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不用品を工作材料に。横浜のアップサイクル工作室「くるり工房」

文京区の工作室もくもくはりねずみのつちやです。

横浜市で廃棄物処理・リサイクル事業を行う武松商事(株)が運営するアップサイクル工作室「くるり工房」に、オーナーのきさいちと見学に行ってきました。

「廃棄物処理業」の立場から「一般向け」に「工作素材やワークショップを提供する」というユニークなアプローチの工作室。実際に現地にお伺いして具体的にお話を伺ってきましたのでレポートにまとめました。


noteマガジン「工作室もくもくはりねずみ」

つくる人をつなげる地域の工作室 もくもくはりねずみの公式マガジン。
工作室の所属メンバーが活動記録やイベントレポートを投稿します。

「エコクル・ファクトリー」と「くるり工房」

今回わたしたちがお伺いしたのは、シーサイドライン鳥浜駅から徒歩5分に位置する「エコクル・ファクトリー」。

「エコクル・ファクトリー」とは、くるり工房を運営する武松商事(株)のサービスの一つ。
横浜市の許可を受けた武松商事が、一般家庭や商店から排出される不用品を回収。
回収されたものの中からまだまだ使える物品を買い取り、国内外の必要としている人たちに繋いでいくリユースサービスです。

今回お伺いした「くるり工房」は「エコクル・ファクトリー」のサービス拠点となる倉庫兼オフィスの一角に位置しています。

不用品が「工作材料」に変わるまで

くるり工房の入口をくぐると、たくさんの工作材料が並べられた材料ブースが出迎えてくれます。材料ブースには、布のはぎれや木っ端、毛糸など、さまざまな種類の素材が並べられています。

一見ホームセンターの手芸コーナーのようにも見えますが、これらの多くは一般家庭や企業から排出され、本来はゴミとして処理されるはずだった「不用品」。

買い取りした不用品のなかから、工作やワークショップ材料に適したものをピックアップして「リユース素材」として提供するのがくるり工房の一つの機能とのこと。

ラインナップはさまざまですが、基本的には、
①一般家庭や商店から不用品を回収・買い取り
②回収物のうち使えそうな物品は次の使い手への橋渡しを行う
③そこにも漏れてしまった物品たちが工作材料として生まれ変わる
といった流れで、回収された不用品がリユース素材として店頭に並ぶそうです。

何がリユース素材としてピックアップされるかは、回収される不用品によってまちまちで、時には回収ドライバーさんのアドリブで「工作材料として使えるのでは!」とピックアップされるものもあるそうです。(わたしたちが訪れた際は「竹製の麻雀牌」が工作材料として陳列されていました。)

毛糸は定番の回収品とのこと
ボタンや金具などがたくさん!このディスプレイに何を入れていくかを考えるのも楽しそう。
流木
大量の木っ端

リユース素材のワークショップでアップサイクルの価値観を身近なものに

材料ブースの奥に設けられた制作スペースには壁一面にビルトインされた作業台が。裁縫系の用具を中心に、ミシンや工具、塗料、材料などが豊富に取り揃えられています。

ここにある工具や材料は、くるり工房が運営するアップサイクルワークショップや、商品として店頭に並ぶアップサイクルプロダクトの企画・制作、おうちでできるアップサイクルレシピの開発などに利用されているそうです。

工房内で月に数回行われる工作ワークショップでは、ビニール傘をアイロンで圧着したバッグや、米袋を再利用したポーチ、ロールカーテンのブックカバーなど、時期に応じてさまざまなレシピを制作体験できるとのこと。

不用品の「リユース素材としての提供」にとどまらず、ワークショップの運営やアップサイクル品の制作を通して、“普通なら捨ててしまうものも 見方を「くるり」としてみれば様々なモノに生まれ変わる”という、くるり工房のコンセプトそのものを、主体的な体験を通してより実践的にシェアしていく。
そんな価値観の発信拠点を「工房」というかたちで構えている点が「くるり工房」のユニークさであり、魅力だなと感じました。

ワークショップで制作できる作例たち。
キャッシュカード・クレジットカードのアクセサリー
よくみると、工作室内のいたるところにアップサイクル品が。展示什器や、工具・材料を整理しているボックスも、レコードや木っ端などをアップサイクルしたもの。
サッカーチーム応援用の「のぼり」でつくったバッグ

まとめ

工作やものづくりと切っても切れない関係の「材料・素材」。廃材やリサイクル素材が利用できれば材料を無駄にすることへの抵抗感が減って、思い切り工作を楽しめるはず!
今回は、そんな興味の中からたどり着いた「くるり工房」に実際に見学に行ってみました。

「廃棄物処理業」の立場から「一般向け」に「工作素材やワークショップを提供する」というユニークなアプローチの工作室。実際に訪れてみると、工作意欲を刺激するアイデアに満ちあふれた魅力的な空間が広がっていました。

くるり工房では、今後もアップサイクルワークショップの開催や、レシピのシェアをしていくとのことです。ぜひSNS等をフォローのうえ詳細をチェックしてみてください。

今回、衝動のままにお問い合わせしたにも関わらず、見学をご快諾いただきました武松商事株式会社さま、ご対応いただいた担当の船木さま、あらためましてありがとうございました!

最後に担当の船木さまと記念撮影

くるり工房

〒236-0002 神奈川県横浜市金沢区鳥浜町16−5
東京方面から首都高速湾岸線「杉田IC」より約5分
横須賀方面から横浜横須賀道路「並木IC」より約10分
シーサイドライン「鳥浜駅」より徒歩約5分

公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/kururiworks/

公式Instagram
https://www.instagram.com/kururiworks/

文京区の工作室 もくもくはりねずみ

東京メトロ後楽園駅より徒歩6分。
工作室で開かれるイベント・ワークショップに参加したり、工具をレンタルしてDIYしたり、こどもから大人まで心ゆくまで工作を楽しむことができる地域の工作室です。

オンラインコミニティ もくはりメイカーズ

工作室の所属メンバーを中心とした、どなたでも参加できるオンラインコミュニティです。Discordサーバー内で、DIY・工作情報から制作のお手伝い募集、つくったものの報告まで、ものづくりに関わる幅広いトピックが投稿されています。ぜひ一度のぞいてみてください!

記事におさまりきらなかった写真ギャラリー

わたしたちも工作材料を購入させてもらいました!
未分類の工作材料予備軍を見て心躍るわれわれ
物色するきさいち
デカい3Dプリンター!デカい!
廃プラスチックをリサイクルフィラメントにする海外製の装置はリサイクル業者ならでは!
(フィラメントの安定化が難しく研究中とのこと)

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