出口市场。西澳的谷物种植者预计今年的大麦播种量会接近最高纪录。
战术上的失误,导致中澳贸易战出现以下结果:北京一边制裁澳洲多项出口产品,企图重创澳洲经济,一边又不得不大量购买高价澳洲铁矿石和天然气,给澳洲经济输血。在中国对澳大利亚葡萄酒、大麦等出口产业“下狠手”的同时,铁矿石价格连续上涨也让中国钢企遭受阵痛。
这里必须要说明,北京不敢选择铁矿石作为制裁目标,其实是中国自身对澳洲铁矿石有高度依赖。经此一役,中国必须意识到自身对外有严重资源依赖,不仅是别国对中国的购买依赖,这种相互依存的关系,优势劣势可随时转换。
中国对澳贸易战基本失败
从三方面来说,中国对澳贸易战都失败了。
1、目标选择上失算。
要对这场贸易战做个总结,必须先回答一个问题:中国在众多西方国家当中,为何挑中澳大利亚做为打击对象?
在西方国家中,澳大利亚相对较弱,而且被中共多年渗透,培养了不少代理人。在让中共很不满的五眼联盟当中,美英属于联合国五大常任理事国,不好硬碰;新西兰则太弱,而且对北京比较服从,打击它胜之不武,也容易伤害友华者。加拿大离美国近,经济上对中国的依赖较弱,一个孟晚舟案件,中国施加倾国压力,也未取胜。比较之下,选择体量与实力均处中等、且对中国有严重经济依赖的澳洲作为打击对象,既容易达到目的,还可以立威,增强中国国际影响力。
但是,在一年左右的贸易战中,澳大利亚政府对华外交策略表现出:我们将国家尊严放在首位,我们不仅有对抗中国的意愿,我们更有对抗中国的勇气。正是这种不失尊严的对抗下,当中国打压澳洲葡萄酒时,国际社会发起购买澳洲葡萄酒的声援活动。
2、北京以强凌弱的强势外交遭遇挫折。
专制极权政治从来不懂“平等”外交。北京本意是希望利用澳洲对中国的经济依赖,通过经济制裁的方式胁迫澳洲改变对华的政治态度。
在2020年11月,中国驻澳大利亚大使馆发出一份清单,已经阐明北京认为中澳之间存在哪些问题。这份清单上列出了北京认为澳大利亚导致两国关系恶化的14个领域,其中包括2018年决定禁止华为参与5G招标,不承认中国在南海的主张,以及所谓的“肆意干涉香港、新疆和台湾问题”,要求调查Covid-19的源头。用中国官方的话来说,澳洲近年反华越来越无底线,必须予以惩治。这份姿态十分霸凌的清单出来后,被BBC等媒体称之为“十四条诏书”,用下诏的姿态对待他国,被崛起之后的中国视为理所当然,澳大利亚算是让中国吃了一次瘪。
3、教育了本国民众:中国没有那么可怕。
在北京发起对澳贸易战之时,不仅中国的大外宣系列大肆渲染澳洲将面临的沉重打击,就连《纽约时报》等也从各方面渲染澳洲将遇到的经济困境,在《中国正式禁止从澳大利亚进口煤炭,这对澳洲意味着什么》(2020年12月17日)一文中,还谈到流失选票的风险。
现在,面对中澳贸易战第一个回合的成绩单,澳洲民众终于认识到原则、国格比短期经济利益重要。
接下去,北京是否还要继续对澳洲开展贸易战?到此情境当真应了一个三国典故,如同鸡肋,食之无味,弃之可惜——中国继续纠缠于贸易战,没什么好处可言;但此刻放弃“制裁”,对将面子等同于尊严的中南海来说,情何以堪?
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