着慣れない喪服で僕ら集まってみんなして平気なフリをして
親愛なる芸人たちへ
先日、芸人仲間の父親が亡くなったので葬儀に参列しました。
葬儀場に行くと、何人かの芸人仲間がいました。
いつもは笑って挨拶をしますが、今日はそうはいきません。
楽屋で会う際は舞台衣装ですが、今日はもちろん喪服です。
この人たちの喪服を見るのは、はじめてかも。
そんなことを思いながら雑談をしていると、父親を亡くした彼が、僕らを見つけて声をかけてくれました。
彼は普段と変わらない様子、いや、むしろ普段よりテンションが高いように見えます。
僕らに気を遣わせないように、一生懸命テンションを上げているのでしょう。
辛いはずの彼がテンションを上げているのに、僕らがテンションを下げる訳にはいきません。
僕らも普段と変わらない様子で、彼に接します。
時には声を出して笑ったりもしました。
無理をしているのはお互いがわかっているけど、とても優しい時間でした。
葬儀の最中、彼の後ろ姿はずっと震えていました。
あれはあれで優しい時間でよかったけれど。
次はまた、楽屋で舞台衣装で普通に話そうか。
#よしもとnote企画