インディーズ小説家の作詞
願いの四葉
砂浜で独り膝を抱え 流れ星を見つめてる
顔を伏せて目を瞑り 崩れる波を聞いていた
髪を優しく撫でる風に 身を委ねて彼を待つ
途中で見つけた四葉を握り 吐息が一つ零れ出す
駄目かと小さく呟いて 月を見上げて涙がぽろり
四葉の願いは叶わないかと 砂の上にそっと置く
初めてあなたと会ったのは 学園祭の喫茶店
エプロン姿の私にこれをと クリームソーダを注文したね
子供の頃から大好きだからと 照れるあなたが可愛かった
サービスですよと添えたのは ハートマークのオムライス
真っ赤な顔して食べるあなた それが私の恋の始まり
メアドも交換しないまま その日の恋は幕を下ろした
久しぶりに会ったのは 駅の近くの喫茶店
あなたに呼ばれて迎えに座ると クリームソーダが置いてある
変わってないねと尋ねると 照れくさそうに頷いて
ズズズと音を立てながら 美味しそうに飲んでたね
今年の夏は何するの? 特に何も決めてない
私は海へ行くけれど 独りだから一緒にどう?
友との予定を切り捨てて またねと笑顔で店を出た
置いた四葉に別れを告げて 重い腰を持ち上げた
いらないのならその四葉 僕に譲ってくれないか?
振り向く私に歩み寄り そっと四葉を拾い取る
両の頬に涙が伝うと あなたは優しく抱き寄せて
これから歩む道程を 共に歩いてくれないか?
声にならない返事をすると もっと強く抱きしめた